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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    百合菜

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    オスセイ?。
    Twitterのフォロワーさんの呟きを元にして書いたSS。
    ずっとスランプでしたが、これを書くことで「手癖なら書ける」と気づき6月は火がついたようになりました。ありがとうございます。

    退官後のセイランとオスカーの話。
    なお、セイランの寿命がつきそうに読めますが、単に風邪を引きやすくなったと書きたかっただけです(笑)

    2021.6.3.掲載

    ##オスセイ
    #オスセイ
    maleDeity

     頬に当たる風が心地よい。
     そう思いながら小高い丘から見える風景をキャンバスに落とし込む。
     自分にとっては芸術。他の者にしてみれば、どれが空でどれが緑なのかわからない落書きに過ぎないもの。
     でも、こうして思いのまま過ごせる。そんな時間が今は愛おしい。

    「ここにいたのか」

     風の音しかない静寂を破る男の声。
     ここでは異質だけど、決して嫌いではない……はず。

    「ああ」

     ぶっきらぼうになってしまうのは彼と出会ったときからの無意識の習慣。
     生きる上で優先するものが違うがゆえ、自分が最も大切にするものを目の前の男は簡単に壊してしまうのではという危惧は昔も今も変わらない。

    「今は自由の身だ。好きなだけ過ごせ」

     ただし。
     目の前の男はそこまで言ったかと思うと、そこで言葉を切る。
     そして、羽織っていたジャケットを自分の肩に掛けてくる。

    「お前は無二の存在だからな。それに今は普通の人間だ。そのことを忘れるな」

     その言葉と同時に感じるくちびるの触感。
     彼の無骨な印象とは掛け離れた優しく繊細な感じのするもの。
     そのくちびるから感じるのはただひとつ。ー愛してる。
     言葉にならない想いが伝わり、押し潰されそうになったのを悟ったのだろうか。男はいつの間にか立ち去っている。
     残された自分は掛けられたジャケットに腕を通しながら呟く。

    「ほんと、叶わないよ、君には」

     聖地にいたあの頃と違い、いつ命を失ってもおかしくない身。
     それどころか病にも簡単に掛かるようになってしまった。
     残された時間がどのくらいあるか正直わからない。
     ただ、思うのはひとつ。

    「もう少しだけ自分のことを大切にしないとね」

     自分のためにも。そして、自分を愛するもののためにも。
     そう思いながら筆を取る。頬に当たる風が優しく、そして暖かかった。
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    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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