「メルメルのことが好きなんだけど。……その、付き合いたいって意味で」
二人ともが食事を終えたタイミングで燐音は今日の主目的を口にした。
さっきまで飲んだり食べたりしていたはずなのに緊張でやけに喉が渇く。舌だって上手く回らないところを無理矢理にでも動かして言葉にする。声も震えないよう必死で格好付けていた。テーブルの下で握りしめている手の中は汗をかいていてこんなの絶対に見せられないなと思う。
そんな状態になりながらも決死の覚悟を持って燐音はHiMERUに告白をした。
勝算の低い賭けは嫌いじゃないが、いくら燐音でも勝算がゼロなのに勝負しようとは思わない。だから告白したのだって一応勝算はあったのだ。これから先も同じユニットで一緒にアイドルを続けていく相手に振られることを前提で告白は無理だろう。HiMERUならファンやカメラの前で上手く振る舞えるだろうが、そんなことはさせたくない。
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