良い夢を熱い熱い熱い。
身体中の血液が沸騰しているのではないかと、大袈裟に思うほどに身体は熱に侵されていた。
熱のせいで頭はずきずき、喉は傷んで上手に話せない。
診断は流行り風邪。
リネが連れてきたお医者さん曰く、2~3日もすれば良くなる、大丈夫とのことらしいけど、私にとってはちっとも大丈夫じゃなかった。
だって、今日の任務は休めない、休みたくなかった。
ベッドから何とか抜け出そうとしたけど、家族みんなに止められてしまい今日は一日ベッドの住人となってしまった。
「......」
皆が寝静まったころ、回復しきっていない身体を引きずって部屋から出る。
シンと静まり返った無駄に長くて広い廊下。
窓越しに夜空を見上げれば、綺麗な星空とキラキラ輝く月。
2423