Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    さみぱん

    はじめての二次創作

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐈 🐱 💖 🎉
    POIPOI 27

    さみぱん

    ☆quiet follow

    2022年書初めやっとできました。どうやら付き合っているらしい笹唯ちゃんの雪の日のお話です。
    (笹塚さん1月ホームボイスあります)

    初出:2022.1.11
    この後どうなったか気になるけど見せてもらえませんでした!!!

    ##笹塚創
    ##笹唯
    #スタオケ

    ずるいのは誰か? その日、朝日奈唯は人生何度目かの新千歳空港の到着ロビーに佇んでいた。いつもの待ち合わせ場所に、いつも待っている人影はないのだ。いつも朝日奈を出迎えてくれる人物──仁科からは、どうしても外せない打合せが入って行けなくなった、と搭乗直前に連絡が入っていた。
     これまで仁科の厚意に甘え、車での送り迎えなどをしてもらっていた結果、朝日奈一人で空港から札幌駅までの間を電車で移動するのは実は初めての事だった。
    「えーっと、どっちだっけ……」
     案内板の表示を目で追ってキョロキョロしていた朝日奈が、はたと思い出したようにポケットを探った。そういえば仁科が電車での経路をマインしてくれていた覚えがある。忙しいだろうに手厚いフォローが有難い。
     履歴を確認していると、すぐ目の前で誰かが立ち止まった気配がした。妙に近いなと視線を動かした先に見えたブーツに朝日奈は何となく見覚えがある。スマホの画面から顔を上げると、こちらを覗き込んでくる背の高い人物と目が合った。
    「わ! 笹塚さん⁈」
    「なにやってんの」
    「あ…っと、調べもの……?」
    「JRならあっち」
    「…や、やだな。そんなの分かってますよ」
     じっと見てくる笹塚に心を見透かされた気がして、誤魔化すように朝日奈がふいと視線を逸らした。何度も来ているのに、一人での電車移動が不安だなんて子供じゃないんだから。
    「ふうん」
     ニヤリと笑った笹塚は、そんな朝日奈の頬を指でついと撫でると、少し屈んで唇に軽く触れるだけのキスを落とした。
    「……⁉ ま、またこんなとこでそーゆーことを!」
    「別に誰も見てない。行くぞ」
     頬を染めて抗議する朝日奈を尻目に、笹塚はひょいと朝日奈の荷物を持つと、何事もなかった様にスタスタと先に立って歩き出してしまった。


     無事に札幌へ向かう快速へ乗り込んだ二人は、車内の暖房が強すぎるからという笹塚の言により、連結部のデッキスペースに陣取っていた。札幌駅まではこの時間殆ど乗降客もなく、通路側に笹塚が立つとここだけ切り取られた空間のように居心地が良い。
     簡単な近況報告など他愛もない話をしているうちに、車窓はいつの間にか市街地に変わっていたが、そこもまた一面の銀世界だ。
    「上からも見えたけど、見事に積もってますねぇ」
    「今朝まで降ってたしな。ああそうだ」
     そう言うと笹塚は上着のポケットをごそごそ探ると、何やら手のひらに載るほどの巾着袋を取り出して朝日奈に手渡した。袋の中身は靴の上から装着できるゴム製のスノースパイクだった。
    「やっぱ用意しといて正解だったな。あんたさ、この時期にスニーカーで来るの危ないからやめた方がいい。これやるから今のうちに着けて」
     子供が使うヤツだけどサイズが丁度良さそうだったから、という笹塚の失礼な説明にむくれつつも、興味津々の朝日奈はお礼を言って使わせてもらう事にした。
     さっそく靴に装着しようとしゃがみ込んだ際に、ぐるぐる巻のマフラーから零れた栗色の髪がしゃらりと背中を滑る。ちょうど陽が射し込んだタイミングだったからか、笹塚にはまるで繊細な艶を持つ絹糸が零れたように見えた。
    「そういえば、何でわざわざ空港まで来てくれたんですか? ライブの打合せとか、作曲のお仕事とか大丈夫なの?」
    「打合せなら仁科に任せてるから問題ない。納品ももう済んだ。それより、いつも最初にあんたの顔見るのが仁科なの、ズルいだろ」
    「ずるい⁈」
     朝日奈が素っ頓狂な声をあげて見上げてくる。ちょうどスノースパイクの装着も完了したのを確認すると、笹塚は手を伸ばし朝日奈の腕を取って立たせ、そのまま引き寄せて腕の中へ閉じ込めた。抱きしめて甘く囁くつもりだったのに、何故か笹塚の口から出た言葉は独り言のような取り留めもない自問自答になってしまう。
    「……そう。あんたの恋人は俺なのに、仁科ばっかりズルいなと思ったんだ。だから多分…、あんたを独占したくなったんじゃないか」
    「ふふっ、なんですかそれ。笹塚さんがそんな風に言うの珍しいですね。でも、私に会えるの楽しみにしてくれてたのなら嬉しいです」
     笹塚がらしくない行動をしてしまう時は大抵、この一番近くでくすくすと笑い声を立てる恋人が原因なのだ。こういうのも悪くないなと声に出さずに呟いて、朝日奈の髪を撫でる笹塚の表情は、いつになく柔らかいものだった。


     笹塚のマンションのエントランスでは、すっかり疲れ果てた様子の笹塚と朝日奈がエレベーターを待っていた。特に朝日奈の足元はぐっしょりと濡れており、時折足元が震えている。駅からマンションまでずっと雪道を歩いてきた所為なのだが、それというのも「雪道の為のスノースパイクなんでしょ、せっかく着けたんだから歩きたい」と朝日奈が譲らなかったためだ。
     慣れている笹塚はもちろん、朝日奈もスノースパイクのおかげで滑って転ぶ心配は少ない。それでも念のため手を繋ぐよう促すと、それも嬉しいと朝日奈がはしゃぐので、ずっと歩き続ける羽目になったのだった。どうせ一区画分も行けば飽きるだろうと、すぐにタクシーを拾うつもりだった笹塚の目論見は見事に外れてしまった。
     やっとのことで部屋まで辿り着くと、暖かい室温に気が緩んでしまったのか、朝日奈はペタンと尻もちを着くように廊下に座り込んだ。
    「あー楽しかったー! でも疲れたー!」
    「ははっ、あんた初めて雪触る子供みたいだったな」
    「だって横浜だとこんなに積もること滅多にないもん。それに笹塚さんとデート気分も味わえてラッキーでした」
     朝日奈はそう言って笑いながら、スニーカーからスノースパイクを外し、冷たく濡れそぼった靴ひもを解いていく。えいっと小さい掛け声と共に湿った靴下を引っぱって脱ぐと、冷えて真っ赤になったつま先が露わになった。
     もちろん寒さで色づいているのは濡れた足先だけではなく、寒風に晒された頬も同様だ。笹塚は朝日奈の隣にしゃがみ込むと、その頬にそっと手を添わせる。指先に触れた肌は、その色とは反対にしんと冷たかった。
    「それにしても。寒空の下のあんたって、頬赤いし、涙目だし… 吐く息白くて……」
    「そんなの、こんなに寒かったら、誰でも…」
    「……妙に艶っぽいな」
    「…へ?」
     一瞬何を言われたか理解できずポカンとしてしまった朝日奈だったが、じっと見つめてくる笹塚の双眸が微かに揺れるのに気付くと、丸い目を更に見開いてひとつ息を飲んだ。色づいた頬はみるみるその色を深め、そこに触れたままの笹塚の指にはじわりと熱を帯びて感じられた。
    「いま…、なに、考えてます……?」
    「ん…。放っといたら霜焼けになりそうだな」
    「えっ、それはやだ!」 
    「とりあえず風呂入ってくれば。乾燥機終わったの適当に着ていいから」
    「えー、また入れっぱなしなんですか。もう、ちゃんと片付けなきゃダメでしょ」


     ぶつぶつ小言を並べながら朝日奈が風呂場に消えたのを確認すると、笹塚は深々と嘆息した。本当に疲れた。雪道を歩いたことでの体力的な疲労ではなく、その道すがらの出来事からくる精神的な疲労が主な原因で、思い出すとついため息が出てしまうのだ。
     駅を出て歩き始めたほんの十数メートルの間、すれ違う男の誰もが朝日奈を見てくるのに気付いた。中には見惚れたように数秒目で追う者もいる始末だ。隣にはそんなことは全く感知せず、眩しい笑顔で笹塚の名を呼んでは楽しそうに話す可愛い彼女。惚れた相手という贔屓目を抜いても可愛い部類に入る朝日奈なのに、笑うと途端に天性のコンミスぶりを発揮する。路上ライブ中なら仕方ないが、二人でいる時は勘弁して貰いたい。こんな事ならさっさとタクシーに乗れば良かった。笹塚自身は他人の視線なんて気にしたこともないのに、朝日奈をあんな風に見られるのは我慢し難いことに気づいて、恋というものは余裕がないのだなとつくづく思い知らされた出来事だった。
     途中から手を繋いだのも転倒の危機回避というのはただの名目だ。本当はしっかり指を絡めて繋ぎ止めることで、朝日奈は俺の彼女だから見るな、と叫び出したい衝動を抑える為の手段に過ぎなかった。それなのにデートみたいで嬉しかったなんて言われ、つい顔が緩んでしまう自分に呆れてもいた。
     加えて思わず艶っぽいなどと口走ってしまったあの表情だ。まだ見ぬ朝日奈のそんな姿を想像し鼓動が早くなったのを悟られたくなくて、咄嗟に霜焼けなんて無粋な事を言って誤魔化してしまった。少し冷静にならなければ。
     とそんなことを思い巡せていると、スマホの着信音が鳴り響いた。笹塚自作のその曲が設定されているのは世界に一台だけ。それは笹塚が座っているソファの横、朝日奈の鞄の上にちょんと乗って震えていた。画面に表示されていた名前は、仁科──。
    「もしもし」
    『……………………ぇ?』
    「俺だけど。なに」
    『えっ? ささづか? …あれ?』
    「朝日奈の電話で間違ってない。あいつなら風呂だ」
    『ふろ…? あぁ、もうお前のマンションに着いてるってことか。……そっか、良かった』
    「それで。俺に連絡してこないって事は順調なんだろ」
    『あー、打合せならもちろん問題ないよ、あとで詳細メールしとく。その…今日、朝日奈さんのこと迎えに行けなくなっちゃったからちょっと心配でさ。少し時間出来たから電話しただけ』
    「別に大丈夫だろ、子供じゃあるまいし。用事がないなら切るぞ」
    『あぁ、うん。そうだよね。朝日奈さんに今日はごめんって伝えといて。じゃ明日、昼前にそっち行くから』
    「わかった」
     通話終了ボタンを押すと、笹塚はほぅっと息を吐いた。冷静になるどころか、仁科の声を聞いたら何故かイライラしてしまった。正確には、仁科が朝日奈宛に電話してきたことを面白く思わない笹塚自身に苛立ったのだ。仁科がずるいなどと子供みたいな理由をつけておきながら、自分のしてる事と言ったらどうだ。真っ先に会いたいなら今日みたいに迎えに行けばいい。自分から動きもしなかったくせに、勝手に他人の電話に出て勝手に腹を立てた。空港まで迎えに行った事も何故か後ろめたくて言えなかった。そのうえ着信履歴を消して無かったことにしたいとまで思っているなんて。ずるいのは笹塚自身ではないのか。


    「あったまった~。お風呂ありがとうございました」
    「………」
    「ねぇ笹塚さん、新聞紙なんてないですよね?」
     風呂場から戻って来た朝日奈は、言われた通り乾燥機の中から見繕ったらしい笹塚のスウェットに着替えていた。普段から笹塚自身がダボっと着ている服なのでもちろんサイズが合う訳もなく、よく言えば服の中で体が泳いでいる状態。健康的な太腿が見え隠れするその姿は、今の笹塚にとってはもはや煽情的と言うしかない。
    「スニーカー濡れちゃったから乾かしたいんですけど。……聞いてます?」
    「ん?」
    「だから。新聞紙。ありませんかって」
     どこかうわの空の笹塚の顔を覗き込むように、朝日奈がソファの側面から身を乗り出してくる。途端に距離が近くなって、湯上り独特のほわほわとした熱気が伝わってくるようだ。
    「……笹塚さん? どうかしたんですか?」
    「なにが?」
    「何だか不機嫌だから。……あれ?」
     笹塚の手に自分のスマホが握られているのに気づいた朝日奈が声を上げた。朝日奈から不機嫌そうに見えるという笹塚はというと、実のところこれ以上近づかれるとなけなしの理性が吹き飛びそうな状態だったため、なるべく朝日奈の方を見ず、ぶっきらぼうにスマホを差し出した。
    「仁科から電話だった」
    「あ、そういえば着いたって連絡わすれてました。後でマインしとかなきゃ」
    「しなくていい」
    「ねぇ……何で怒ってるの? 雪の中連れまわしたから? これ着ちゃダメな服だった? それとも…」
     笹塚の態度が気になって仕方ない朝日奈は、止める間もなく隣に座ると、笹塚に詰め寄るように言葉を重ねる。風呂で温まって上気した頬と必死に見つめてくる潤んだ瞳が、笹塚には先程の寒空の下のあの艶っぽい表情と重なって見えた。
     その顔はダメだ。
    「……っ! ん…や……」
     気が付くと朝日奈に覆いかぶさるようにして、夢中で唇を重ねていた。抵抗する朝日奈を押さえ込んだ拍子に、スウェットの裾からのびる太腿に触ってしまった。柔らかくて滑らかな触感の肌を撫でると、ひゃっと小さく声を上げて急に朝日奈が静かになる。笹塚がゆっくりと顔を上げると、泣きそうな顔の朝日奈が、それでも気丈に見上げてくる。
    「こういうのは、イヤです」
    「……じゃあどうして欲しいか言え」
    「何で怒ってるのか教えてくれたら言います」
    「………言いたくない。別に怒ってないし。あんたに関係ないだろ」
    「関係あるよ。何のために笹塚さんの彼女やってると思ってるんですか。ちゃんと話して」
    「………」
     泣きそうかと思えば意味の分からない理屈を並べて強情に押してくる、そういう所があるのが朝日奈だ。この状態の朝日奈に逆うとあとが面倒なのは経験済だった。笹塚は本日何回目かのため息をついて朝日奈の上から退くとソファに座り直し、笹塚自身にも理解し難い感情をぽつぽつ言葉にし始めた。
    「そうだな……。彼女が可愛すぎて困ってる」
    「えっ…わたし?」
    「他の男にあんたを見られるのが嫌だ」
    「ちょ、ちょっと待って。何の話ですか」
    「何って。あんたは俺の、彼女だってこと」
    「もう、そんなことは分かってますよ。それでどうして不機嫌になるの?」
    「……さあ、なんでだろうな」
    「私が聞いてるんですけど。…でも、ちょっとわかるかも。私も、笹塚さんがファンの女の子たちに囲まれてるの、やだなって思う時あるもの」
    「あれは俺も面倒だと思ってる」
    「ふふっ。笹塚さんてば、茶化さないで。他には? まだありますか?」
     笹塚はまるで朝日奈のカウンセリングを受けているみたいな気分がしていた。朝日奈と話しているだけで、もやもやした気分や訳の分からない苛立ちなどがどうでも良いことに思えてきた。
     そうなると途端にいたずら心が顔を出してくる。
    「なあ。それ、誘ってんの?」
    「ん? 何がですか?」
    「制服のスカートと似たような長さだけど、断然今のがエロいな」
    「」
     笹塚の視線が注がれているのは、もちろん朝日奈の太腿だ。それに気づいた朝日奈が慌てて裾をひっぱって隠し、早口で捲し立てた。
    「そ、そういうんじゃないから。ジーンズも濡れちゃってて穿くものなくて、笹塚さんのこのスウェットだったら一枚でワンピみたいに着れるかなって思っただけだし」
     さっき肌に触れた時の感触が笹塚の指にはまだ残っていて、それが消える前にすぐまた触れて確かめたくなってしまう。隠されると余計にその気持ちが強くなってくる。
    「ふうん。ま、どうせうちに泊まるんだし、じっくり堪能させてもらうつもりだけど」
    「たんのう…⁈ ……え、待って。何で今日ホテル取ってないの知ってるの?」
    「そんなの簡単だろ」
     来るときいつものホテルの前を通ったのに無反応だったから。とシンプルに種明かしをされ朝日奈が頭を抱えた。
    「あー! そうでした! 笹塚さんと一緒なのが楽しすぎて小細工忘れてました。失敗したぁ……」
    「ははっ、なんだそれ。何企んでたか知らないけど詰めが甘いな」
    「急に泊めてって言ったらどんな顔するかなって。あーあ、また計画練り直さなきゃ」
     今日こそ笹塚さんのことドキドキさせられると思ったのになぁ、と呟きながら朝日奈が頭を笹塚の肩にもたせかけてきたので、笹塚は一瞬絶句してしまう。
    「……へぇ、期待せず待ってるよ」
     何とか理性を保ったまま返事だけはすることができた。朝日奈の事だからおそらく深い意味はないのだろうが、今の流れでこんな思わせぶりな行動をするなんて、ずるい。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💞👏👏👏👏💕💖💖💖💖❤☺😍☺☺☺☺☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    さみぱん

    DONEスタオケ版フリーライトへの参加作品です
    https://twitter.com/samipan_now/status/1528016739367198720
    いぶちこさん(@ibuchi_co)の、めちゃくちゃ可愛くて笹唯ちゃんも桜も満開なイラストにSSをつけさせて頂きました!

    少し不思議な体験をした笹塚さんのお話。
    頭の中でどんな音が鳴っているのか聞いてみたいです。
    初出:2022.5.21
    まぶしい音『それでね、今日────』
     電話の向こうの朝日奈の声が耳に心地いい。
     札幌と横浜、離れて過ごす日があると、小一時間ほど通話するのが日課になっている。最初はどちらからともなくかけ合っていたのが、最近は、もうあとは寝るだけの状態になった朝日奈がかけてくる、というのが定番になってきた。
     通話の途中で寝落ちて風邪でもひかれたら困るというのが当初の理由だったが、何より布団の中で話している時の、眠気に負けそうなふんわりした声のトーンが堪らない。
    『────。で、どっちがいいと思います?』
    「ん……なに?」
    『もう、また聞いてなかったでしょ』
     俺にとっては話の内容はどうでもよかった。朝日奈の声を聞いているだけで気分が晴れるし、何故か曲の構想もまとまってくる。雑音も雑念もいつの間にかシャットアウトされ、朝日奈の声しか感じられなくなっているのに、断片的な言葉しか意味を成して聞こえないのが不思議だ。
    2342

    related works