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    よーでる

    推敲に超時間かかるタチなので即興文でストレス解消してます。
    友人とやってる一次創作もここで載せることにしました。

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    よーでる

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    ジャンル指定は「邪道ファンタジー」。子どもと誰かの長距離通話。あんまり邪道じゃなくなった気がする。

    ##単発ネタ

    「川」「ことわざ」「家の中の小学校」 僕の家には学校がある。自慢じゃないけど(偉いのは僕じゃなくてご先祖様だし)僕の家は広い。大豪邸だ。庭には山があって、そこから流れる川が館と離れの間を横断しながら村中を潤している。
     え? ああ、ここは都会じゃない。田舎の、えーと、カントリーハウス。貴族が休暇を過ごすお屋敷だって。子どもが自然と触れ合うのはいいことだって、僕は生まれてからずっとこの村で過ごしてる。もう少し大きくなったら都会の学校に魔法を習いに行かされるらしいけど、正直憂鬱。あっちには友達いないからね。
     え? 都会でも友達作ればいいって? いやあ、だって都会ってアレでしょ? 自然なくて石畳ばっかりで、魔法汚染で川も汚れてるし、山は均されてるんでしょ? それじゃあ河童はいないじゃない。

     え? うん河童。河童ってナニ? って言われても……え、知らないの河童。河童だよ? えー知らないのぉ。
     河童はね、綺麗な川に住んでる……説明が難しいな。半魚人じゃないし。カエル、とも違うしなぁ。まぁとにかく妖精だよ。え? なんだ知ってるの?
     うん? 住んでるところが違う? よく知ってるね。冬は川は冷たくなるから、秋から冬は山で過ごすんだよ。え、違うのは国? ああそのこと。うん、移住してきたんだって。

     話を戻すね。それで、僕の家には河童が通う学校があるんだ。ひいおばあさまが作ったんだってさ。石造りの立派な建物だよ。離れと屋敷をつなぐ橋の下の、川の底にあるんだ。
     河童たちはそこで水中呼吸の魔法を使える先生からこの世界のことを学ぶ。その代わりに先生たちも河童のことを教えてもらうんだ。
     うん、みんないい子だよ。え? 復讐? ないない。まぁそういうこと言ってる子もいるけど、大体は平和に暮らしたいだけさ。生体実験? してないしてない。妖精王様と魔王様の条約で、そういうことするとオートで裁きが下って、冥界から執行官が調査に来るようになってるよ。

     はぁ、やだなぁ。来年は魔王様が世界を征服して百周年だから、お父様が僕もパレードに来いって。エルフと河童の間に生まれたお前は異種族の架け橋としてきっと気に入られるとかなんとか言ってたけど、なら自然汚染問題にもっと力入れてほしいよ。スライムが便利だからって増やしすぎて土地も水も空気も酸でグチャグチャになっちゃったって、馬鹿みたいじゃない。
     うん? ふふ、そうだね。嫌になったらそっちの世界に遊びに行ってみようかな。河童の故郷なんだよね? え? そっちも自然少なくなってるの? はぁ、どこの世界もいっしょかぁ。
     うん、じゃあね。発表練習聞いてくれてありがと。なんか途中から雑談になっちゃったけど。楽しかった? それは良かった。河童の川流れじゃないけれど、天狗の飛び損ないには気をつけて。え? ふふ、お父様から聞いたんだ。こっちには天狗ってまだいないからね。もっと色んな種族がこっちに越してきて、河童なんて珍しくもなくなるといいな。
     うん? 河童のことを知ってもらわないと、種族の絶対数が増えても無理解に苦労するのは同じ? それもそうかぁ。はい、がんばります。じゃ、気が向いたらこっちに来てね。ばいばーい。
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    よーでる

    PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。
    こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
    またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
    罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
     すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。

    (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)

     呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
     結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。

     わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
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    よーでる

    DOODLEどんどん敬語が剥げてますが語りじゃなく講義だからということで……
    あと大まかな国の特徴語ったらひとまず単発ネタ書き散らす作業に入れるかなぁ。
    ぶっちゃけお話の途中で世界観説明しようとすると毎回語りすぎたりアドリブで知らん設定出たりするのでその事前発散が狙い……
    巫術と法術について 今の世界の魔法は大きく分けて2種類あります。1つは精霊に語りかけて世界を変えてもらう魔法。王族が使っていたのがコレだね。
     精霊……王祖の末裔じゃなくても、精霊の声を聞きその力を借りれる人は増えています。それが龍王国衰退の遠因になったわけだけど、今はいいか。
     この方法は【巫術】と呼ばれています。長所は知識がなくても複雑な事象が起こせること。細かい演算は精霊任せにできるからね。代表的なのが治癒。肉体の状態や傷病の症状を把握するに越したことはないけど、してなくても力尽くで「健康な状態に戻す」ことができます。
     欠点は精霊を感知する素養がないと使えないこと。だから使い手は少ない。それと精霊の許しが出ない事象は起こせない。代表的なのが殺傷。自衛や狩りは認められてるけど、一方的で大規模な殺戮は巫術でやろうとしてもキャンセルされるし、最悪精霊と交感する資格を剥奪されます。
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