よーでる☆quiet followDOODLEふと浮かんだメモ ##単発ネタ とある傭兵部隊の話「おれの情けないとこを見たんです。隊長も何か情けない話を教えてください」 部下の無茶振りに、少し考えて男は答えた。 「俺の妻は知っているな?」 「ああ、はい。任務で結婚する必要があって、奥さんもそれは承知で……一昨年亡くなったんですよね?」 「ああ。薄情な女でな。俺の先輩で、年上の部下になった人の娘で、父親の葬儀に涙も見せなかった。 俺が『父君には生前お世話に』と挨拶すると、『そうですか』と一言。 『悲しくないのか』と尋ねると『あまり家に寄りつかない人でしたから。もちろん感謝はしてますけど』と淡々と。 俺にも、最期までその調子だった」 隊長がそこで話を終えたので、部下は戸惑った。 「今のが、隊長の情けない話ですか?」 「ああ。妻には、最期まで言えなかったんだがな」 隊長は、少年のように苦く微笑んだ。 「俺の方は、一目惚れだったんだ」Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow よーでるDOODLEふと浮かんだメモとある傭兵部隊の話「おれの情けないとこを見たんです。隊長も何か情けない話を教えてください」 部下の無茶振りに、少し考えて男は答えた。 「俺の妻は知っているな?」 「ああ、はい。任務で結婚する必要があって、奥さんもそれは承知で……一昨年亡くなったんですよね?」 「ああ。薄情な女でな。俺の先輩で、年上の部下になった人の娘で、父親の葬儀に涙も見せなかった。 俺が『父君には生前お世話に』と挨拶すると、『そうですか』と一言。 『悲しくないのか』と尋ねると『あまり家に寄りつかない人でしたから。もちろん感謝はしてますけど』と淡々と。 俺にも、最期までその調子だった」 隊長がそこで話を終えたので、部下は戸惑った。 「今のが、隊長の情けない話ですか?」 385 よーでるDOODLE病み上がりの筆慣らしに書きたいネタのメモ代わりエルフの語る永遠について エルフに寿命はありません。エルフに老いはありません。成人すればそのまま、永遠を生きます。 めったに死ぬことはありません。己の傷を癒やすなど肌を撫でるが如く。病もわたしたちを冒しません。だからわたしたちは、とても数が少ない。そういうことになっています。 「せんせぇ、おはよう~~」 「はい、おはようございます」 わたしは人間の里で教師をしています。子どもたちはとても可愛い。鼻水を垂らしながら、泥だらけで駆けていく。優雅さのかけらもないと、仲間のエルフは眉をしかめたけど。わたしはとても可愛いと、そう思ってしまったのです。 「先生、おはようございます」 「おはようございます。今日も精が出ますね」 今ご挨拶してくださったご老人もそう。しわくちゃの肌がとても可愛い。エルフにはないものだからでしょうか。それとも、あの子が子どもだった頃のことを思い出すから? 2295 よーでるPROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。 すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。 (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは) 呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。 結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。 わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。 3697 よーでるPROGRESSノウェパートここまで。「そのとき不思議な力が!」に理由つけたくてやったパートでした。罪の終わり、贖いの果て(6) 精緻な刺繍を施された毬のような結界が、マナの体を囲み、その動きを静止させていた。 その姿を案じながらも、ノウェはレグナから飛び降りて地上に着地した。ゴーレムの掌から降りたセエレ神官長の隣に、守り手レオナールが降り立つ。 その腕から降ろされた女騎士に、ノウェは駆け寄った勢いのまま抱きついた。 「エリス!!」 温かい。生きている。幻じゃない。 ただ敵対しただけの人間を大勢斬り殺した自分が、今更友の生を喜ぶのかと頭の片隅で嘲けるが、湧き上がる安堵は消せなかった。 「ノ、ノウェ。エリスは病み上がりで、傷もまだ塞がってないですから」 「ごっ、ごめん。助かったんだな、エリス」 「……ええ。セエレ神官長が処置してくださったの。わたくし、あんなことでは死なないわ」 1852 よーでるPROGRESSせっかくのヒロイン闇堕ちなんだからこんくらい暴れてくれて良かったんですよ、という煩悩アクションパートです。ノウェパートはあと1回の予定!罪の終わり、贖いの果て(5)『ノウェ。マナは僕が。あなたはエンシェント・ドラゴンを!』 飛んできたセエレの思念に、ノウェはレグナを駆りエンシェント・ドラゴンへ突進した。 罠かもしれないとは考えた。だが、今のノウェに他に縋るものはなかった。 『悠久の果てに神の尖兵と成り果てた先達よ、今その呪縛から解放しようぞ!!』 レグナが吠え、蒼炎が古竜の鱗を抉った。ノウェの光刃が追撃し、その下の肉を削ぐ。 古竜があぎとを開き、角と一体化した頭部がノウェたちを見た。 「レグナッ!!」 返礼のブレスが空を灼いた。聖なる竜の異名に相応しい真白い炎が、直撃を避けレグナとノウェがそれぞれ二重に障壁を張ってなお、肌を炙り視界を眩ませる。 長期戦は不利。下手に避ければ地上のセエレ神官長らゴーレム群も焼き払われる。魔力で治癒力を活性化させながら、ノウェはレグナと魔力を一体化させた。 2846 よーでるPROGRESSノウェパートにかこつけて捏造設定ほのめかしパートその1です。妄想なので公式設定とはぜんぜん違います。罪の終わり、贖いの果て(4)「らららら、人は我が失敗作。我が写し身でありながらエゴばかりが強い、醜い、醜い、醜い、死ぬが良い」 濃密で強大な魔力が立ち昇る。マナの指が宙を梳ると、無数の天使文字が弾幕となって降り注いだ。 咄嗟に振り抜いた剣に魔力を充填する。展開された障壁を衝撃と爆音が揺らし、ひび割れさせ、砕こうとする。 「レグナっ!」 急降下した蒼竜の爪撃を、マナはステップを踏むように軽やかに躱した。 石礫も砂埃も彼女には当たらない。踊り子のように嫋やかに笑いながら、花弁を撒くように魔弾を撒き散らしてくる。 それらを撃墜しながら、レグナの呼気に青い炎が燃えるのを見つけて、ノウェは慌てた。 『ダメだレグナっ。なんとか正気に戻さないと……』 1854