Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    よーでる

    推敲に超時間かかるタチなので即興文でストレス解消してます。
    友人とやってる一次創作もここで載せることにしました。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 61

    よーでる

    ☆quiet follow

    ジャンル指定はなし。そういうのもあるのか…
    手癖でもうちょい続けそうになったけどここでスパッと切ったほうが良さげだったので終わらせた。書きたいことを書かず匂わせるのも大事!

    ##単発ネタ

    「林」「アルバム」「正義の脇役」 アルバムにある林間学校での写真の隅に、目立たない子が写っている。
     友達ではなかった。名前も思い出せない。写真を見て、ああこんな子いたなと思い出す。その程度の関係だった。
     好きでも嫌いでもないというのは簡単だが、正直に無関心だったと言ったほうがまだしも誠実だろう。その子がどんな子だったのか、わたしは知らない。体育は苦手だったように思う。勉強はどうだったろうか。美術は? 音楽は? 何が好きで、嫌いだったのか。何も覚えていない。

     ひとつだけ、覚えていることがある。林間学校で川を渡るとき、わたしはキーホルダーにつけていた布製の飾りを泥に落として汚してしまった。当時好きだった漫画のキャラクターのグッズで、友達には笑って誤魔化したけど、内心ひどく落ち込んだのを覚えている。
     その後のことだ。誕生日に、当時の友人達がこぞってそのキャラクターに因んだプレゼントを贈ってくれた。とても嬉しかったが、気恥ずかしかった。そんなに入れ込んでいたのを打ち明けたつもりはなかったし、周囲に悟られていたとは夢にも思わなかった。
     そのときのことを、今でも付き合いのある友人にこぼすと、教えてくれた。ああそれは、あの子が教えてくれたんだよ。

     そうしてわたしはアルバムを引っ張り出して、当時の写真を眺めている。
     あのとき人知れずわたしを喜ばせてくれたささやかな恩人は、写真の隅でひっそりと、わたしのほうを見ていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    よーでる

    PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。
    こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
    またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
    罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
     すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。

    (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)

     呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
     結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。

     わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
    3697

    recommended works

    よーでる

    DOODLEどんどん敬語が剥げてますが語りじゃなく講義だからということで……
    あと大まかな国の特徴語ったらひとまず単発ネタ書き散らす作業に入れるかなぁ。
    ぶっちゃけお話の途中で世界観説明しようとすると毎回語りすぎたりアドリブで知らん設定出たりするのでその事前発散が狙い……
    巫術と法術について 今の世界の魔法は大きく分けて2種類あります。1つは精霊に語りかけて世界を変えてもらう魔法。王族が使っていたのがコレだね。
     精霊……王祖の末裔じゃなくても、精霊の声を聞きその力を借りれる人は増えています。それが龍王国衰退の遠因になったわけだけど、今はいいか。
     この方法は【巫術】と呼ばれています。長所は知識がなくても複雑な事象が起こせること。細かい演算は精霊任せにできるからね。代表的なのが治癒。肉体の状態や傷病の症状を把握するに越したことはないけど、してなくても力尽くで「健康な状態に戻す」ことができます。
     欠点は精霊を感知する素養がないと使えないこと。だから使い手は少ない。それと精霊の許しが出ない事象は起こせない。代表的なのが殺傷。自衛や狩りは認められてるけど、一方的で大規模な殺戮は巫術でやろうとしてもキャンセルされるし、最悪精霊と交感する資格を剥奪されます。
    1226

    よーでる

    DOODLE公主は本来プリンセスという意味ですが、祭り歌では公国の代表という意味の言葉になってます。アデラさんは武闘家系ギャルです。
    ほんとは東西南北それぞれの話するやるつもりだったけど西と南はちょっとド鬱なのでまたの機会にします。子どもに無配慮に聞かせたら怒られるやつ……
    一通りの世界観の説明が終わったので、明日からはこの世界観で単発話を量産する予定です。
    公国の興り(2)凍てず熔けぬ鋼の銀嶺 道行く花に光を灯しながら、アデラティア公子一行は海に臨む丘にたどり着きました。丘に咲く白い菫を見渡して、公子は軽やかに宣言します。

    「ここにわたしたちの都を作りましょう」

     こうして光る菫の咲き誇る白き都コノラノスは作られました。号は公国。龍王国最後の公子が興した国です。
     公子は精霊の声を聴く神官を集め、神殿を築きました。血ではなく徳と信仰で精霊に耳を澄ませ、精霊の祈りを叶え、世に平穏をもたらし人心を守る組織です。
     国の運営は神殿の信任を受けた議会が行います。アデラは神殿の代表たる公主を名乗り、花龍ペスタリスノの光る花【霊菫(たますみれ)】を国に広めました。

     霊菫は花龍の息吹。花の光が照らす場所に魔物は近寄らず、死者の魂は慰められ、地に還ります。公国が花の国と呼ばれる由縁です。
    3002