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    よーでる

    推敲に超時間かかるタチなので即興文でストレス解消してます。
    友人とやってる一次創作もここで載せることにしました。

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    よーでる

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    ジャンル指定は大衆小説。馬鹿馬鹿しさに全振りしました。

    ##単発ネタ

    「人間」「十字架」「荒ぶる高校」 どうも初めましてこんにちは! 僕は△○■※Ω! 偽名だけどね! 吸血鬼です!
     いやラノベの話じゃなくて。え? この制服? うん、この高校に通ってるからね。いや厨二病じゃなくて。うんマジの話。
     この学校はね、僕が創ったんだよ。ほら、初代理事長の写真。あれが僕。変装してるけどね。表向きは僕のひいお祖父様ってことになってる。
     ほら、学校って閉鎖環境だから、大人の見えないところで問題が起きたり進んだりしてることがあるだろう? だからこうして生徒に混じって観察することにしてるんだ。数年置きにだけどね。

     おっと、危ない。え? 今の? 野球ボールだけど。うん、生徒が投げた……あー、またガラス割れてる。
     ……はい、荒れてます。問題多発で観察どころじゃないです。しょうがないでしょ最近SNSやらなにやらで紛れ込むの難しいんだよ! これお前の兄貴? とか昔の自分の写真見せられたりするし! それでほとぼり冷めるまで旅行してて帰ってきたらこうなってたの! 吸血鬼は万能じゃありません!

     というわけで君への依頼はこの荒れ果てた学校っていうか生徒たちの心を立て直すこと! 頼むよ、熱血教師! え? なんでヴァンパイアハンターに依頼出したのかって……だって僕の伝手のある外部組織って吸血鬼退治協会くらいしか……うわぁやめて! 十字架取り出さないで!
     いいかい、君が背負うべきは生徒の心の十字架のほうで……痛いっ! 押し付けないでよそれ聖別されたガチの十字架じゃん! 話聞いてた!? 僕人間社会と共存してる善良なヴァンパイア! 差別反対!
     え? なんで学校なんか創ったのかって……だって人間の子ども集めれば童貞処女の血吸放題……ヤーメーて~! 退治しないでー! ほんと困ってるんだよ、学校が荒れてみんなどんどん脱童貞処女しちゃって血が不味く痛い! やめて! 暴力教師反対!

     冷静に、そして公平に考えてみてよ。君は人間を幸せにしてハッピー、僕は美味しい血が増えてハッピー。ウィンウィンじゃない。
     え? 僕を退治してから学校を更生させればオールハッピー? ひっ、ひどい! 野蛮人! 互助の精神はないの!? それでも人間、か……?
     あれ? えーと、君たち、いつからそこにいたの? え、最初から? はぁ、仕方ない。がんばって記憶消し……待って。なんで、そんな、目を輝かせて………


     というわけで、我が校は昼は普通の学校、夜はヴァンパイアハンター養成所に生まれ変わりました! 荒れてた生徒たちも非日常のドキドキと教官たちの厳しいシゴキでどしどし更生していってます!
     訓練相手が足りないので、夜勤職員の吸血鬼絶賛募集中! おねがい! だれかきて! ぼくひとりで全生徒の相手きっつい! 血はもらえてるけどまだまだ非童貞処女少なくてマズ……まってうそ行かないで! 美味しい血いっぱい(予定)です!
     幼い頃からヴァンパイアハンターになるべく育てられた純粋培養の子が入学したら教えろ? そんなん僕が真っ先にいただくわ! あっ嘘です教官殿ちゃんと輸血パックからいただきま、
     え、君今のプロフィール該当者なの? ごめん一発もらえ、ぎゃあああ! 違う! セクハラちがいます! ぼく紳士! 血しか興味ないです! ぎゃあああ! やめて! 退治しないでー! だれか! へるぷみー!!!
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    よーでる

    PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。
    こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
    またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
    罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
     すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。

    (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)

     呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
     結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。

     わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
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