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    Maririna65

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    Maririna65

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    ゴスマリ復刻の時の雑文

    弊監さんでゴスロリ復刻ゴスマリうち監さん

    「いやぁああああ!!結婚したくないでござる!!」
     大食堂ではイデアの悲痛な叫び声が響き渡り、床で転がっている少年達がうんざりした顔をしていた。
    「いい加減諦めなさいよ」
    「そうじゃぞ?年貢の納め時という言葉があってな?」
    「いやぁあああああ!!ひどい!!他人事だと思って!」
    「「「「「「他人だし」」」」」」」
     コイツら血も涙もないのか?とイデアは絶望した。
    「姫様!!」
    「なあに?どうかした?」
    「異国の姫君が結婚のお祝いをしたいと訪ねていらっしゃいました!お通ししてもよろしいですか?」
    「まあ!!ほんとう?嬉しいわ!!」
     異国の姫君?少年達は同じ疑問を抱いた。だがその数分後度肝抜かれる事となった。

     纏うのは茨の魔女の炎を思わせる翠のドレス。オフショルダーから見える華奢な肩とデコルテの白さ目に眩しく深い谷間がチラチラと見えるのも素晴らしい。
     シンプルなAラインのシルエットが美しく足捌きも見事に彼女は大食堂に現れた。

     監督生ーー!?そのたわわは普段どこに仕舞っているんだ!?

     少年達は目をひん剥き彼女を凝視していた。監督生は普段掛けている野暮ったい眼鏡の代わりに薄いレースの帷が彼女の素顔を隠していた。

    「まあ……なんてきれいな方……」
     思わずイライザ姫が見惚れる程に彼女は美しかった。
     イライザ姫の前に進んだ彼女は優雅にカーテシーを披露した。それは王族であるレオナや一流のモデルであるヴィル、近衛騎士として王族に仕えるリリア達も見惚れる程だった。
      
     花唇がゆっくりと開いて鈴音を振る様な声が奏でられる。
    「お初にお目にかかります。イライザ様におかれましては御成婚おめでとうございます」
    「まあ!!嬉しいわ!!もうすぐ結婚式なの!是非出席なさって!」
     監督生はふわりと微笑んで、後ろに控えていた従者に花籠を持って来させた。
    「ささやかですけれど、祝いの品ですわ。受け取って頂けますか?」
     
     クルーウェル!?何してんの!?

     恭しく監督生に花を捧げたのは執事服を纏ったクルーウェルと蝶ネクタイが可愛らしいグリムだった。
     監督生から嘆きのブーケを使った花籠を受け取った姫はうっとりとして上機嫌だ。

    「ああ!いけないわ!貴女のお名前を聞いていなかったわね?ごめんなさいね」
    「いいえ。正当な姫君と違ってわたくしは傍流ですからお恥ずかしいですわ」
    「そんな事ないわ!貴女の様な素敵なお姫様中々居ないわ!!」
    「ふふ、そう言って貰えると嬉しいです。わたくしはユウと申します。よろしくお願いします」
    「ユウ!かわいい名前ね!私はイライザよ!よろしくね!」

     え、なにこれ。

     イライザは少年達に求婚された時よりも生き生きと楽しそうだった。

    「ね、ね!ユウはどんな方に嫁ぐの?」
    「次期王に嫁ぎますの。少し歳上で優しい方ですわ」

     優しい?誰の事だ!?

    「まあ!素敵!!お見合い?恋愛結婚?」
    「両親が亡くなってこちらに身を寄せている時に出会って、恋に落ちましたの」
     ポッと頬を赤らめるユウにイライザ姫は歓喜の悲鳴を上げた。
    「っきゃあ!!素敵!素敵!!……でも、ユウもご両親を亡くしているのね……」
    「ええ。でも初めて学校に通う事も出来ましたし、友人や先輩も居ますし……何よりあの人に出逢う事が出来ましたから」
    「ユウ!!私も貴女のお友達になりたいわ!」
    「まあ……イライザ様。嬉しいですわ」
     
    「し、新鮮な百合!?キマシ!!」
     手と手を取り合って微笑み合う二人の姫にイデアが混乱したように叫んだ。
     家臣ゴースト達も二人の姿に感涙を流している。
    「なんという事じゃ!!乙女達の友情!美しい!」
    「ええ!!本当に!」

    「さあさあ!もうすぐ結婚式ですわ!ユウも見て行ってね!」
    「ええ」
    「いやぁあ!?監督生氏ーー!?」
     監督生はニコニコと優しげに見守り、横に居たチャビーに囁く。
    「よろしいの?」
    「っ何が言いたんです?」
    「想いは言葉に出して言わなければ伝わりませんわ。ずっとそうやっていい人ぶって見守り続けますの?イライザ様は可愛らしいですもの。イデア先輩も絆されるかも。その時、貴方は平気でいられるの?」
     異国の姫君に挑発されチャビーの心に亀裂が入る。薄いベール越しに静かな視線に射抜かれた瞬間、チャビーは叫んだ。
    「その結婚待った!!」
    「チャビー!?」

     驚く姫にチャビーは膝付く。
    「あ、え、チャビー?なぜ……」
    「姫様……ぼくは、ずっと貴女が好きだった!いいえ!今でも貴女を愛している!ぼくと結婚してください!」
    「チャビー、お前!!」
    「私、イデアさま……」
     その時、イライザが見たのは自分を見て怯えるイデア。敵対する少年たち。そして、大食堂のドアが開き新たな少年たちが駆け込んで来る。
     チャビーはイライザを庇うように前に出た。どんなに傷付いてもイライザを守ってくれる人。
    「あ、」
    「姫様!例え貴女が他の方の花嫁になってもぼくは貴女を愛しています!」
    「イライザ様。貴女が一緒にいて安心できるのはだれ?上部ではない貴女を見守ってくれていたのはだれ?」
     その時、ハートのペイントの花婿が叫んだ言葉がイライザを揺らした。必死に自身を庇うチャビー。
    「私、私、ごめんなさい!イデア様!!私、チャビーが好き!!」
     イライザは自分の心に素直になって大好きな人に想いを告げたのだった。

    「ユウちゃんありがとう。私、チャビーを大切にするわ」
    「ええ、イライザ様。どうか幸せに」

     かくしてゴーストマリッジは乙女達の友情と幸せな夫婦を生み出したのでした。

    めでたしめでたし

    「え?待って?これ拙者の立場は?ていうか置いて行かないで!?」
     
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    各種捏造多々

    #女監督生受け版ワンドロワンライ
    #twstプラス
    ラッピングにはリボンを添えて「……ああ、キングスカラーか。相変わらず器用なことだ」

    夜半過ぎのオンボロ寮。
    いつものように夜の散歩ついでに顔を出したツノ太郎が、突然そんなことを言ったので、一瞬意味が分からなかった。
    「え? ……あ、あれのこと?」
    思わずベッドサイドのチェストを見やる。
    その上には、数日前にレオナ先輩から渡された、ブレスレットがのっているのだ。



    ◆◆◆



    放課後の植物園で。
    お昼寝中のレオナ先輩を見付けたので、なんとなく近付いて、ついつい綺麗なお顔とキュートなお耳を眺めていた時だった。
    パチッと目を覚ました先輩は、私を目にすると腹筋だけでのそっと起き上がって、ポイッと何かを放って寄越した。
    慌ててキャッチしてみれば、
    「やる」
    と一言だけ言って、またゴロンと寝てしまった。
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