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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    アイドラ小説
    遼くんと昔と今の話

    これはまだ世良と幼なじみである遼が中学生の時の話だ。世良が中学生になったばかりの頃、世良の妹が病気で入院した。その日は遼も一緒にお見舞いに行っており、その帰り道だった。
    「遼、いつもありがとね」
    「いいよ、里奈ちゃんすぐ良くなるって」
    世良の妹──里奈が入院してから元気がない世良、周りには普通にしてるように見えるが、幼なじみの遼からしたら無理して笑ってるのは分かっていた。世良の両親も忙しくなり遼の両親にお願いをして世良の事を気にかけていた。世良も両親に余計な心配をかけたくないのだろう。世良は毎度のように申し訳なさそうにするが、自分らの両親の仲の良さを考えるに他人事ではないと思っていた。夕焼けの中、どこか見つめる世良。そういえば、最近世良の歌を聴いていないような気がした。こんな状況ではカラオケなど誘う訳にはいかず、2人に沈黙が走る。
    「……遼、妹ちゃん、死んじゃったらどうしよう」
    「えっ……」
    「あんな小さい体に、点滴とか、薬飲んでて……俺が代わってあげたいくらいだよ、怖い……怖いよ」
    「え、世良……」
    今まで我慢していた不安などが溢れたのだろう、ボロボロと泣き出した世良を遼は何も言えなかった。自分の兄だったら何か上手いことを言えたのだろう、と泣きじゃくる世良の背中を優しく撫でるしか出来なかった。

    「今日のライブ、また遼倒れてたよな」
    「うるせー!」
    安心院学園の制服を着て帰る2人、世良はアイドルになっていた。またライブで倒れた遼をからかうように言う世良。機嫌がいいのかライブで歌っていた歌を歌い始める世良、マイクなど器具がないのにも関わらず、世良の声は真っ直ぐ響き、遼の耳に心地よく入ってくる。楽しそうに歌う世良の横顔は、あの時泣きじゃくっていた顔とは大違いだった。
    「妹ちゃんにもお土産話沢山しないとなー」
    「だいぶ調子いいんだっけ」
    「そうそう、少しずつ外出とかしても大丈夫かもって」
    そう言った世良の顔は笑顔だった、遼は里奈に世良が学校の先生に褒められた事を世良が居ない時に話そうと思っていた。
    「……ありがとな、遼」
    「えっなに突然」
    「ほらあの時慰めてくれただろ?覚えてる?」
    「……あー、あの時の?別に……兄貴みたいに何も言えなかったし」
    「両親に心配かけたくなかったし、遼の前で泣いて良かったなーって今更ながらに思って、あの時背中撫でてくれただけでも嬉しかったし」
    「……ふーん」
    「あれ?照れてる?遼照れてる〜?」
    「うるせ!!一回黙れ!」
    ケラケラと笑う世良に怒り出す遼。遼をからかいながらお見舞いのため病院へと行く二人であった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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