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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    美男くん誕生日おめでとうございます!

    よその子お借りしてます

    Happy birthday「そうそう、そのまま混ぜていいから」
    「お菓子なんて初めてだけど案外楽しいもんやな……」
    休日、世良の家のキッチンで少し不慣れな手つきでボウルに入っている生地を混ぜている普と、その横で普に教えつつオーブンの余熱を入れる世良。今作っているのはプリンケーキだ、なぜ作っているのかと言うと、二人とよくつるんでいわば仲良しの分類に入る華王美男の誕生日なのだ。
    最初言い出したのは世良からだった、丁度美男が先生の呼び出しでいない時に普に相談したのだ。内緒で相手にケーキを作ろうと。そこからは美男に悟られないようにこっそりとスマホのトークアプリで打ち合わせをしたりした。そして今日、こうして世良の家で作っているわけだ。普は混ぜつつ改めて世良の家のキッチンを見る、調理器具がやたらと豊富にあるのだ。ケーキを焼く型も、クッキーを作る時に使うであろう型抜きも、ふと真ん中が空いているケーキ型らしきものを見つけて普が指をさす。
    「世良、あれなん?」
    「ん? あー、あれシフォンケーキ焼く型だよ。見た事ない?」
    「へぇー……あんな感じになってるんや……。なんでこんなやたらあるん?」
    「母さんの仕事の関係、母さん料理教室やってるの」
    「へぇー……」
    そんな話をしつつ使う型に生地を入れつつ余熱の終わったオーブンに入れて焼く。焼いている間にホイップクリームを作る、電動の泡立て器で泡立てる世良の横で飾り付け用のフルーツを恐る恐る切る普。
    「……世良、こうでいいんかな……」
    「普上手〜、あ、そうだ。丁度オレンジあるし……」
    そう言うと世良はオレンジを手に取り半分に着ると器用に中身をくり抜く。普が何をするのだろうと横で見ていくと、くり抜いた身を半分に切り、少し薄めに切って先程くり抜いたオレンジの皮をカップに見立て切ったオレンジを置いていく。それがバラのように見えて思わず普は声を上げた。
    「え!? 世良すご! バラやん!」
    「へへ〜ん、母さんに教わった! 王さまはオレンジとか似合うしさ。ケーキの横に置くね」
    「は〜……世良すごいな……。……あ、なんかいい匂いする」
    その時丁度オーブンが鳴った、世良がそっと開けて暫くしてケーキを取り出す。綺麗に焼けておりそれを見た普が興奮したように笑うのを隣で笑いつつ冷ますためにケーキクーラーの上に置く。その間にカラメルを作っていた世良。その時キッチンのテーブルに置いていたスマホから着信が鳴った。見て欲しいと世良に言われ普が見ると【王さま】の文字が。
    「世良、美男からやで」
    「あ! ごめん出て! 早く俺の家に来いって言えばいいから!」
    「わかった」
    普が世良のスマホを代わりに取り電話に出た。世良が出ると思っていた電話先の美男は、普が出た事に少し怪訝な声を出す。
    「あ、美男?」
    「なんで月並が出たんだ? 世良いないのか?」
    「王さまー!!! 早く俺の家来てーー!!!!」
    「……てなわけで、美男はよ来てや」
    「……何を企んでるか知らんが……わかった。なるべく早く行く」
    そう言って電話を切った美男、普は世良のスマホをテーブルに置くと世良の所まで行く。
    「なるべく早く来るって言ってたで」
    「王さまの事だからなんとなく察してそうだな〜。普、皿とそこのお盆にセットで置いてるティーカップとポットをあっちのテーブルに持っていって。俺トッピングするから」
    「おう!」
    出来たカラメルを先程まで冷ましておいたプリンケーキにかけてその上に生クリームと普が切ってくれたフルーツを飾る。テーブルの準備をしていた普が横目でちらりと見て完成度の高さに思わず声を漏らしているとテーブルにプリンケーキを持ってきた世良。トッピングが店に並んでてもおかしくない出来に思わず2度見をする普。
    「え……プロやん……」
    「へへ、ありがと」
    ピンポーン、丁度インターホンの呼び鈴が鳴った。世良が出迎えに行くとそこにいたのは美男だった。どこか笑いつつ世良を見る。
    「王さま、上がって上がって」
    「何を企んでる?」
    「何言ってるの〜、察してるでしょ? その笑みはそんな笑みだって俺知ってるし〜」
    美男の背中を押すように連れていき、扉を開ける。目の前にあったケーキを見て目を少しまん丸とさせた美男。その顔を見て笑う世良と普。
    「美男誕生日おめでとう!」
    「普とプリンケーキ作ったんだ〜」
    「作ったって言ってもほぼ世良から教わったり世良が作ったようなもんやけど……」
    「そんな事ないって! 王さま誕生日おめでとう! ……あれ、王さまもしかして泣いてる?」
    「ば、バカを言うな!泣いてはおらんわ! ……けど、二人の気持ちが嬉しいだけだ。……こんな嬉しかった誕生日はない。……ありがとう」
    「王さま〜、これだけじゃ終わらないから〜。とりあえず座って座って」
    世良が美男を椅子に座らせプリンケーキを切り分ける。切り分けたケーキを美男の前に置く、もちろん、さっき世良が飾り切りをしたオレンジのバラを添えて。
    「ほう、これはバラか?」
    「母さんから教わったのをしてみたんだ〜」
    「俺も世良から教わった飾り切りあるんや! これとな……」
    そう言って普が美男の皿に自分でした飾り切りを置いていく。その様子に笑いつつ美男が一口ケーキを食べた。一口だけだったが、それでも分かる美味しさに少し動きを止める。
    「……美味いな……」
    「そりゃ二人で作ったもん!」
    「美味い? よかったぁ……」
    よほど美味しかったのだろう、嬉しそうにケーキを食べる美男を微笑みながら見つつ、世良はニヤリと笑い美男に話す。
    「王さま〜、ここにいる俺と普の共通点はな〜んだ?」
    「ん? ………同じHackだな。二人とも」
    「大正解! というわけで王さまのためのライブをここで行います!」
    「なんだと?」
    「よっしゃ〜、美男楽しんでな!」
    二人が笑い、世良はどこから出したのかギターを構えて美男の前に立つ。世良と普は笑顔でお互いを見て、美男をみて、歌い出した。ギターの音色と、普の歌声が優しく美男の耳に入る。
    この日のために練習をしてきたのだろう、いつの間に練習をしていたのだろうかと思いつつ、二人の大事な親友の誕生日会は幕を開けた。美男は二人の歌を聴く、無難なバースデーソングかと思っていたが、すぐに二人が作詞作曲した曲だと分かった。美男の反応を見て笑う二人、よかった、相手は嬉しそうに笑っているとお互い見て笑う。歌い終わり美男の反応を見る二人、美男は拍手をした。顔は綻んで、目は薄らと涙目になってるように見えた。
    「……素晴らしい歌だった、二人ともいつの間にこんなこと考えてたんだ? ライブだってあっただろう?」
    「へへーん、そこは内緒! なっ、普」
    「いや〜、こうして考えるの楽しかったしな……。美男が嬉しそうでほんとよかったわ」
    「……なーはっはっはっ! そうか!それはうれしいな!」
    美男はいつもの高笑いをする、だが、その高笑いが普段より嬉しそうに二人は聞こえた。顔だってニコニコとしている。これはお祝い大成功だと世良は普とハイタッチをする。
    「普もありがと、俺が言い出したことだけどさ」
    「ええって! 俺も楽しかったし!」
    「へへ、俺も凄く嬉しい。王さまあんな喜んでくれて」
    世良は笑う、親友があんなに嬉しそうにしてるのを見てこちらまで嬉しくなった。まだ誕生日会は終わらない、そう言うかのようにギターをまた弾くのであった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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