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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    琥珀は路地裏の道という道を逃げていた、そう、最悪のタイミングで没が出たからだ。見たところ一体しか没はいなかったが、生憎ニジゲンはどこにもおらず琥珀は想像力が貰えない状況だった。誰かに連絡しようとしたが没の攻撃が酷く飛んできてそれも叶わない。
    琥珀は走って道を曲がり物陰に潜んだ、没は見失ったのか辺りをうろうろと見てるように見えた。
    琥珀は呼吸を整えつつ考える、このまま大通りの近くまで行ってしまうと周りに被害が及んでしまう。ならここで本当なら討伐をしたい、けれど想像力がない。琥珀は悔しそうに万年筆を強くにぎった、目の前に没がいるというのに討伐ができないのだ。
    とりあえず自分が囮になって大通りに行かせないようにしよう、そう動こうとした時。背中がひんやりと、寒気──いや、悪寒がした。もしかしてもう一体没がいたのか、と琥珀はそう考えたかと思うと耳元で声が聞こえた。
    「なぁ、力を貸してやろうかァ?」
    琥珀の耳元で笑う声と、手──いや、黒い骨が琥珀の頬から顎にかけて撫でてくる。左腕は琥珀を逃がさないようにか腰あたりを触れていた。琥珀は目を見開く、この声を知っている。あの時の遼貴になりすましていたニジゲンだと。
    いつの間に背後に現れたのだろうか、琥珀の頭の中で警報が鳴り響く感覚に陥る。この後ろの相手は完璧に味方、という訳ではないように思うからだ。恐る恐る、といった様子でそっと後ろを向くと琥珀の思った通り、あの時のニジゲンだった。相手は琥珀の表情をみて更に口元を歪ませた。
    「そんな顔するなよ、俺は力を貸そうかって言ってるだけなのになぁ?」
    「……なにを企んでるんだ」
    「お前、ニジゲンが居ないからマキナが使えないんだろう? 俺は優しいからなぁ? 協力してあげようかと思っただけさ」
    お前はどうするんだ? と言わんばかりに黒い骨の手で琥珀の顔を撫でてくる相手。琥珀は思わず舌打ちをした、確かに相手の言う通りだ、マキナが使えない以上相手から想像力を貰わなければならない。
    こうしてる間にも没が大通りに出てしまうかもしれないのだ、その時背後で雄叫びが聞こえた、慌てて後ろをむくと没がいるではないか。しまった、と琥珀は眉を顰める。そんな光景でも相変わらず相手は笑いつつ、琥珀の耳元でもう一度言った。
    「……力、貸してやろうか?」
    「……。…….っ、貸し一つだ」
    もう考えてる暇はない、琥珀は万年筆を相手に差し出した。相手がどうやって想像力を渡すか知らなかったが、この相手と共闘をする選択肢を取るしかなかった。
    「そうこなっくちゃなぁ」
    相手の口元が歪み、笑ったのを琥珀は黙って見るしかなかった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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