Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 399

    ちょこ

    ☆quiet follow

    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    答えという地図の先が見つかりますように「どうしてそう思えるんだ?」
    ヴィンスから突然そう言われたフレイは怪訝そうな顔をしてしまった。相手の問いの真意が分からなかったが、ヴィンスの話を聞いてなるほど、とフレイは腕を組んだ。ヴィンスはどうやら自分を作った作者に対して複雑な想いを持っていることにフレイは話を聞きながら分かった。だから先程の問いをフレイにしたのだろう、フレイがフレイ自身の作者と仲がいいのをヴィンスは知っていたからだ。
    なぜそう想えるのか、改めて言われるとフレイは少し悩んだ、相手が納得いくような答えがいいよな、とフレイは考えた後口を開く。
    「……俺にとって琥珀の旦那は、相手がいなければ俺は生まれなかったら存在だしな。フレイっていう名前は誰にでも思いつくけど、俺自身というフレイは旦那しか作れない。……こうしてこの世界に来て、旦那と会えたのは嬉しいんだ。……あんたは嬉しくなかったのか?」
    フレイはありのままの気持ちをヴィンスに伝えた。もしかしたら自分のこの考えは楽観的だと言われてもおかしくない、だがフレイからしたら、そこまで深く考えているヴィンスの方が、相手の事を考えてるなと思っているのだ。ヴィンスはフレイの言葉にどこか遠くを見つめつつ話した。
    「……分かってるんだ。作者がいなければ俺は存在しないことも、嬉しいって感情はともかく、俺を生んだのは間違いなく【クノギマヤ】だ」
    そう言ったあとため息を吐いたヴィンス、フレイは黙って相手の言葉を聞いていた。その後にヴィンスは続けた。
    「まだ自分の置かれた状況とか、立場とか、整理できてねぇんだと思う。けど、お前に話したからかな。自分の気持ちに気づけた気がするぜ、ありがとな」
    困ったように笑ったヴィンスを見て相手が抱えていた何かが少しだけ晴れたのだろう、とフレイは思った。ヴィンスはまだ顕現してから日が浅いと聞いていた、やはり自分みたいな考えをするのは楽観的だったか、と思ってしまった。フレイは笑いつつ自身の体験を混ぜつつ話す。
    「俺なんてさ、顕現してからびっくりするような事あったぜ。なんせ俺が来る前に旦那は無関係な作品のニジゲンをそばに置いてたし、けど……もう全部ひっくるめて受け入れよ! って思った。……だからさ、ヴィンスもお前がお前の気持ちに気づけたのなら俺は良かったと思う! けど、まだもし迷ったのなら俺が話を聞くし、一緒に探そうぜ」
    分からないのなら一緒に考えればいい、一人で考えるよりか、相手と一緒に考えて、悩んで、答えを出せばいい。自身のエガキナを言う訳では無いが、自分の答えを示す場所を探せばいいのだ。これがフレイの考えだった、ヴィンスはフレイの言葉に羨ましいな、とポツリ呟いた。
    「羨ましいな。そうやって自分の意思を、はっきりと持ててるお前が。今まで課せられたルールに従って生きてた時間が多かったから、いざこんな風に自由な時間に慣れてねぇっていうか……もう一回ゆっくり考えてみるよ、また行き詰まったら話を聞いてくれるか」
    ヴィンスの問に、答えはひとつしかない。フレイは笑顔を見せて明るく話した。
    「もちろん! 難しい事わからないけどさ、せっかく自分の意思で色々できるんだし、その時は話聞くし、一緒に考えようぜ!」
    ヴィンスの答えが最終的にいい方向へいけばいい、自分はあくまで相手の答えを自分なりに導く手伝いが出来ればいい、フレイは笑いつつヴィンスと他愛もない話をしだした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309