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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    線引き「……」
    創は琥珀の部屋のソファにて目の前の人物を見ながら黙っていた。その相手は、創など最初から居ないような扱いをしつつ本を読んでいた。その相手は、琥珀と臨時を組んでいた無免連のニジゲン、サクリであった。家主の琥珀は、先程編集者からの電話対応でこの場にはいない。普段の創だったら、サクリに変に絡んでは無人島に飛ばされ、フレイがエガキナで迎えに行く、という流れであった。
    けれど、今日の創はサクリに変に絡むことなく、黙って相手を見ていた。その理由は、この前琥珀が創に話した事と少し関係があった。琥珀からの内容は、自身が死んだ後に灰純に目玉をあげる、といった事だった。

    その流れで、創は琥珀の魂は目の前にいるサクリが持っていってしまうのでは、という憶測が生まれてしまった。まさかそんなこと、と思ったが、一度生まれてしまった憶測は中々消えてくれない。サクリが何を考えているのか、創には分からなかった。
    だが、自分の親友である琥珀になにかするのであれば、黙って見ていることは出来なかった。創は、閉じていた口を開いた。
    「……なぁ、琥珀の事、連れていくのか」
    沈黙しか走らなかった部屋に創の声が静かに響く。相手がどう返答するのか、創はサクリを見た。サクリは読んでいた本から目線を逸らし、創を見た。その目が、創にとってはどこかいつもの目線と違うと直感的に思った。この感覚をなんと言ったらいいのか、まるで近づくな、とも言うような感覚に似ていた。
    「お前には関係のない話だろう」
    まるで氷のように冷たい声に創は黙ることしか出来なかった、何か一つ言い返そうかと思っていたと言うのに、それすらも突き放すような声のトーン。そして、何かを感じてしまった。

    ───自分の憶測どおり、か。
    たった今、この話題に線引きをされた。と創は勘ぐった。踏み込むのは簡単だ、けれど、知ってはいけない。知ったらどうなるか分かってるのか、とも言っているように聞こえる。琥珀はどこまで知っているのかは分からなかったが、琥珀も自分がこれ以上踏み込むのをよく思わないだろう。
    丁度その時、リビングのドアが開く。編集者との電話が終わった琥珀が戻ってきたのだ。
    「……なんだこの空気」
    どこか重苦しく感じた部屋の空気に琥珀は眉をひそめた。創は琥珀に悟られないようにわざと大きな声を出して琥珀に引っ付いた。
    「べっつにー! 琥珀ー、俺と合作の話出てたじゃん。なんか話まとまった?」
    「あー……てかあれ本気だったのか……。てっきり編集者同士の酔った話かと思ってたんだけど」
    「まぁ酒の場で出た提案って言ってたしな」
    琥珀はそう言ってぶつぶつと言いながらお茶を入れにキッチンへと行く。創はにこにこと笑ってコーヒーを入れる琥珀を見つつ、一瞬だけ困ったように笑う。
    自分は見守る事しか出来ないのだな、と思った。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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