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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    自戒予告

    よその子さんお借りしてます

    命知らず  八重の無線を切り、指示された所へ行こうとした時、風に乗って凪にある紙が当たった。なんだろうかと手に取ってすぐに固まる。
    「……なんだ、これ」

     背景が虹色の、じっと見てると目が痛くなるような色彩に、真ん中に描かれていたのは人……らしき何かが描かれていた。悪く言えば、幼児園児以外が描いたような、そんなイラストだ。
     善人だよ、と文字が書いてあったが、これのどこが善人というのか凪は分からなかった。
    「はー……誰だこんなの描いたの……」
    「おや、こんばんは」
      凪は後ろから声が聞こえてすぐさま振り返る、後ろには白髪の、顔を布で覆った自分より背の高い男性だった。ちらり、と相手の握っている刀を見て凪もさりげなく自分のマキナを触る。
    「そのエガキナくんを認可してくれるのでしょう?」
    「……あ?  これあんたが描いたの?  いやこんなの認可するわけ……」

     そう言った矢先、凪は急いで刀を抜いて相手の攻撃を受け止めた。少し反応が遅れたら斬られていたかもしれない、と凪は冷や汗を流す。
    「おいおい、まだ話してる途中だろ?」
    「認可してくれない相手は殺そうと思ってまして」
    「極端だな!」
     凪は力のまま相手ごと薙ぎ払うように腕を振った、先程の攻撃で分かったのだが、自分が苦手とする戦闘スタイルではないかと思い思わず舌打ちをする。そう考えている今でも、相手からの攻撃を受け止めるだけで精一杯だった。
    「っ……!」
      動きが早い、凪は後ろに下がりつつ体制を整える。相手はそんな凪の様子にどこかおやぁ、とどこか楽しそうに話す。
    「貴方……視野が狭いですか?」
    「……さぁな!」

     凪は髪で隠れている片目がほとんど見えていない、それ故に普通の人より見える範囲が狭いのだ、相手に悟られた、と凪は相手の指摘に眉を顰める。
     だが、凪は一つの考えに至っていた。相手と似たようなスタイルで戦う相手を一人知っていたのだ。凪の予測があたれば、スタミナ切れを狙えばいいのではと思ったのだ。それなら、と凪は相手の攻撃を刀で受け止める、キン、と二人の耳に音が入った。

     それにしても、だ。凪は目の前の相手をどこか知ってるような気がした、今回のデモは無免連側は変装やらしていると情報が入っている、それ故に相手も布で隠しているのだろう。少しでも顔が見えれば、と思いつつ凪は足に力を入れて斬りこみに入った。
    「おら!  どうした!」
     凪はにんまりと笑って刀を奮う、このまま捕まえればと思ったが、相手がおもむろに引いた。そしてそのまま逃げるように下がるのを見てこのまま逃げる気だ、と凪は感じたが、相手が一人という保証はない。

     もしかしたら自分を誘う罠かもしれない、自分も一旦引くか、と思いつつ、相手に聞こえるようにわざと大きな声で言った。
    「やーい!   認可するわけねーだろ!  出直してきな!」
     命知らず、まさにこの行動の事を言うのだろう。
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    ちょこ

    DONEよそのこさんお借りしてます
     倒された落武者を見て終わった事を察した、里は刀を仕舞うと、燕志の元へ行く。まだ後ろ姿でしか見れてないが、息が上がっているのか肩が上下ゆっくりと動いているのが分かった。里は小走りで走ると、燕志に声をかけた。
    「えーじ……」
     里の声に気づいたのか、燕志が後ろをむく。怪我をしない日はないのではと言うほど、燕志はよく怪我をする。今もこうして、腕を斬られたのか一部服が血で滲んでおり、そこだけではなく他の所も怪我をしているのが見て分かった。これは看護班の所に連れていった方がいいな、とそう思った矢先に、燕志から唐突に抱き上げられた。
    「え、えーじ下ろして……」
    「……」
    「……えーじ……」
     これが初めてではなかった、落武者との戦闘が終わっても昂っているのか分からないのだが、こうして里の事を抱き上げるのだ。里としては、自分を抱き上げるより治療しに行って欲しいのだが、強く拒絶してはいけない気がして、あまり抵抗出来ないのだ。先程のように、一応下ろしてと言ったが、降ろされたことは無い。そうしているうちに、燕志は里を抱き上げたまま歩き出した。このまま看護班の所へ行くのだろう。
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