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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしました

    ##エガキナ

    意味なんて知られなくていい あれから、枢にプレゼントを贈った。灯都は受け取ってくれないのでは、と思っていたが、灯都の予想とは裏腹に、枢は受け取ってくれた。ポケットに突っ込む様子をぼんやりと見る。その後、いつも枢と共にいる柩夜から夜岸と灯都になにやら小さな包みを渡された。
    「わ、クッキーだ」
     夜岸が包みを開けて灯都に見せる。中には十字架の形のしたクッキーが入っていた。生地はプレーンとココア味、表面にはアイシングされており可愛らしかった。灯都も開けてみると、夜岸の中身と同じクッキーだった。

    「……」
    「……灯都、プレゼント渡したんだね」
    「……夜岸に隠してたつもりはなかったけど……」
     灯都は申し訳なさそうに言った、それに対して夜岸は大丈夫だから、と笑う。大丈夫だと言われても、灯都の心は晴れなかった。
     枢はあのホタルガラスの意味も知らぬまま持ってくれるのだろう。でも、それでいい、と灯都は思っていた。意味なんて知られたら、またあの言葉に似た事を言われてしまうのではないか、と考えてしまい目を伏せる。また苦しませてしまうのかもしれない、やはり、プレゼントなんて贈らない方が良かったのかも、とすら思ってしまう。

    「ねぇ、あいつになに贈ったの?」
    「……ホタルガラスっていうガラス玉のブレスレット」
    「ホタルガラス……? 初めて聞いた」
    「ここら辺じゃないのかも、どこかの所じゃお土産品って書いてあったし」
     夜岸になら話していいだろう、と思い灯都はポツポツと話す。なぜ、ホタルガラスを選んだのかという理由を。
    「店主さんが教えてくれたけど、大切な人に送ると仲が深まるとか、友情や絆を深めるよって。……それで、俺……」
    「……」
    「相手が意味を知ってるとは思ってないけど……。……また苦しませたかも」

     胸が痛い、そう感じた時泣きそうになった。ここで泣いたらまた夜岸に心配をかけさせてしまう、と感じてなんとかこらえた。
     これ以上死人に肩入れするな、と相手は思うのだろう。けれど、想うのなら勝手ではないか、と灯都は思う。だが、相手の事を考えれば考えるほど、自分の心が痛くなるのも事実であった。
     なにをどうすれば、正解なのだろう。自分のこの想いは、不正解なのだろうか。
    「……今の話、枢には絶対にしないで。……約束、して」
    「……うん、わかった」
     夜岸は何かを言いたそうな表情をしたが、灯都は聞かないことにした。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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