Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
    https://marshmallow-qa.com/refuge774

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 72

    ナナシ/ムメイ

    ☆quiet follow

    漫画サーガ版。無印。せっかくだから年末年始の話でも書こうと思った。ミチルさん絡んだ恋心っていうか下心っぽい描写もある。特にオチもなく三人でダベっている……だけの話のつもりだったんだけどなぁ……最後改行でスペース空いた後まで読むと辛気臭くなります。

    本当は東映版にしようかと思ったけど、この前書いたので漫画版で。
    武蔵については色々考えちゃってなかなか書けずにいます。嫌いではないんだ……。

    ■ ひとつとや年末年始、と言えど日本のカレンダーに合わせてくれるはずもない恐竜帝国との戦いの最中にある現在「実家に帰る」などという選択肢は無く。
    「はぁ、母ちゃんの蕎麦とかおせちとか雑煮とか……」
    「お袋さんのってのがポイントだな」
    「俺ぁ親父以外と過ごす年末って自体が珍しいや」
    そういえば盆にも似たような会話をして、竜馬は既に帰る先も無く、隼人もなかなか複雑そうだったと思い出し、武蔵はむぐと口を噤んだ。
    大掃除も粗方終わり、新しい年を迎えるために早乙女家の女性陣は台所に詰め切りとなっている年の瀬、これといってやることも無くなった三人は共同部屋のベッドに寝転がって取り留めも無く話をしていた。
    「寺まで行くのも一苦労だし除夜の鐘はテレビで見るとして……起きてていいもんかね? 早乙女博士に怒られやしねえかな」
    ぴょんと起き上がって片膝立てて座った竜馬が楽しそうに「にしし」と笑う。遠足か修学旅行前のような雰囲気に隼人もベッドヘッドに起こした背中を預けて含み笑いを返した。
    「ふっ、せっかくだから初日の出くらいは拝ませて貰ってから寝るかい?」
    「腹がいっぱいになったら眠くなりそうだぜ」
    二人のそんな会話を聞きながら武蔵がグッと寝転がったまま伸びをする。ゴッ、とその手が壁を殴る鈍い音がして慌てて飛び上がった。
    「この年末に壁の修理は勘弁だぜ、ムサシさんよ」「お前は横に広いからそうなるんだぜ」「わかってらぁ、リョウはうるせえよ」
    からかうような二人の声に不満げに武蔵はそう返して、どすりとベッドに胡座をかいて腕を組んだ。そうしてまた年末年始の過ごし方会議が竜馬の口から再開された。
    「ならゲームでも探しとくか、双六とかトランプとか」
    「そういや花札なんかはこの家じゃ見てねえか」
    そう言って軽く首を傾げた隼人に、竜馬が片眉をあげる。
    「花札なんかよく知らねえよ、なんで知ってんだよ」
    「悪っぽい遊びに興じたい奴らは結構いたもんでよ。でも考えりゃ元気ちゃんやミチルさんが遊べねえだろうしな」
    どうせなら皆で遊べる奴が良いだろうさ、と隼人が今度は軽く肩をすくめる。
    「ミチルさん……はっ!? カルタ探そうぜカルタ! 年明けでもいいけどよ!」
    「なんだお前いきなり?」
    それまで黙って考えを巡らせていたらしい武蔵が途端明るい顔で良い事を思い付いたとばかりの声を出し、その勢いに竜馬は驚いた。
    「……ははぁ、なるほど。同じ札を取り合い手と手が触れる、なんてシチュエーションでも期待してんだろうさ」
    「!? ムサシ!」
    「そんな怖い顔しなさんなって、へへっ」
    隼人が下心を指摘すれば竜馬が眉を釣りあげた。武蔵の顔が如何にもやにさがり、あっという間にベッドから立ち上がって掴みかかる勢いでの応酬が始まる。
    「怖い顔なんてしてねえぜ! 俺はただミチルさんにそんな……こう……なんだ、えーと」「そんな事言ってリョウだってよ」「ち、違うって言ってるじゃねえか!」「またまたぁ」「喧嘩はよしとくれよ、お前さん方。こっちは年の瀬くらい静かに過ごしたいんですがね」
    黙ってそんな様子を聞き流しているように見えた隼人の言葉で、二人はぴたりと動きを止めた。にやにやとした顔をまだ抑えきれていない武蔵と、ちぇっと舌打ちしながら自分のベッドに戻る竜馬にまったく手のかかる兄弟かなにかのようだなどと思いながら隼人は口を開いた。
    「しかしまあこの家じゃ五十音カルタより先に百人一首でも出てきそうだがな」
    「……百人一首なんざ触ったことも無いぜ」
    「……い、いや、元気ちゃんもいるんだ普通のカルタが普通にあるだろ!」
    一瞬過ぎった不安をかき消すように「よし、そうと決まれば探しに行こう!」と武蔵が部屋を出ようとする。
    「あ、おい、待てよ、武蔵! 今ミチルさん達は忙しいだろうぜ」
    「なら元気ちゃんだ!」
    「あ、おい! ったく……隼人、お前も行くか?」
    「ああ、行くよ」
    バタバタと腰を上げる二人を追いかけるようにして隼人も立ち上がった。竜馬と二人並んで廊下を歩きながらぼんやりと思い出してみたものを諳んじてみる。

    由良のとを 渡る舟人 かぢをたへ 行くへも知らぬ 恋のみちかな

    「……いや、違うな。似合わねえなぁ」
    「なんだ、呪文か」
    「百人一首だよ。結構恋のうたが多いんだぜ。お前らにゃ似合わなそうだがよ」
    「ふぅん、ってそりゃどういう事だよ、隼人」

    そのまんまだよ、柄じゃねえってよ。
    ならお前もじゃねえかよ。
    おい、お前らも早く来いよ!
    わかってるよ!

    双六にカルタ、羽子板に凧揚げ。
    案外と沢山あった遊び道具で、その年末年始は皆と笑いながらあっという間に過ぎ去った。















    ――今年も帰る場所など無いと、前線に残った黒髪の男はふとそんな懐かしい記憶を蘇らせ、小さく笑った。

    あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今一たびの 逢ふこともがな

    ああ、やはり似合わないな、と。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💗💗💗💗💗💗😭💞😭😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
    2064

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
    2564

    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
    8083

    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
    4187

    recommended works