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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
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    ナナシ/ムメイ

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    アニアク本編中のどっか。隼人から見た竜馬の事をカムイが聞いてるだけ。
    邪念は無いはずなんだけどカムイ→隼人っぽい気がするし、竜馬と隼人の間がなんか重いのは原典が最高値だった以上もう私にはどうにもならない。

    カムイが隼人の話聞いてるよネタが三つくらいあって正直処理に困っている。

    ■ 星は遠く「あいつは本当に酷い男でな」

    正直は美徳とは言ったもんだが、正直すぎて思った事はすぐ口や態度に出すわ、自分にわからんものはわからんと言って共感して欲しいものに理解は示さないわ、一度こうと決めたら曲げないわ……悪い奴では無かったがけして優しくは無かったよ。

    ひどく長い年月を生きたようにすら見える年齢不詳の男は口調こそ憎々しげではあったがうっすらとその口元に穏やかな笑みを浮かべ、そう語った。
    懐かしく、いっそ愛おしげなその表情と声を隠すように、雪のように白い髪が流れ落ちる瞬間をカムイは見ていた。


    +++++


    早乙女研究所の最高責任者であり司令官でもある神隼人の私室にある仕事机の片隅に、その写真はいつもそっと隠れるようにして置いてあった。
    隼人は多くを語らない人間であり、彼の過去についても語ることはほぼ無かった。それは幼少の頃に預けられたカムイへも同じであり、しかしカムイはそれを根掘り葉掘り聞くような事はしなかった。それは幼子ながら聡明であった彼の思慮や節度であり、稀になにかの折にふと話されるそれだけで満足していた。
    自分にも過去があるように、この人にも過去はあるのだと、改めてカムイが感じたのは流竜馬の息子である流拓馬が研究所へやって来てからであった。
    流竜馬。神隼人と共にあったゲッター乗り。旧早乙女研究所の崩壊により多くの記録は消失したが、それでも残された物の中にその名前は散見された。強靭な肉体と何よりもその類稀な意志の強さで恐竜帝国や百鬼帝国と戦い抜いた男。世界を救うため、一文字號、タイールという人物らと真ゲッターロボに搭乗し共に消えた男。隼人ひとりを残して。
    拓馬への隼人の反応は他とは異なっていた。必然、流竜馬という人物に隼人が何がしかの強い思いを抱いていたのだろうとは察せられた。
    常に誰に対しても、自分自身にすらあまりにも平等で偏った感情を見せることが無かった彼のそんな様子は、カムイの心をざわつかせ、興味となった。
    流竜馬とは一体どんな人物だったのか――流竜馬といる時の神隼人は、どんな顔を見せていたのか。

    「……流竜馬は……どのような人物だったのですか」

    毎夜の報告の折、ふと目に入った写真に堪えきれず口にした問い。あなたにとって、と入れなかったのはカムイのせめてもの自制心だった。
    その言葉に珍しく切れ長の目をわずかみはって、問いを投げかけられた男は軽く首を傾げた。
    「気になるか」
    「あいつが来てから何かとその名前を聞きますから……あいつ自身が一番気になっているでしょうが」
    そうか、と呟いて隼人が写真立てに目をやる。そこに写っている人間は、既に彼ただひとりしかこの世に居ないとは聞いていた。
    ――あの人には家族同然だったろう、ここの人間をそう思ってるのと同じように。
    そう言ったのは研究員の誰だったか。早乙女研究所崩壊は隼人から多くを奪い、殆どの人間は当時の事を知らない。隼人も多くは語らない。けれど、誰ともなくそう言わしめるだけの信頼があった。

    「……流竜馬は」
    ……酷い奴だったよ。
    ふふっと小さく笑い、ため息のように呟く声にその顔を見る。「聞くか?」と問うように向けられた目線にカムイは頷き返した。


    +++++


    「優しくはなかった」という人物評価は拓馬が聞いていた流竜馬の人物像とは少々差がありそうだ、とカムイは感じた。
    拓馬が母親から聞いていた父親の姿と教えは厳しくも優しく頼りになる如何にも「英雄」といったものであったらしいとは端々から知れた。
    「俺の知っているあいつとは聞いている姿が少々違うようだ」
    カムイが思っていることを察してか、隼人がそう言ってその横顔がどうとも言い難い顔をした。
    合理的で現実的、必要とあらば非情で冷酷にもなるこの人は、その実、情深く思いやりも度々見せた。拓馬とその母の夢のようなものを安易に踏み込んで壊したくはないのかもしれない。
    カムイはそう思い「そんな配慮があいつに必要ですか」と言いかけて、止めた。自分も自分が知るとは全く違う母の姿を不躾に教えられれば嫌な気持ちになるかもしれない。
    机の上に指を組んだまま話していた隼人がちらと横目でカムイの顔を見て、そっと息を吐いた。この人にも思うことは色々とあったのかもしれない、とカムイは不意に感じた。

    「確かに、あいつはきっと誰よりも強く人類を守りたいと思っていたろうさ。だが、もっと泥臭くて暑苦しくて大雑把でいっそ厚かましくて、山ほど欠点もある普通の奴だったよ。
     ただ抗う事を恐れなかっただけで。戦う事を選んだだけで」

    ぽつぽつと落ちる言葉は隼人にしては数多くも、思い入れを持った人物には少なくもカムイには思えた。感情をあまり見せないながら、何処か懐かしむように、惜しむように、大切なもののように話しているようにも聞こえた。
    「……まあ、あくまでも俺が見ていたあいつの話だ。拓馬の母親といる時のあいつがどうだったのかは知らん。
    上から物を言われるとか縛られるのがとにかく嫌らしくてな、到底所帯なんぞ持つ奴には思えなかったが」
    存外悪くなかったのかもな。
    そう薄く笑んで隼人が背もたれに身体を預ければ、ぎしと小さく椅子が音を立てた。
    それなら、それが良い。
    カムイには軋む音と一緒にそう聞こえたような気がした。

    「……それに、俺が拓馬から家族を奪ったのは変わりない」
    ハッとした。流竜馬を呼び戻したのは隼人だった。拓馬の存在を知らずに。実際の夫婦仲がどうあれ、それは事実だった。
    「っ、それは――」
    「話した事は拓馬には言うなよ」

    貴方のせいでは無いはずだ。と言おうとしたカムイの言葉は目で止められた。
    流竜馬は自ら戦場を選んだのだろうと思った。呼び戻したのはこの人でも。きっと、一緒に死ぬつもりだったこの人を置いて。

    淡々と自分の残酷な選択を語る時、隼人はいつも感情を見せず、言い訳をしなかった。「それしか無かった」という言葉すらカムイの記憶には残っていなかった。全て自分の責任だとでも言うように。
    そうした時に時折起こるやり場の無い気持ちをカムイが飲み込んでいれば「そろそろ戻るといい」と隼人が顔を向けた。聞きたいことは聞いたはずだ、と。
    先程までの空気は消えて、その声色も表情も常と変わりなく。
    「……会いたいですか」
    何故、そんな言葉が出てしまったのかはカムイ自身にもわからなかった。隼人が戦友を語る時の表情が、妙に頭に残っていた。

    「……会いたくない、と言ったら、嘘だろうな」
    今更、寂しいも何も無いが。

    そんな言葉だけぽつりと残して、無言で扉を見る姿にカムイは頭を下げた。ありがとうございました、と謝辞を述べて退室する。
    閉じかけた扉の向こう、隼人がどんな表情をしているのかは、見えなかった。

    ふと見上げた廊下の窓から見える星は遠く、手を伸ばしても届きそうにない。遥か彼方を見やるような。

    あの人にあんな顔をさせるなんて、本当に酷い男なのだろう。

    そんな確信に似た思いだけは、カムイの胸に残っていた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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