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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
    https://marshmallow-qa.com/refuge774

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    ナナシ/ムメイ

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    石川漫画版五右衛門の五半だけど竜隼っていうかまあそういう。
    某さんのに乗っかって。
    ああいうのならありがちなこういうのは私が書けばいいんかと勝手に思ってチマチマ書いてたら色々気付く事があって笑った。多分石川作品で一番竜隼に関係性と人物像近いのは五半だと思う。

    時代物の言葉遣いとか!忘れたよ!!その辺はまあ後で直す。

    ■ 合縁奇縁①なぜだかお前をずうっと前から知ってるような気がしてならねえや。……いンや、後かな?

    あいつがそんな訳のわからないことを言って首を傾げたのは初めて会った時、十かそこらの頃だった。
    定期的に開かれる各氏の長が集まっての会合に、「やがてお前の役目になる」と面通しのように連れていかれ、同じようにして連れて来られていたらしい同い年の石川の息子と顔を合わせた。
    挨拶をしてしまえば「庭にいていい」とそいつと一緒に半ば放り出され、どうしたものかと同じ境遇らしい隣に顔を向けた時、少しばかり下から穴があきそうな程まんじりと見詰められている事に気付き眉をひそめた。
    そんな俺の様子を気にもとめず、にかりと笑ってそいつが言ったのがそんな事だった。
    まだ、「五右衛門」と呼ぶ前のあいつ。

    それを機に、そいつは服部家に遊びに来るようになった。
    伊賀の中でも発言力のある服部家の嫡男という自分にごまをすって取り入ろう、などという気配は見えなかった。素朴で単純、時に大雑把で豪快な好意らしきものに悩まされる事もあった。
    唐突に鹿や猪を投げ込まれ、すわ敵襲かと色めく邸内にズカズカと入り込んでは「土産じゃ!」などと呵呵と笑う様子に、我ながら間抜けにも目を丸くし。
    煙草を覚える頃になると面白がって顔面に吹きかけられては涙目になりつつ手で払い。
    何度自分の名前は「疾風丸」だと言っても「はやて」だの「はやと」だのと馴れ馴れしく呼んで、「竜之助」のはずの自分の名前も「『りょう』でいい」とそいつは宣った。
    「『りゅう』だろう、そこは」
    「おまえが呼ぶなら『りょう』の方が良いんじゃ」
    時々酷く意味のわからんやつで、本人にも特に理由なぞはなく。思い出すだに昔から図々しく厚かましく、無茶苦茶で振り回されてばかりで、しかし不思議と嫌う気にもなれなかった。


    元服すれば名前も変わる。そんな風に呼びあっていたのも今は昔。
    こやつも昔はまだ可愛げのある顔をしていた、と庭先から縁側に腰掛ける訪問者を出迎えながら「半蔵」は思う。
    背も自分より低く、睫毛の濃いくりくりとした目で見上げられた事が今や夢幻のようだ。時折妙な懐かしさに駆られるような気がしていたあの頃。
    それが、何故。

    「なんだぁ?」
    「なに、刻は残酷だと思っただけじゃ」

    ねめつけてくるような視線と声に軽いため息をつきながらそう返して、半蔵は常ならば部屋の隅で埃をかぶりかける煙草盆を五右衛門の方に押しやった。

    遊びに来る度にすくすくとのびのびと、それはもう力強く自由奔放に育っているとはわかっていた目の前の男は、気付けば里の中でも長身の筈の自分を追い越し止まらぬ巨体となり、山で見れば熊かなにかと見間違えそうな程になっていた。
    実際間違われて騒ぎになり、山から来るなと言い含めた事もあった。
    「土産を狩りがてらで丁度良いじゃねえか」などと不満そうだったが、有り難く獣肉を頂戴はしておいてなんだが、そもそも毎度のように狩って来なくていいというのだ。その妙な律儀さを女に向けろというに。

    そんな事を思い出しながらこうしてようやく同じ位置ほどに頭がくる巨体を半蔵が眺める先、ぷかりぶかりと煙を吐いていた五右衛門が片眉を上げた。

    「強くなったのはいい事だろ」
    「引き換えにしたものも大きいがな、おぬしの場合」
    「へっ、俺はちっとも惜しくないがな」

    鼻で笑ってそう言ってのける姿は小山のようだとすら半蔵は思う。その癖何処に根を張るつもりも無いのか捉えどころがないものだから、どうにもしようのない奴じゃ、と軽くため息をつけば目のあった顔がなにか言いたそうに眉を釣り上げた。
    五右衛門が不満そうにふん、と鼻から煙をあげて金槌かと思うほど大きな煙管を盆に置く。龍の細工が見事なそれはいつからその手にあっただろうかと、半蔵はまた記憶を遡ろうとして、手招きされたことに気付き膝を進めた。訝しげな顔で近づくと不意にその視界が陰った。
    「なん――!?!?」
    「よっ、と!」
    すっと立ち上がった五右衛門が半蔵を持ち上げてまたストンと腰を落とした。脚の間に座らせるように、懐に抱きかかえるようにして。
    一瞬の浮遊感の後には抵抗する間もなくそうなっていた半蔵は呆気に取られたように目を見開き固まっている。
    「驚いた猫みてえな顔」
    「……おぬしには見えてないだろう」
    「わからあ」
    頭の上からのくくくという笑い声と背中から伝わる振動に半蔵は眉根を思い切り寄せた。先程の会話といい、互いに読み読まれている事が嫌ではないのが小憎たらしい。

    「……こんだけでかくなったんだぜ、満足してらあ」

    そんな声と共に背中と頭に重さを感じて、半蔵は呆れ果てたように息を吐き。

    「――ッ!? 痛えじゃねえか、喰っちまうぞ!」
    「喰われては堪らぬな」

    わざと顎にごつんと頭をぶつけてやれば聞こえてきた声にそう返しながら、負けじと寄りかかってやった。


    +++++


    「みんな、俺の後ろで伏せてろ!!」

    黒と赤の竜巻が荒れ狂うような戦いの寸前に聞こえた声、嵐に揉まれるより酷い鴉どもの襲撃。
    守りきれなかった長老達の身体と新吉達だけでもと庇おうとした中、ばさりと頭から被さった布地といつかの覚えのある体温。

    「……その直後にこれだから、おぬしは手に負えぬ……」
    谷底へ落ちる事こそ免れたが「必死で走れ」もなにもないだろう、あやつめ。
    ゴロゴロと転がっていく大岩を眺め、半蔵は苦笑混じりにそう呟いた。
    「半蔵様!」と聞こえてくる声に息を整え、姿勢を正し、生き残ったもの達に振り返る。
    犠牲を弔い、先に歩まねばならぬ。そして。


    「皆、聞け。わしは五右衛門を追う」


    ――万龍眼宙秘録と刻読みを中心に巡る物語の、これは始まりに過ぎない。


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    Replies from the creator

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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