君がいるから今日もGOOD DAY☀ 米好きを公言しているからか、木村龍宛のプレゼントには白米によく合うものが多い。
鮭フレーク、ふりかけ、納豆……事務所で受け取ったそれらをテーブルに並べて、炊きたてご飯とともに食べるのは龍にとって毎日の楽しみだ。浮かれ気分で食器を用意し、ご飯をよそうために炊飯器を開けて、
「あぁっ!? ボタン、押してなかった……!」
炊飯器の中で水に浸かっている生米を見て、がくりと肩を落とす。
追い打ちをかけるように腹が鳴る。今から炊き直すにしても早炊きで三十分はかかるが、腹の虫は収まりそうにない。
何より、今日はこのあとテレビ番組の収録の予定が入っている。食事を取って身支度をする時間くらいは残っているが、炊き直した米をかきこむには不安がある。
「どうしよう……!」
おろおろと炊飯器の前でさまよう龍の視界の端には、ファンからのプレゼントを詰め込んだ段ボール箱がある。
箱の中身は半分ほど取り出されていたが、まだ半分ほどは残っていた。失意の中で考えがまとまらず、とりたてて理由もなく箱の中を覗き込むと、黒いパックが龍の目に入る。
「こ……これは……!」
黒いパックは見慣れたものではない。
しかし、パックには『究極のパックごはん』の文字が煌めいていた。
「!」
レンジで一分三十秒の文字を見ながら大急ぎで電子レンジを開けてセット。温めボタンを押してそわそわと一分三十秒を待って、電子レンジの音が響くと同時に扉を開き、よくほぐしてから茶碗によそう。
「いただきます!」
米をすくい上げて、まずは何もかけずに口に運ぶ。
――米独特の香りを吸い込みながら咀嚼すると、柔らかな食感とともに甘みが口いっぱいに広がって。
「うまぁい……!」
思わず声を上げ、龍は大切な一口を噛みしめるのだった。