秋晴れの下でまた。東京は冷えますねー。と仙台生まれの優太は、学生服の袖の上から両腕を擦りながら言っていた、昨日の朝。
仙台の方が寒いんじゃないのと聞いたら寒さが違うと言われた。
新幹線からホームに降り立つと、ああ確かになと身体に吹きつける冷えた風で身震いした。
任務続きで夜に東京から最終発の新幹線に乗り、仙台駅に着くなりそのままタクシーで郊外。山奥の旅館にて呪霊退治。また駅周辺に戻り適当なホテルで一泊し、早朝に山形。
朝から気だるい体に鞭を打ち山に山を越え向かうと、図体がデカいだけで特級にも及ばない。
呪霊は僕の指が右から左へ横に動かせば、弾け飛び呆気なく消えた。
任務完了。
時間にして5分。移動時間約2時間。
「はぁー…。こんなの僕じゃなくても現地の1級に任せれば終わるのにさぁ。どうせ嫌がらせでしょ。あーもう帰ろ」
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