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    kadukimocha

    北渉/夏つむ
    ドラマティカ関連(PaiR、西悠奇ほか)も取り扱いあり
    リクエストは可能な範囲で対応するのでお気軽にどうぞ

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    kadukimocha

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    哲太が女と会っているからとta-taで荒れに荒れている歩が酔いつぶれた頃に哲太がやってきてなし崩しにセックスする歩哲です。哲太は腰遣いがエロいしチンポって言うし気持ちイイこと好きそう。
    8/21に出す歩哲新刊より短編スケベです。本ではこれにさらにもう1ラウンド加筆してあります。H-32b/ブレイクタイムです。北渉で申し込んでいるのでティカ配置からは遠いけどよかったら遊びに来てね…!

    #北渉
    northAfrica
    #歩哲
    walkingPhilosophy

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    m_matane_

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    2

     あの頃。僕らが生まれたてみたいに何も知らなくて、それでも赤ん坊とは呼べない程度には傷まみれだった頃。
     17歳の燐音くんはいつだって怒っていた。知識や常識がない故に納得できない事象が多く、それにぶつかるたびに怒った。周りにも、ものを知らなさすぎる自分に対しても。野菜の値段に怒り、電車の優先席に座る若者に怒り、ポイ捨てされているゴミに対して怒った。自分の常識と世間の常識の中でぐらぐらと揺れながら、プライドをすり減らしながら、それでも声を上げた。
     怒るといっても声を荒げて暴れまわるわけではなかった。かたちのいい目をしっかり開いて、青いくらいにひかる白目にぎらっと怒りを宿して、理解の範疇外の対象を見つめた。その様子を見るたびに僕は、彼の心に小さな傷がついていく音が聞こえたような気分になった。失望して、怒って、それでも赦したくて立ち上がり続ける燐音くんに、「きれいごとだけじゃ世の中は回らないっすよ」と言ってあげられたらどれほど良かったんだろう。とはいえ、そんな残酷なことを誰も言えやしなかったに違いない。少なくとも僕には到底無理だった。背筋を伸ばして、透き通った眼で物事を見る彼を曇らせたくなかった。
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