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    Laurelomote

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    この文書は『ブラックチャンネル』の、主にエピソード0について語ります。漫画版・アニメ版両方について触れます。
    コミックス最新刊の話までガッツリあるのでまだ読んでないよこれから読むよって方はご注意ください。
    あくまで個人の考察です、自己満足のため読了後の苦情は一切受け付けておりません。
    タイトルの通り宗教的な話題に触れます。苦手な方はブラウザバックで閉じる事を推奨致します。

    ブラチャン エピソード0について実際の神話学と比較した考察備忘録目次:
    【はじめに】
    【天使Bとは何者なのか】
    【堕天】
    【そもそも"アレ"は本当に神なのか】
    【ホワイト(天使A)とは何者なのか】
    【おまけ エピソード0以外の描写について】


    【はじめに】
    最近、ブラックチャンネルという月刊コロコロコミック連載の漫画にどハマりして単行本最新5巻までまとめて電子購入しました。
    もともと月刊コロコロ/コロコロアニキの漫画はよく読んでいたのですが(特にデデププ、コロッケ!etc)、アニキの系譜であるwebサイト『週刊コロコロコミック』において次々と新しい漫画の連載が始まり色々読みあさっていたところに、ブラックチャンネルもweb掲載がスタートし、試しに読んでみたらこのザマです。
    そして、もともと天使や悪魔といった話が好きな私はエピソード0の展開にもうびっくりしちゃいました。だってテレビにスマホという現代文明の描写がありながら内容はがっつり実在する聖書やその関連書籍の逸話そのまんまなんだもの。先に漫画版を読了してから流れるようにアニメ版も何話か視聴しました。
    というわけで、自己満足で自分が覚えている限りの天使・悪魔の知識とエピソード0について照らし合わせて考察することにしました。


    【天使Bとは何者なのか】
    本作の主人公 悪魔系(というか本物の悪魔)ヨーチューバーのブラックが、エピソード0で元々は"神の右腕"とも称される高名な天使であり、後に神に対し謀反(炎上晒し上げ)を起こし堕天した事を自ら明かします。(漫画・アニメ共通)
    この"神の右腕"という呼称ですが、一番通説として出てくるのは堕天使ルシファー=悪魔の長サタンかと思います。しかし、ルシファーもそうですがサタンはあらゆる天使や悪魔と同一視されており、作中の天使Bの経緯も100%ルシファーとは言い切れない部分が多いです。アニメ版だと『明けの明星がまだ天にあった頃』という冒頭文が入るのでルシファー=サタン説ベースかもしれませんが(暁の子ルシファー)、漫画版の場合はまたかなり違った要素が散見されます。私は、漫画版の天使Bは堕天使ベリアル=サタン説がベースなのではと考えます。
    ベリアルとは、『レメゲトン』という悪魔に関する書物に登場する、ソロモン72柱と称される悪魔達のひとりです。ジョン・ミルトン著『失楽園』ではサタンの部下として登場しますが、このベリアルもサタンそのものとしてみなされる事が多々あるそうです。
    ここで、天使B(ブラック)と『失楽園』や悪魔学におけるベリアルの特徴を照らし合わせてみましょう。

    ・ブラックは堕天した前と後で容姿に言うほど変化がない⇔ベリアルは美しい天使の姿で現れる
    ・ブラックは神への復讐というよりも、神や人間を貶める事自体に楽しみ(炎ターテイメント)を感じている⇔ベリアルは悪徳のために悪徳を愛する不埒な者
    ・天使Bは神の裏側を天界に晒しあげた⇔ベリアルは神とイエス相手に裁判を起こした
    ・ブラックはミカエル/ガブリエル/ラファエル/ウリエルといった四大天使よりも強い⇔堕天前はミカエルよりも位の高い天使だったというベリアル自身の主張
    ・天使Bはラファエル曰く「所詮は名もなき一般天使」⇔ベリアル=ヘブライ語で「無価値なもの」の意、そもそも四大天使はちゃんと名前があるのに天使Bはアルファベットのイニシャルのみ、アニメ版だと上級天使はアルファベット順に階級があるという理由づけがありましたが
    ・変形したカメラちゃんがブラックの戦車になったりする⇔ベリアルは炎の戦車に乗った美しい天使の姿で人間界に現れる

    …多少のこじつけもありますが、結構な勢いで共通点が出てきました。
    ベリアルであれば人間の闇を半ば強制的に引き摺り出し、魔界で動画公開という下劣極まる行いにも納得がいきます。


    【堕天】
    神"だった"何かを貶めた後、再度魔界に戻る天使Bと悪魔さん→ブラックとカメラちゃんを追って天界の住人が次々と魔界に繋がる穴へ身を投じ、ついに天界は誰も居なくなってしまいました。(漫画)
    キリスト教神学および『失楽園』では、サタン率いる叛逆天使の軍団が大天使ミカエル率いる神の軍団と争うも敗北し、揃って天から投げ落とされたとされています。その数、天界に住まう全天使の三分の一にものぼるそうです。
    漫画版ではおそらく上記の話がベースにあるのだと思います。こちらの場合は自由と享楽を望み天界からの脱出、という風な意味合いでしたが。


    【そもそも"アレ"は本当に神なのか】
    漫画・アニメ版共通でどこまでも下衆で不遜な存在として描写されていますが本当に神なのでしょうか。アニメ版ではその御子たる天使Aが登場し、本人は後に引退します。しかし、実際の聖書や関連書籍でも神の子としてイエス(『ドレの失楽園』の翻訳では"ビルティーニョ"表記)が誕生しますが、神自身がその勢いを失う事はありません。新約聖書最後の章 ヨハネの黙示録で神は「アルファにしてオメガである」あるとの記載があります。これらの通り、聖書世界における唯一神は終始絶対の存在であり、そこに栄枯盛衰はありません。また、ユダヤ教・キリスト教神学ではサタン以外にも色んな堕天使が登場するので、天使Bや四大天使とはまた別の上級天使が神を騙っていた可能性はないでしょうか。(実際、漫画版だと他の天使達に巻き込まれて堕天していたみたいだし)というか他の天使の尻を触るような存在をあまり神として考えたくないし…(漫画)
    まあ、エピソード0自体が堕天使視点の話なので、敢えて露悪的に描写されていたという事もなくは無いかもしれません。


    【ホワイト(天使A)とは何者なのか】
    ブラック達の堕天から数千年後、新たな神 ホワイトという存在が台頭します。
    彼は"白戸"と名乗る人間の子供に化けて地上界へ降臨し、ブラックに取り憑かれた小学生ヨーチューバーのさとしくんを悪魔から引き剥がそうと企みます。それは純粋に悪魔憑きの少年を憂いての行動だったのか、または単なる暇潰しで悪魔と人間という珍しい組み合わせにちょっかいをかけてみただけなのか、その真意は誰にもわかりません。(漫画)
    先述の通り、聖書の世界における神は唯一絶対の存在であり、交代制や世襲制などでは決してありません。というか、エピソード0の神よりも彼の方がよっぽど神らしいですね。
    これも前項と重複になりますが、ホワイトはアニメ版なら神の子イエス、漫画版ならサタンと正反対に位置する正真正銘の神と見て良いと思います。ブラック(黒)の反対はホワイト(白)ですものね。


    【おまけ エピソード0以外の描写について】
    ここからは、エピソード0以外のブラックチャンネル本編の描写について考察していきます。(※漫画版のみです)

    ・カメラちゃん(悪魔さん)は何者なのか
    すみませんわかんないです…そもそも『失楽園』などのキリスト教神学における悪魔という概念は堕天使が変容してできたものというのが通説なので、それ以前から"魔物"ではなく"悪魔"として存在していた彼は本当に何者なんでしょうか。
    強いて言うなら、ブラック=サタンとして捉えるなら『失楽園』の解釈に準えてベルゼブブ(サタンの側近で戦闘力はサタン以上とされる事もある悪魔、元々は別の宗教の神格だが聖書内で異端とされ悪魔として見られるように)と考える事もできなくはないですね。

    ・天使系ヨーチューバー バニラは何者なのか
    もっとわかんない…彼女もまた本物の天使みたいだけどマジで何なんあの子。ただ、なんでも好き放題食べてて神の意志とかそういうのとは程遠いところにいそうなあたり、あまり高位の天使ではないようには見受けられます。正直漫画だと長編とかSCP回よりなによりバニラちゃん回が個人的に一番怖かったです。やってることがちいかわの嫌な方のエピソードみたいで…けれど彼女自身は本当の意味での無垢だから堕天する気配は微塵もない。まさに天使らしい天使なんだけど怖すぎる。お話全体もツッコミ不在を極めすぎている。

    ・混沌と冒涜の炎ターテイメント
    エピソード0以外における炎ターテイメントにおいても、時折非常に宗教的要素が色濃く滲みでています。それは特に、優等生のユウトくんや何でも平等にしたい平くんといった「学校の環境をより良いものにしたい(理不尽な校則を修正したい/不公平をなくしたい)」という願望を抱えた人間達が犠牲者だった場合に表れます。
    まずユウトくんから、彼はブラックが用意したデビルツール「悪魔の法律貼り紙」で学校の理不尽なルールをどんどん変えていきますが、他の生徒達はいくらルールが修正されても不満ばかり漏らすようになり、怒りが頂点に達したユウトくんは遂に学校の為ではなく自分の為に貼り紙を使った事により魔界へと堕ちてしまいました。これは、旧約聖書 出エジプト記に登場したモーセの十戒のエピソードを想起させます。
    モーセは、神の啓示によりエジプトにて虐げられていたヘブライ人達を約束の地へと導いた者で、シナイ山で神から十戒という二枚の石板を授かります。(解釈によってはモーセ自らがこの石板を用意したという説も)ところが日が経つにつれこの十戒に不満を覚える者が増え、これに激怒したモーセは神の指示を破った為に、指導者でありながら約束の地へと入ることが出来なかったとされています。
    次に平くんです。彼は先生から褒められた回数やお小遣いの金額など、あらゆる不平等を陰湿なまでに記憶しておりその正当性を主張します。ブラックは彼にデビルツール「コウヘイテンビン」を与え、これにより平くんは裕福な家の子も一般家庭の子も同じ金額のお小遣いになるようにしたり、生徒だけではなく先生もテストを受けるようにといった「公平さ」を作っていきますが、自分がチビで足が遅いというコンプレックスを抱えていた事を思い出すと結局自分だけの為に天秤を使うようになり、やっぱり魔界行きとなりました。
    キリスト教神学において、天秤は大天使ミカエルの持ち物として登場します。宗教画のテーマの一つである「最後の審判」では、全ての人間は審判の日までに一度死に、その魂が天国か地獄のどちらへ行くのかをミカエルの天秤で量るというモチーフが多く登場します。
    また、平くんはブラックの悪戯で魚に変えられてしまいましたが、魚というのもまたキリスト教神学でよく出てくるキーワードです。新約聖書 ルカによる福音書ではイエスが漁師のペテロという男に対し「これからは魚でなく、人間を取る漁師になるのです」と言い、ペテロはイエスの弟子となりました。ここで言う"魚"はイエスの教えを理解する信徒の事を表します。他にも聖書には魚に関する記載が多々ある事から、魚=キリスト教徒という考え方がされます。
    平くんが変容させられる動物は別にノミでも蟻でも何でも良かったはずなのに敢えて魚を選んだブラック、そして魚になった平くんを天秤の皿に乗せ、もう片方の皿にブラックは全体重をかけて魚を跳ね上げ魔物の餌にしてしまうという描写。上述の話と合わせて考えるともうびっくりするくらいの"悪魔"ですね…先のユウトくんもそうですが、モーセや魚といった聖書的キーワードに準えて犠牲者の魂を魔界へと堕としている感じがとても冒涜的です。


    以上が、つい最近ブラックチャンネルにどハマりしてしまった私の考察となります。文章にまとまりがなく異論も数あるかとは思われますが、これを読まれた皆様にとって何かの参考となれば幸いです。
    ここまでご覧いただき、誠にありがとうございました!!
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