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    mii_wannyantyu

    @mii_wannyantyu

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    mii_wannyantyu

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    ポッキーの日みつしの①
    キメ学軸。付き合ってない。

    蜜璃さんと。


    「しのぶちゃんっ!ポッキーゲームしよっ!」
    クラス委員の仕事で、教室に残っていた私のもとにやってきたのは、寒くなってきたこの季節には似合わない、春色を纏った先輩だった。
    「ぽっきーげーむ、とは?」
    彼女が、両腕に大量に細長い棒状の
    お菓子の箱を持っているので、それを使うことはわかるのだけど。
    「あのね!ポッキーをね、こうやってくわえて…しのぶちゃんがそっちから食べて、私がこっちから食べるの!先に口を離した方が負けなの。やろう!」
    ……なんとまあ、こんな遊びがあるんですね。皆様暇なんでしょうか。
    「甘露寺先輩、それ貸してください。」
    「?はい。」
    大きな袋に入った大量の箱を受け取り、中を出す。そうして何本か束ねて、端っこを持った。
    「先輩、あーん。」
    「あ、あーん??」
    不思議そうにするも、パカッと口を開けてくれる先輩。……ほんとに素直な人だなぁ。
    そのまま、ポッキーを彼女のお口に突っ込む。
    ボリ、ボリ、と食べられる感覚が指を通じて伝わってくる。最後の端っこまでお口に押し込んで、次を用意する。
    「はい、あーん。」
    「あーん!」
    ……先輩楽しそう。若草の瞳がキラキラしてる。ほっぺたももきゅもきゅ動いていて。お口にポッキーを入れるたびに目尻が下がって口角が上がる。……かわいいなぁ、先輩。なんか餌付けしてる気分。
    何度も何度も繰り返しているうちに、遂に最後の箱が空になった。
    「あーん。」
    「先輩、さっきので最後ですよ。」
    「ふぇっ!?そうなの!?あああっ!しのぶちゃんとポッキーゲームしてないっ!!!」
    私の行動の意図に、ようやく気がついたようで、顔を真っ赤にして叫ぶ甘露寺先輩。
    「ごめんねしのぶちゃん。私全部食べちゃった……。」
    「いいんですよ。美味しそうに食べる先輩が見られて大満足です。……ちゅーは、しないんですか?」
    「へっ???」 
    あらあら、先輩首まで真っ赤ですよ。ほら、パタパタ仰いであげますからこっちにどうぞ。
    「ちゅ、ちゅーって、えっ、あのっ、しのぶちゃん??」
    「ポッキーゲームしたいって、てっきりそういうことかと思ったんですが違ったんですかね。」
    「そ、そそそそそそうなんだけど!!」
    「じゃあどうぞ?」
    目をつぶって見せると、直ぐ近くに先輩の気配を感じた。ドキドキと、胸が、高鳴る。……先輩風に言うなら、キュンキュン、しちゃう。
    「いい、のね?」
    今まで聞いたことのないくらいに、低くて艶っぽい声。思わず肩がぴくり、と揺れる。
    左手で肩を押さえられて、右手で、顎を引き寄せられる。そっと目を細く開けると、熱で浮かされたような若草色が見えた。
    ああ、素敵。
    2人の唇が、重なる。

    はじめてのキスは、甘い甘いチョコレートの味がした。
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    mii_wannyantyu

    DOODLEさっきお話ししてた、モブさんに告白されて言い出せなかった💧さんとそれにもやっとしてしまう🍑さんのお話。らくがきです。まだ続くけど一旦ここまで。大丈夫!ハッピーエンド仲直りするよ!(これは僕のために言っています…)
    仲直りして!!!「どうして、言ってくれなかったの」
    ……愛莉ちゃんのこんな顔見たの、いつぶりだろう。
     私を見下ろす愛莉ちゃんを、真っ直ぐに見つめる。愛莉ちゃんの後ろには天井が見えて、ああ、私、今倒れてるんだ、なんて。
     形が良くて愛らしい眉毛がきゅっと寄って、私を映す桃色は、悲しそうに細められてる。いつもは綺麗に上がっている口元も、への字みたいに下がり切っていて。
    「えっと……」
    事の発端は、私が、この前出演したドラマの相手役の人に告白された事だった。もちろん、私には愛莉ちゃんがいるから断ったけれど、お付き合いしていることは、まだ内緒にしておこうって愛莉ちゃんと二人で決めたからちゃんと言えなかった。
     その人は愛莉ちゃんとも仲がいい人だったから、愛莉ちゃんになんとなく言い出しづらくて、切り出すタイミングを伺っていたらどんどん時間が過ぎてしまって、もう一週間。どういうルートを辿ったのか、私があの人に告白されたことが愛莉ちゃんの耳にも入っていて、おうちに帰ってきた瞬間、愛莉ちゃんに手首を少し痛いくらいに掴まれて、ソファにぐいって押し倒されてしまったの。
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    mii_wannyantyu

    MOURNING『現代鬼殺のお話①』
    前に呟いていた、現代鬼殺のお話。書きたくて書いたものの、何書いてるのかよくわからなくなったので供養。
    現代鬼殺のお話①

    「はあっ!!」

    私に向かってくる、異形のものに対し、私だけの刃を振るう。ガシャン、プシュウ。一閃。ドサリという物音と、ぶわりと巻き上がる黒い靄。ふよふよとこの場を漂うけれど、それはもう無視。なんの害もこちらには及ぼせなくなっている状態のはずだから。耳をそばだて、気配を探る。……よし。もうあいつらはいない、みたい。依頼の内容も、一体だっていう報告だったし。

    「ふう。任務、完了」
    『今の刀の振るい方、なんだか粗くありませんでした?』

    ……ああ、また始まった。

    「うるっさいなあ」
    『蟲柱たるもの、もっと美しく、軽やかにこなしてもらいませんと』
    「ふんっ。そんなことにばかり拘ってるから、この間みたいに失敗するんじゃないの?」
    『なんですって?!』
    「ほらほら、しのぶ。後は隠がやってくれるから。今日はもう帰っておやすみ」
    「社長」
    『お館様』

    急に目の前に現れた雇い主の姿に、跪く。この位置からは見えないけれど、多分もう一人の私も、同じ格好をしてる。

    「そんなにかしこまらないでおくれ。しのぶ、今日はどうだった?」
    「はい。任務は、つつがなく。相手は人型を取ってはいま 2898