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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    kirche_is_dcst

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    眩暈

    猫間さんのイメレスで勝手に書いてみたやつ
    悪夢にうなされるゲとそれをケアする千の話

    #原作軸千ゲ
    originalStoryAxis1000Ge

    ……今でも、時折思い出す。
    失われていく感覚。
    目の前で。手が届いたはずの距離で。
    それから衝撃があって。
    とても、あつくて。
    その直後から、急速に温度が失われて。
    カラダが重くなって。
    意識が、途絶えていく感覚。
    最後に目にしたのは、薬品やクラフトで荒れた、ゴツゴツした指先。
    いつも温度を分け与えてくれた、あたたかい手。
    ……いやだ。
    ( 大丈夫。カレは嘘をつかない)
    いやだ。
    ( いつだって、約束は守ってくれた)
    いやだ。
    ( だから今度も、きっと目覚めて一番に目にするのは、カレの皮肉げな笑顔)
    いやだ。
    ……千空ちゃんを、ひとりにするのはいやだ。どうして、いつも君ばかり。

    ああ、でも。
    ごめん、もうさむくて、カラダが動かない。

          ※ ※

    「 ……、い、おい…… 」
    声がする。どこか心配そうな、やさしい声。
    動けずにいると、おおきな手が身体を揺さぶった。
    「 おい!」
    荒げられた声に、驚いて目を開ける。
    目の前には、篝火のような、あたたかいあかい双眸があって、心配げにこちらを覗き込んでいた。
    「 ……うなされてた。大丈夫か?……何か、飲むか?」
    どことなく安堵を滲ませた声と、その姿に。感情の堰が切れる。
    すうっと全身から熱が引いて。ひどく、寒くなって。震えが止まらなくなる。
    大丈夫。大丈夫だ。大丈夫。
    あれは夢。ただの夢。
    スイカと千空が、ただの悪い夢にしてくれたのだ。だから。
    そう、感情を整理しようとするのに制御出来ない。こわい。こわい。こわい。
    自分でコントロール出来ない感情が、こわい。縋るように手を伸ばすと、触れる前に強く抱きしめられた。
    髪を、あたまを、背を。
    おおきな手がなでてくれる。
    「 ……大丈夫。大丈夫だ」
    呼吸が荒くなる。うまく、息ができない。
    「 大丈夫だ。……もう、終わったんだ。テメーが不安に思うことは何もねぇ。だから」
    ぬくもりに、ぼたぼたと涙があふれてくる。
    止まらない。止められない。
    抱きしめたまま、頬に手を添えられて。
    呼吸を補助するように何度もくちづけられる。
    「 だから、もう感情を抑えなくていい。全部、吐き出していい。大丈夫だ。
    ……失望なんか、しねぇ」
    重なったくちびるが、コトバを刻む。
    やさしくて、あたたかくて。ずっと、互いに告げられなかったコトバ。
    新しいセカイで、ようやく交わしたコトバ。
    「 ……好きだ。俺は、ここにいる。テメーのそばに。……だからもう、大丈夫なんだ。
    ……ゲン」
    このうえなくやさしい声で、この世でいちばんいとしい音を紡ぐように。
    そう呼んで、千空はまたくちびるを重ねた。
    あたまを撫でてくれるてのひらも。髪を梳いてくれるゆびさきも。
    抱きしめてくれる腕も。支えてくれる胸も。
    ひどくあたたかくて、だんだん瞼が重くなる。そのぬくもりに溶け込むように、身体を預けて。……彼はまた、目を閉じた。

     もう、夢は見なかった。
    ただやわらかな温度だけが、そばにあって。
    ようやく、呼吸ができる気がした。
    すうすうと規則的な呼吸音がし始めたのを確かめて。
    ……千空はそっと、眠るゲンの額にくちびるを落とした。
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