kirche_is_dcst
MAIKINGリリの声帯模写してたら女体化しちゃったゲの話。書きかけ。尻叩きに
「 ……なんだ、まだ練習してんのか」
作業を終えて部屋に戻ると、すでに耳に馴染んだ女の声がして。
中でブラッシュアップに励んでいるらしいメンタリストに声をかけた。
この男の声帯模写は特殊で。
完全に役になりきっている時は、外見まで変わってしまう。
蝙蝠というより変幻自在の化け狐だ。
……どちらかと言えば、完璧に作り上げられたイメージに引き込まれて、脳がそのイメージを視覚に投影している、と言うのが近いのだろうが。
そんなことを思いながら部屋に入ると、珍しくゲンが固まっていて。
こちらの気配に気づいて、怖々というふうに振り返った。
「 千空ちゃん!!!どうしよ!!!???」
「 あ"ぁ?」
女の声のまま、いつになく切羽詰まった様子で訴えられて、怪訝に思って問い返す。
964作業を終えて部屋に戻ると、すでに耳に馴染んだ女の声がして。
中でブラッシュアップに励んでいるらしいメンタリストに声をかけた。
この男の声帯模写は特殊で。
完全に役になりきっている時は、外見まで変わってしまう。
蝙蝠というより変幻自在の化け狐だ。
……どちらかと言えば、完璧に作り上げられたイメージに引き込まれて、脳がそのイメージを視覚に投影している、と言うのが近いのだろうが。
そんなことを思いながら部屋に入ると、珍しくゲンが固まっていて。
こちらの気配に気づいて、怖々というふうに振り返った。
「 千空ちゃん!!!どうしよ!!!???」
「 あ"ぁ?」
女の声のまま、いつになく切羽詰まった様子で訴えられて、怪訝に思って問い返す。
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DONEペ号出航前夜妄想ネタsailing「 ……邪魔すんぞ 」
ノックと同時に扉を開け、勝手知ったる様子で部屋に入ってきた男を振り返り、笑みを刷く。
「 こんな時間に訪ねてくるとは、明日の乗船メンバーの編成についてだな?違うか?」
「 あ"〜、違わねぇよ。相変わらず話早ぇなテメーは 」
ニヤリと笑みを返す千空に、トン、と一巻の巻物を手渡した。
「 これが船長の俺が独断で考えた、乗船メンバーのリストだ。貴様は先に目を通しておいた方が良かろう 」
「 そりゃおありがてぇな」
巻物を受け取って広げると、ザッと最後まで目を通す。
そこで、ぴたりと千空の手が止まった。
「 ……どうした?」
「 オイ龍水、メンタリスト書き忘れてんぞ 」
当然のように言われて、目を瞠る。
2414ノックと同時に扉を開け、勝手知ったる様子で部屋に入ってきた男を振り返り、笑みを刷く。
「 こんな時間に訪ねてくるとは、明日の乗船メンバーの編成についてだな?違うか?」
「 あ"〜、違わねぇよ。相変わらず話早ぇなテメーは 」
ニヤリと笑みを返す千空に、トン、と一巻の巻物を手渡した。
「 これが船長の俺が独断で考えた、乗船メンバーのリストだ。貴様は先に目を通しておいた方が良かろう 」
「 そりゃおありがてぇな」
巻物を受け取って広げると、ザッと最後まで目を通す。
そこで、ぴたりと千空の手が止まった。
「 ……どうした?」
「 オイ龍水、メンタリスト書き忘れてんぞ 」
当然のように言われて、目を瞠る。
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DONE🍉ちゃんにおうたを教えるゲのお話singing for you「 〜〜〜♪」
森で素材を集めながら、陽気になんとなく楽しくなって。
うたを口ずさんでいると、茂みからぴょこんとちいさな影が飛び出してきた。
スイカと、愛犬のチョークだ。
「 スイカちゃんも探検中?お揃いだね♬」
問いかけに、元気よく頷いて。
スイカは下から覗き込むようにこちらを見上げてくる。
「 ……うん?どうしたの?」
腰をかがめて視線の高さを合わせてやると、
「 さっきの、おうた」
言い澱むようにそう切り出した。
「 スイカちゃん、今のお歌気に入った?」
教えてあげようか。
その提案に、スイカはキラキラと目を輝かせた。
「 うん!教えてほしいんだよ!」
……この村には、音楽の文化がない。
少なくとも、千空の父が残したレコードが見つかるまでは、そういった文化はなかった。
1678森で素材を集めながら、陽気になんとなく楽しくなって。
うたを口ずさんでいると、茂みからぴょこんとちいさな影が飛び出してきた。
スイカと、愛犬のチョークだ。
「 スイカちゃんも探検中?お揃いだね♬」
問いかけに、元気よく頷いて。
スイカは下から覗き込むようにこちらを見上げてくる。
「 ……うん?どうしたの?」
腰をかがめて視線の高さを合わせてやると、
「 さっきの、おうた」
言い澱むようにそう切り出した。
「 スイカちゃん、今のお歌気に入った?」
教えてあげようか。
その提案に、スイカはキラキラと目を輝かせた。
「 うん!教えてほしいんだよ!」
……この村には、音楽の文化がない。
少なくとも、千空の父が残したレコードが見つかるまでは、そういった文化はなかった。
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DONE酒癖の悪いゲのお話その②「 ……おい、誰だアイツに酒飲ませたの」
やや苛立った声に視線の方向を追うと、ちょこんと正座したまま、えへへ〜とかうふふ〜とか赤い顔でひたすらにこにこしている参謀がいた。
「 あー……誰かうっかり飲ませちゃったんだね……でもまあ、本人楽しそうだし、別に暴れてるわけでもないし、そんな気にしなくても」
羽京の言葉に、千空は苦虫を噛み潰す。
「 アイツは酒弱ぇし、酒癖悪ぃから呑ませんなっつってんのに」
「 まあ新年会だしねぇ。……千空がそばにいなかったんだから、仕方ないんじゃない?」
その指摘に、10匹くらいまとめて苦虫を噛み潰したような表情が返される。
心配なら、ちゃんとそばについてればいいのに、全く素直ではない。
1758やや苛立った声に視線の方向を追うと、ちょこんと正座したまま、えへへ〜とかうふふ〜とか赤い顔でひたすらにこにこしている参謀がいた。
「 あー……誰かうっかり飲ませちゃったんだね……でもまあ、本人楽しそうだし、別に暴れてるわけでもないし、そんな気にしなくても」
羽京の言葉に、千空は苦虫を噛み潰す。
「 アイツは酒弱ぇし、酒癖悪ぃから呑ませんなっつってんのに」
「 まあ新年会だしねぇ。……千空がそばにいなかったんだから、仕方ないんじゃない?」
その指摘に、10匹くらいまとめて苦虫を噛み潰したような表情が返される。
心配なら、ちゃんとそばについてればいいのに、全く素直ではない。
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DONEゲが石戦争で干空ちゃんに持たされてた短剣と✖︎先生に渡したものが似てたので同じものなのでは?から広げたお話Amulet「 ……おい、これも持ってけ。テメーの分だ」
司帝国潜入前夜、千空は彼を呼び出してそう告げた。
差し出されたのは、一振りの短剣。扱いやすいよう、柄には皮が巻いてある。
「 うーん、気持ちはありがたいけど、俺はいいかな〜。この通り、戦闘力は低いし武器の扱いにも慣れてないからさ」
そう言って受取を辞退しようとするが、千空の表情は変わらない。
「 クロムにもマグマにも、同じものを持たせてある。……安心しやがれ。別に、テメーにそれで戦えとか、誰かを傷つけろって言ってるわけじゃねぇ」
そこで、一旦言葉を切って。
「 それは、テメーの身を守るためのもんだ。……ナイフの使い道は、何も武器だけじゃねぇ。
使い方はテメーの判断に任せる」
1733司帝国潜入前夜、千空は彼を呼び出してそう告げた。
差し出されたのは、一振りの短剣。扱いやすいよう、柄には皮が巻いてある。
「 うーん、気持ちはありがたいけど、俺はいいかな〜。この通り、戦闘力は低いし武器の扱いにも慣れてないからさ」
そう言って受取を辞退しようとするが、千空の表情は変わらない。
「 クロムにもマグマにも、同じものを持たせてある。……安心しやがれ。別に、テメーにそれで戦えとか、誰かを傷つけろって言ってるわけじゃねぇ」
そこで、一旦言葉を切って。
「 それは、テメーの身を守るためのもんだ。……ナイフの使い道は、何も武器だけじゃねぇ。
使い方はテメーの判断に任せる」
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DONEシャボン玉の歌って物悲しいよねって話から広げた千ゲネタ。しゃぼんだまとあおいそらしゃぼんだま とんだ
屋根まで とんだ
屋根まで飛んで
こわれてきえた
おそらく、子供の頃、多くの人が耳にしたことがあるだろう、うた。
それは彼も同様で。
キャビンで千空たちがしゃぼんだま遊びをしていた、とコハクに聴いてからなんとなく懐かしくなって、甲板で口ずさんでいた。
……なんだかもの悲しくて、ちいさい頃はあまり好きではなかったけれど。
ふわふわして、見目鮮やかで、人目を引くけれど薄っぺらで壊れやすくて。
……中身は、からっぽ。
なんだか自分を見ているようで。
からっぽな自分が嫌いなわけではないけれど、たまにふぅっと胸の中の空洞を自覚してしまうことがあって、そんな時はひどく寂寥感に駆られた。
……柄にもなく感傷的になっているのだろうかと、苦笑してしまう。
1728屋根まで とんだ
屋根まで飛んで
こわれてきえた
おそらく、子供の頃、多くの人が耳にしたことがあるだろう、うた。
それは彼も同様で。
キャビンで千空たちがしゃぼんだま遊びをしていた、とコハクに聴いてからなんとなく懐かしくなって、甲板で口ずさんでいた。
……なんだかもの悲しくて、ちいさい頃はあまり好きではなかったけれど。
ふわふわして、見目鮮やかで、人目を引くけれど薄っぺらで壊れやすくて。
……中身は、からっぽ。
なんだか自分を見ているようで。
からっぽな自分が嫌いなわけではないけれど、たまにふぅっと胸の中の空洞を自覚してしまうことがあって、そんな時はひどく寂寥感に駆られた。
……柄にもなく感傷的になっているのだろうかと、苦笑してしまう。
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DONE年末に書いたクリスマスネタ。干空ちゃんからプレゼント千ゲクリスマスネタ ……最近、冷え込みが厳しくなってきたなあ。
このあたりはもともと、特に豪雪地帯ではなかったはずだが、やはり四千年近く経つと気候も変動してしまうのだろう。
もこもこの袖に両の手をすっぽりしまって、足早に歩を進める。
「 ……それにしても、こんな時間に千空ちゃんの用事ってなんだろう?」
また何か、ドイヒー作業だろうか。
けれど冬備えには色々必要だし、そこは仕方ないのだろう。
千空が作ったストーブのおかげで、幸い屋内は暖かい。
とはいえ、出来ればお手柔らかにお願いしたいところだが、さて。
あちこちに思索を巡らせながら、少し歩いて。ラボの前に着いた。
「 あれっ?千空なら天文台の方だぜ?」
顔を見るなりそう告げるクロムに、あちゃ〜、と苦笑する。
2358このあたりはもともと、特に豪雪地帯ではなかったはずだが、やはり四千年近く経つと気候も変動してしまうのだろう。
もこもこの袖に両の手をすっぽりしまって、足早に歩を進める。
「 ……それにしても、こんな時間に千空ちゃんの用事ってなんだろう?」
また何か、ドイヒー作業だろうか。
けれど冬備えには色々必要だし、そこは仕方ないのだろう。
千空が作ったストーブのおかげで、幸い屋内は暖かい。
とはいえ、出来ればお手柔らかにお願いしたいところだが、さて。
あちこちに思索を巡らせながら、少し歩いて。ラボの前に着いた。
「 あれっ?千空なら天文台の方だぜ?」
顔を見るなりそう告げるクロムに、あちゃ〜、と苦笑する。
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DONE干空ちゃんのお誕生日千ゲ。なんで誕生日プレゼント天体望遠鏡だったの?ってネタハッピーバースデー ……今年も、この時期がやってきた。
クリスマスが終わり、年が明けて、お正月明けの始まりの日。
正直、一番初めに贈ったものがあまりに大物だったために、翌年以降、何を贈ったらいいものか悩ましくて。
毎年、ギリギリまで悩んでしまう。
そういえば、最初の年の贈り物はなぜ天体望遠鏡だったのか、と問われたことがある。
……深い意味はない。
強いて言えば、彼の千の空という名から、空に向かって手を伸ばして、星まで掴んでしまいそうな。
そんな印象を抱いていたからだ。
しかし、これも改めて口に出すと恥ずかしい。
けれど、その印象は今も変わらなくて。
彼は、星を掴むもの……星の開拓者。
そんな、感覚。
なんとなく、ロマンチックで、ふふっと笑ってしまう。
1105クリスマスが終わり、年が明けて、お正月明けの始まりの日。
正直、一番初めに贈ったものがあまりに大物だったために、翌年以降、何を贈ったらいいものか悩ましくて。
毎年、ギリギリまで悩んでしまう。
そういえば、最初の年の贈り物はなぜ天体望遠鏡だったのか、と問われたことがある。
……深い意味はない。
強いて言えば、彼の千の空という名から、空に向かって手を伸ばして、星まで掴んでしまいそうな。
そんな印象を抱いていたからだ。
しかし、これも改めて口に出すと恥ずかしい。
けれど、その印象は今も変わらなくて。
彼は、星を掴むもの……星の開拓者。
そんな、感覚。
なんとなく、ロマンチックで、ふふっと笑ってしまう。
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DONE眩暈猫間さんのイメレスで勝手に書いてみたやつ
悪夢にうなされるゲとそれをケアする千の話
……今でも、時折思い出す。
失われていく感覚。
目の前で。手が届いたはずの距離で。
それから衝撃があって。
とても、あつくて。
その直後から、急速に温度が失われて。
カラダが重くなって。
意識が、途絶えていく感覚。
最後に目にしたのは、薬品やクラフトで荒れた、ゴツゴツした指先。
いつも温度を分け与えてくれた、あたたかい手。
……いやだ。
( 大丈夫。カレは嘘をつかない)
いやだ。
( いつだって、約束は守ってくれた)
いやだ。
( だから今度も、きっと目覚めて一番に目にするのは、カレの皮肉げな笑顔)
いやだ。
……千空ちゃんを、ひとりにするのはいやだ。どうして、いつも君ばかり。
ああ、でも。
ごめん、もうさむくて、カラダが動かない。
1323失われていく感覚。
目の前で。手が届いたはずの距離で。
それから衝撃があって。
とても、あつくて。
その直後から、急速に温度が失われて。
カラダが重くなって。
意識が、途絶えていく感覚。
最後に目にしたのは、薬品やクラフトで荒れた、ゴツゴツした指先。
いつも温度を分け与えてくれた、あたたかい手。
……いやだ。
( 大丈夫。カレは嘘をつかない)
いやだ。
( いつだって、約束は守ってくれた)
いやだ。
( だから今度も、きっと目覚めて一番に目にするのは、カレの皮肉げな笑顔)
いやだ。
……千空ちゃんを、ひとりにするのはいやだ。どうして、いつも君ばかり。
ああ、でも。
ごめん、もうさむくて、カラダが動かない。
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DONE私とワルツをTLの4コマを題材に書かせていただいたやつ
……なんだか目が冴えてしまって。
仮に作った陣幕から外に出ると、まさに降ってきそうな星空だった。
空を埋め尽くす天の川の煌めきで、地上まで明るく見える。……話には聞いていたが、こうして見るとその輝きに圧倒されてしまう。
北半球では見られない、南十字星やケンタウルス座も見ることができた。
こうして目覚めるまでは、星を見るような余裕すらなかったから、なんだか不思議なノスタルジィに駆られてしまう。
星々の奏でる音が聞こえてきそうな、静かな夜。闇夜を煌々と照らす灯りもなくて。
けれど、ひどく穏やかで。
……なんだか、村を思い出す。
こちらの星も綺麗だけれど、やはり、村で見た星空が。そして、その闇を祓った微かな光が、今でも胸に焼き付いていた。
1092仮に作った陣幕から外に出ると、まさに降ってきそうな星空だった。
空を埋め尽くす天の川の煌めきで、地上まで明るく見える。……話には聞いていたが、こうして見るとその輝きに圧倒されてしまう。
北半球では見られない、南十字星やケンタウルス座も見ることができた。
こうして目覚めるまでは、星を見るような余裕すらなかったから、なんだか不思議なノスタルジィに駆られてしまう。
星々の奏でる音が聞こえてきそうな、静かな夜。闇夜を煌々と照らす灯りもなくて。
けれど、ひどく穏やかで。
……なんだか、村を思い出す。
こちらの星も綺麗だけれど、やはり、村で見た星空が。そして、その闇を祓った微かな光が、今でも胸に焼き付いていた。
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DONEうどんさんの卒業祝いに書いた両片想い千ゲ花吐き病のゲとドチャクソ鈍感な千と巻き込まれうっきょさんの話
『 千空ちゃん、好き好き大好き大愛してる!』
もはや挨拶レベルで彼に向けて口にしている言葉。何かお願いごとがある時なんかに、なるべく軽く聞こえるように。
……そうすれば、そのなかにほんの一欠片。
本当の気持ちが織り込まれていても、このペラッペラの大嘘吐きが言うことだ。
本気にするはずもない。
……でも、嘘で。
愛してる、とは言えないから、大袈裟なオブラートに包んでしまう。
自分の気持ちに気づいたのは、ほんの少し前。何か劇的な出来事があったわけではない。ほんとうに、ふいに。
……ああ、すきだ。
そう思ってしまった。深い深い、胸の奥底から湧き出す感情で。
彼への想いを自覚してしまった。
今の彼に、そんな余裕はないというのに。
3880もはや挨拶レベルで彼に向けて口にしている言葉。何かお願いごとがある時なんかに、なるべく軽く聞こえるように。
……そうすれば、そのなかにほんの一欠片。
本当の気持ちが織り込まれていても、このペラッペラの大嘘吐きが言うことだ。
本気にするはずもない。
……でも、嘘で。
愛してる、とは言えないから、大袈裟なオブラートに包んでしまう。
自分の気持ちに気づいたのは、ほんの少し前。何か劇的な出来事があったわけではない。ほんとうに、ふいに。
……ああ、すきだ。
そう思ってしまった。深い深い、胸の奥底から湧き出す感情で。
彼への想いを自覚してしまった。
今の彼に、そんな余裕はないというのに。
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DONEうどんさんの絶被キスお題てのひらのイメレスで書いた千ゲ。甘い。……何がどうしてこんな状況になっているのだろう。気がつくと、ラボの壁際に追い詰められていた。いわゆる壁ドン状態だ。
目の前には千空がいて。
いつも理知的な光を宿している目が、あかく。どこか熱っぽく、まっすぐゲンの姿を捉えていた。
徐々に詰まる距離に、意外と積極的な態度に。すっかり混乱してしまって、手のひらで軽く押し返すジェスチャーをする。
「 千空ちゃん!ちょっと待って」
「 あ"ぁ?」
言葉に、千空は怪訝な顔をした。……それはそうだろう。きっと、もう。
彼はこちらの気持ちに気づいているのだろうから。こちらからぐいぐい距離を詰めておきながら、逆の立場では及び腰になってしまうなんて、カッコ悪いにもほどがあるけれど。
847目の前には千空がいて。
いつも理知的な光を宿している目が、あかく。どこか熱っぽく、まっすぐゲンの姿を捉えていた。
徐々に詰まる距離に、意外と積極的な態度に。すっかり混乱してしまって、手のひらで軽く押し返すジェスチャーをする。
「 千空ちゃん!ちょっと待って」
「 あ"ぁ?」
言葉に、千空は怪訝な顔をした。……それはそうだろう。きっと、もう。
彼はこちらの気持ちに気づいているのだろうから。こちらからぐいぐい距離を詰めておきながら、逆の立場では及び腰になってしまうなんて、カッコ悪いにもほどがあるけれど。
kirche_is_dcst
MOURNINGHello, world !企画用だったけど間に合わなかったので供養。干空ちゃんと言う光を見つけたゲの話。なんだかんだ根底な気がする。
……その光を見た瞬間。
もう、空っぽのフリなど出来なかった。
「 ……石器時代に電気だよ。ジーマーで」
闇を切り裂く、ほんの一条の。
けれど、たまらなくまぶしいひかり。
目が、眩んでしまう。
こんなものを見せられたら、もう。
惹かれる気持ちを止めることなどできるはずもない。
こんな何もない石器時代にいきなり叩き起こされて。
望まれた役割は、死体の確認。
メンタリストとして、心理や行動を推測してある人物が確実に死んでいるか確かめてほしい。
……なんだそれ。
自分の技術は、そんなことのために身につけたものじゃない。
誰かをびっくりさせて。喜ばせて。
笑顔になってほしくて、それなのに。
こんな、誰も見てくれないなあんにもない世界で、報酬に笑顔も喝采もないお仕事。
1283もう、空っぽのフリなど出来なかった。
「 ……石器時代に電気だよ。ジーマーで」
闇を切り裂く、ほんの一条の。
けれど、たまらなくまぶしいひかり。
目が、眩んでしまう。
こんなものを見せられたら、もう。
惹かれる気持ちを止めることなどできるはずもない。
こんな何もない石器時代にいきなり叩き起こされて。
望まれた役割は、死体の確認。
メンタリストとして、心理や行動を推測してある人物が確実に死んでいるか確かめてほしい。
……なんだそれ。
自分の技術は、そんなことのために身につけたものじゃない。
誰かをびっくりさせて。喜ばせて。
笑顔になってほしくて、それなのに。
こんな、誰も見てくれないなあんにもない世界で、報酬に笑顔も喝采もないお仕事。
kirche_is_dcst
PASTにぶんのいちフォロワーさんとお話してた、ゲとなんでもはんぶんこしたいくちゃの千ゲ。
付き合ってません。
考えてみたら実質プロポーズだし結婚してた?
「 ……おう、それ半分よこせ」
最近、なんだかそう言われることが増えた。
中身は食べ物だったり、作業だったりいろいろだけれど。
今日は、さっき淹れたラテ。
最近冷えてきたからと用意したものだ。
もしかして、はんぶんこがブームなのだろうか。……ふとそう思ってないない、と首を振る。彼は合理性を重んじる人で、流行やブームに流されると言うことがない。
少なくとも、自分が知る限りでは。
「 ……飲みかけだけどいいの?新しいの淹れるよ?」
「 いちいち新しく作るのも非合理だろうが」
まあ、確かに言う通り、作る手間と片付ける手間は二倍になる。
「 じゃあ、千空ちゃんあと飲んでいいよ」
ちょっとぬるくなっちゃったけど。
「 おう、悪いな」
2044最近、なんだかそう言われることが増えた。
中身は食べ物だったり、作業だったりいろいろだけれど。
今日は、さっき淹れたラテ。
最近冷えてきたからと用意したものだ。
もしかして、はんぶんこがブームなのだろうか。……ふとそう思ってないない、と首を振る。彼は合理性を重んじる人で、流行やブームに流されると言うことがない。
少なくとも、自分が知る限りでは。
「 ……飲みかけだけどいいの?新しいの淹れるよ?」
「 いちいち新しく作るのも非合理だろうが」
まあ、確かに言う通り、作る手間と片付ける手間は二倍になる。
「 じゃあ、千空ちゃんあと飲んでいいよ」
ちょっとぬるくなっちゃったけど。
「 おう、悪いな」
kirche_is_dcst
PAST #絶対に被ってはいけない千ゲンkissの企画で書かせていただいたやつ。髪へのキス
百億人はかぶると思ってたけどなんとかぶりなしだった……
「 ……なあ、別に答えなくてもいいんだが」
ふいに思い立って問いかけると、ゲンがこちらを振り返った。
その動きに合わせて、さらりと長い白髪がなびく。
「 うん?どうしたの、改まって」
普段、角度によっては表情を完全に覆ってしまうこの髪が、呼びかけてゲンが振り返る瞬間横に流れて。
毛束が落ち着くまでの寸暇、頬のラインや隠れている耳が覗いて、表情全体を浮かび上がらせる。……この瞬間が、なんだかとても好きだった。
さら、と長い髪を梳いて、指を絡める。
「 この髪は、地毛なのか?」
「 あっ、そっか気になるよね!……うん、地毛だよ。……まあ悪目立ちするし、石化前はずっと染めてたんだけど」
ずっと、と言う言葉から、それが短くない期間であることが窺えた。
867ふいに思い立って問いかけると、ゲンがこちらを振り返った。
その動きに合わせて、さらりと長い白髪がなびく。
「 うん?どうしたの、改まって」
普段、角度によっては表情を完全に覆ってしまうこの髪が、呼びかけてゲンが振り返る瞬間横に流れて。
毛束が落ち着くまでの寸暇、頬のラインや隠れている耳が覗いて、表情全体を浮かび上がらせる。……この瞬間が、なんだかとても好きだった。
さら、と長い髪を梳いて、指を絡める。
「 この髪は、地毛なのか?」
「 あっ、そっか気になるよね!……うん、地毛だよ。……まあ悪目立ちするし、石化前はずっと染めてたんだけど」
ずっと、と言う言葉から、それが短くない期間であることが窺えた。
kirche_is_dcst
DONE悪ノリ千ゲ。013のツイートネタ。深夜に金策してたら情緒が崩壊して変なノリになっちゃった千ゲと巻き込まれギンロちゃんのやつ
「 ……目標額、あとちょっっとなのに、貯まんないねぇ、千空ちゃん…… 」
「 あ"〜……他、なんかねぇのかメンタリスト 」
「 ん〜……考えてるんだけどさあ〜…… 」
薄暗い部屋で、額を突き合わせるくらいの距離で二人は疲れたようにつぶやいて。
そこでぷつんと何かが切れた。
ふと、部屋の奥から秘めやかな声が響いて、銀狼は足を止めた。
ここは、千空とゲンの部屋のはずだが、こんな深夜にまた二人でなにか悪巧みでもしているのだろうか。
二人の密談の内容が気になって、耳をそばだてる。
「 ……ッあっ!……おれ、もう……無理……ッ!」
「 あ"ぁ?無理なわけあるか。……テメーなら、まだまだ余裕あんだろうが」
1295「 あ"〜……他、なんかねぇのかメンタリスト 」
「 ん〜……考えてるんだけどさあ〜…… 」
薄暗い部屋で、額を突き合わせるくらいの距離で二人は疲れたようにつぶやいて。
そこでぷつんと何かが切れた。
ふと、部屋の奥から秘めやかな声が響いて、銀狼は足を止めた。
ここは、千空とゲンの部屋のはずだが、こんな深夜にまた二人でなにか悪巧みでもしているのだろうか。
二人の密談の内容が気になって、耳をそばだてる。
「 ……ッあっ!……おれ、もう……無理……ッ!」
「 あ"ぁ?無理なわけあるか。……テメーなら、まだまだ余裕あんだろうが」
kirche_is_dcst
PASTお互いの虹彩を見比べて見つめ合っちゃう千ゲ付き合ってません
「 虹彩って、一人ひとり色も形も違うんだってね 」
千空ちゃん知ってた?
問いかけると、あ"〜、と即答される。
「 セキュリティなんかにも導入されてんだろ。眼球の虹彩認証 」
「 えっそうなんだ!じゃあ眼球盗まれないようにしなきゃね 」
リアクションに、うわ引くわ〜と返されてメンゴメンゴと笑った。
「 じゃあさ、比べてみよ?最初に鏡で自分の虹彩確認して、そのあと俺と千空ちゃんで見比べるの 」
「 ……あ"〜、確かに他人の虹彩まじまじ見る機会なんざそうそうねぇわな 」
上手く好奇心に火がついたらしく、千空はニヤリと唇を歪める。
まずは鏡を二枚用意して、自分の眼球をよく観察した。
虹彩の色、形、広がり方。
1812千空ちゃん知ってた?
問いかけると、あ"〜、と即答される。
「 セキュリティなんかにも導入されてんだろ。眼球の虹彩認証 」
「 えっそうなんだ!じゃあ眼球盗まれないようにしなきゃね 」
リアクションに、うわ引くわ〜と返されてメンゴメンゴと笑った。
「 じゃあさ、比べてみよ?最初に鏡で自分の虹彩確認して、そのあと俺と千空ちゃんで見比べるの 」
「 ……あ"〜、確かに他人の虹彩まじまじ見る機会なんざそうそうねぇわな 」
上手く好奇心に火がついたらしく、千空はニヤリと唇を歪める。
まずは鏡を二枚用意して、自分の眼球をよく観察した。
虹彩の色、形、広がり方。
kirche_is_dcst
PASTフォロワーさんリクエストの手のかっちりしたゲのお話。微妙にファーストキスネタの続き。付き合ってませんでした。
「 ……ゲンは男としては華奢な方だが、手はカッチリしているのだな 」
ふいに背後から手元を覗き込まれて、仕込袋を取り落としそうになる。
「 うわびっくりした!……藪から棒にどうしたの、コハクちゃん」
「 いや、別段。モヤシだミジンコだと言うので、思ったより手がしっかりしていて驚いただけだ 」
しかし、やはり指は細いし長いな。
などとつぶやきながら、指の形や手のひらの厚さ、皮膚の硬さなどを確認してくる。
若くて可愛い女の子に触られて悪い気はしないが、流石にちょっとどうかと思う。
……なんだか最近、千空ちゃんに似てきたような。
「 うん、手とか指は商売道具だからね。所謂パワー型ではないけど、鍛えてはあるよ 」
俺の手は、岩を割る手じゃなくて人の心の糸を手繰る手だから。
6375ふいに背後から手元を覗き込まれて、仕込袋を取り落としそうになる。
「 うわびっくりした!……藪から棒にどうしたの、コハクちゃん」
「 いや、別段。モヤシだミジンコだと言うので、思ったより手がしっかりしていて驚いただけだ 」
しかし、やはり指は細いし長いな。
などとつぶやきながら、指の形や手のひらの厚さ、皮膚の硬さなどを確認してくる。
若くて可愛い女の子に触られて悪い気はしないが、流石にちょっとどうかと思う。
……なんだか最近、千空ちゃんに似てきたような。
「 うん、手とか指は商売道具だからね。所謂パワー型ではないけど、鍛えてはあるよ 」
俺の手は、岩を割る手じゃなくて人の心の糸を手繰る手だから。
kirche_is_dcst
PAST初期に書いたやつ。イヌホオズキのもうひとつの花言葉の話。ゆずちゃとゲち「 ……ゲン君、よくそのお花使ってるね。お気に入り?」
タネの仕込み中にふいに問いかけられて、振り返る。
「 ああ、杠ちゃん。うん、そうお気に入りなの。イヌホオズキの花だよ」
花の名前を聞いて、杠は得心したような顔で笑った。
「 イヌホオズキ!……ゲン君にぴったりだね!」
……イヌホオズキの花言葉は『嘘つき』。たしかにこれ以上、自分にふさわしい花はないだろう。
しかし、詐術の対象ではない相手にまで無邪気に肯定されると、多少複雑な気持ちにはなる。
「 あはは、でっしょ〜?嘘つきの俺にぴったり」
おくびにも出さず笑い飛ばして見せるが、今度は杠が不思議そうに首を傾げた。
「 うーん?ひょっとしてゲン君が知ってるのと私が知ってる花言葉、違うのかも。
1135タネの仕込み中にふいに問いかけられて、振り返る。
「 ああ、杠ちゃん。うん、そうお気に入りなの。イヌホオズキの花だよ」
花の名前を聞いて、杠は得心したような顔で笑った。
「 イヌホオズキ!……ゲン君にぴったりだね!」
……イヌホオズキの花言葉は『嘘つき』。たしかにこれ以上、自分にふさわしい花はないだろう。
しかし、詐術の対象ではない相手にまで無邪気に肯定されると、多少複雑な気持ちにはなる。
「 あはは、でっしょ〜?嘘つきの俺にぴったり」
おくびにも出さず笑い飛ばして見せるが、今度は杠が不思議そうに首を傾げた。
「 うーん?ひょっとしてゲン君が知ってるのと私が知ってる花言葉、違うのかも。
kirche_is_dcst
PAST初期で気に入ってるやつ。千ゲンファーストキスネタ。「 ファーストキスはレモンの味って聞いたことあるけど、ホントかな?」
女の子って可愛いよな!
ふいにそんな話題を振られて、俺に訊くなという顔で振り返る。
「あ"ぁ?どういう科学的根拠だそりゃ。
つぅか、気になるなら試してみりゃいいじゃねぇか杠と」
どうせテメーのかわいい女の子はそこ一択だろうが。
そう切り返してやると、純朴という表現をまさに体現したかのような幼馴染みは真っ赤になった。
「そそそそんなこと出来るわけないだろう!俺と杠は!まだ!付き合ってないんだから!!」
あ"〜、そうだった。こいつらまだ付き合ってなかったんだった。付き合ってないと思ってんの本人たちだけだけどな。
律儀なこった、と心の中で独白する。
2332女の子って可愛いよな!
ふいにそんな話題を振られて、俺に訊くなという顔で振り返る。
「あ"ぁ?どういう科学的根拠だそりゃ。
つぅか、気になるなら試してみりゃいいじゃねぇか杠と」
どうせテメーのかわいい女の子はそこ一択だろうが。
そう切り返してやると、純朴という表現をまさに体現したかのような幼馴染みは真っ赤になった。
「そそそそんなこと出来るわけないだろう!俺と杠は!まだ!付き合ってないんだから!!」
あ"〜、そうだった。こいつらまだ付き合ってなかったんだった。付き合ってないと思ってんの本人たちだけだけどな。
律儀なこった、と心の中で独白する。