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    さくらい

    さくらい(@kkk_turnA)の企画用ログ。作業進捗もこっちに。自創作系は未定。

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    華軍 響志子丸の過去話メモ

    ・母親が五社学園の出身で、志子丸と志之介も五社への願書が来た時には、それぞれ呼んで「行きたいのであれば止めない、けれど常に心してかかること」と教えられていた。実際入学した後、生と死が隣り合わせであることを思い知り、志子丸は相応に強くなろうと思っていたーー矢先に一人の女の子に一目惚れし、余計に奮起することになる。

    ・一年後に志之介が入学した時も、兄として懇々とこの学園がどういう所かと教えたが、「兄ちゃんが大丈夫やったら僕もいけるって。心配し過ぎやわ~」と志之介はいたって緩い反応だった。実際、志子丸よりも志之介の方が昔から要領もよかったため、学園生活も志之介の方が優秀のように見えた。

    ・半年後に、志之介が契約を結んだと聞いた。何度か見たことはある。同じ玉兎、少し口調が男勝りな女の子--笹喜だった。志之介は「笑いのノリが分かる相方」などと言っていたが、笹喜の方はどうも違う反応を見せていた。志子丸はなんとなく自分と同じやなぁ、志之介相手やと大変やなぁと思いながら自身は単身で戦っていた。相変わらず好きな女の子の所に会いに行きながら。

    ・3年生の春、夕方の下校時に志之介が神の襲撃により死んだことを知る。咄嗟に志之介の契約者だった笹喜の顔が浮かびつつ、志之介のいる病院へ足早に向かう。--志之介には会えた。変わり果てた姿で。色々な感情は湧いては消え、唯一の弟を失った喪失感や悲しみはあったものの、不思議と涙は出なかった。病室の外では、笹喜が俯いたまま背を向けて立っていた。「大丈夫か、」と笹喜に声をかけたものの、笹喜は顔をあげるやいなや、「……弟さん、護れなくて……すみませんでした」とだけ告げて逃げるように志子丸の目の前から去っていった。

    ・また半年後。向日葵イベントの時間軸。志子丸の気がついた時には、目の前に志之介と、笑いあってる笹喜の姿があった。
    「あ、兄ちゃん!なんや怖い顔して。腹でも痛いん?」と、変わらぬ様子で聞いてくる志之介に違和感を感じる。そうそう、いつもこうやって茶化してくるんよな志之介。オレが怒ってもいつも笑かしにくんねん。
    ……いや、オレはなんで今怒ってんの?
    横にいた笹喜は、「ほんまや志子丸パイセン。マジで具合悪そうやけど大丈夫か?」と顔を覗きこんでくる。半年前のあの日から志子丸のことはずっと避けていたはず。なんで今普通に話しかけ……
    いや、半年前のあの日って何?
    「兄ちゃん、今日な、俺らこれから買い物行くんやけど、兄ちゃんも来る?」
    「……あー、いや、…………すまん、志之介」
    ゴーグルをつけ、大剣を握り、笹喜の腕を引っ張り自分の元へ。
    「ちょちょ、志子丸パイセン!?アンタこんなんハニーちゃんに見られたら、」
    「目ェ覚ませササキ、そこにおるんは志之介やない。お前が看取ったはずやろ」
    「……や、だって、そこに……」
    志子丸はその時の笹喜の表情の変化を見逃さなかった。笹喜は分かってて志之介の横にいる。
    「神の仕業か、ほんま手の込んだことしおる。わざわざ傷突いてくるとはな。……なぁササキももう分かってるんやろ。何で抵抗もなんもせんかったん」
    「…………だって、だって志之介は私が殺した、見殺しにした!玉の緒結んでくれって言われてたのに、ッ、怖くて、出来んくて……そのまま、冷たくなるの、見てることしか出来んかった……」
    「阿呆か!!やからってお前が今ここでこのまま死んだところで、志之介が浮かばれるか!!お前のやることは、お前が生きてくことは、"お前のこと守って死んだ"志之介の分まで、ちゃんと生きることになるんちゃうんか!!オレに少しでも申し訳ない気持ちがあるんなら、歯ァ食いしばってでも生きろ!!」

    ・結果として、笹喜の力添えもあり討伐に成功。座り込み意気消沈している笹喜の目の前にしゃがみこむ志子丸。
    志「なぁササキよ」
    笹「…………」
    志「オレと契約せんかね」
    笹「……はい?」
    志「オレはこの先、どーしても生きたい。けど、この先一人はちょっとキツイかもしれん。……やから、オレを助けると思って、契約しちゃくれませんかね」
    笹「……でも、万一センパイが死にそうなときでも、私、結べんかも」
    志「なーーに、オレは元々玉の緒結ぶとかいうの好きちゃうねん。やから、もし死にそうな時はそのまま放っといてえぇよ。あ、形見になってしまうけど、ゴーグルはあの子に渡してほしいかなぁ。……ま、オレは早々に死んだりはせん。そう強く言えるようになるためには、お前の力が必要なんやわ、ササキ」
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