「おかえり、兄さん。」
「ただいま、律。」
「もっと遅くなるかと思った。」
「うーん、楽しかったけど流石に疲れたよ。朝からずっとだったし…。」
今日の茂夫は朝から祝われ通しだった。午前中は霊とか相談所、午後は高校の友人達とカラオケで騒ぎ、夕方からは中学時代の部活仲間がファミレスで祝ってくれたのだ。
「兄さんは人気者だから。」
そう言って笑う律の顔は小さい頃アニメで見た猫みたいだ、そう茂夫は思った。律は時々こういう顔で茂夫をからかう。それは最近になってからの変化のような気がするし、本当はずっと昔から変わらないような気もした。
「今日の夕飯ちょっと豪華でローストビーフと角煮があったんだよ。兄さんいないのにね。」
「えーいいな、食べたかった。」
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