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    だいだ

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    だいだ

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    大人モブ律でメイドの日

    「お帰りなさいご主人様!」
    「律?その格好どうしたの?ごしゅじんさま…?」
    困惑に眉を顰めながら茂夫は聞いた。茂夫と律が二人暮らしをしている部屋の玄関で、茂夫を出迎えた彼の弟はフリルの付いた白いエプロンに胸元に大きな白いリボン、頭にはこれまた白いフリルのカチューシャに紺の膝丈ワンピース…いわゆるメイドさんの格好をしていた。
    「う…そう返されると恥ずかしいな。メイドならご主人様かなって思って。さすがにこの年で女装は無理あったかな…」
    そう言いながら律はスカートの裾を掴んでヒラヒラさせた。ちょうど膝が隠れるくらいの長さのスカートは、そうすると膝が見え隠れする。ずっと膝が見えてるよりえっちだな。茂夫はそう思ったが特に言わなかった。
    「律は似合ってるよ…それでどうして急にメイドなの?」
    「似合ってはいないでしょ。中学の時ならまだしも…。今日はメイドの日なんだよ兄さん。マンネリ防止に丁度いいと思ったんだ…どうですかご主人様。」
    またご主人様。茂夫は律にそう呼ばれると落ち着かない気持ちになった。たぶん悪い方向で。自分が律に兄以外の呼ばれ方をするのは…なんだか変だ。それにマンネリ防止ってどうしてだろう。そういうのは恋人や夫婦が相手に飽きないためにやるものではないだろうか。茂夫と律の兄弟が、一般的な兄弟の範疇に収まらなくなってから既に何年も経っているが、茂夫は律に飽きた事などないし、律が自分に飽きるとも思えない。頭のいい茂夫の弟は、たまに茂夫には理解出来ない事をする。

    茂夫が不思議に思っていると、律ははぁ、とため息を一つ吐いた。腕を背中にまわしメイド服を脱ぐためにチャックを掴む。
    「え?もう脱いじゃうの?せっかく着たのに…」
    「だって兄さんこういうの好きじゃないんでしょ?…いや、勝手にこんな格好した僕が悪かったよ。」
    茂夫は背中にまわした律の腕を掴むと手前にひきメイド服を脱ぐことを阻止した。
    「嫌じゃないよ!あ、でもご主人様は嫌だな。なんか落ち着かないんだ。」
    「…うん、わかったよ兄さん。」
    「それとずっと気になってたんだけど……スカートの下、なに履いてるの…?」
    茂夫が思い切って聞いてみると、律は驚いて目をぱちくりとした後、ゆっくり…なるべく分かりやすく大きな笑みを作る。
    「…自分で確かめてみる…?兄さん…。」
    そう言いながら律は茂夫の頬を両手で包み込んで顔を近付けた。
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