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    ふすまこんぶ

    @Konbu_68
    ワンクッションイラスト/小説置き場

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    POIPOI 76

    ふすまこんぶ

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    新クーデター時空の将軍×治安大臣。
    記憶喪失ネタです。

    G・G(1)ギルモアが交通事故に遭った。
    そう聞いたのは、ピシア本部に向かおうとした時だった。クーデターの後始末のため、将軍であるギルモアと口論じみた会議をするのはいつものことであり、今日もそのために資料を揃えていたのだが。
    「命に別状は無いそうなのですが、その……」
    口ごもった部下の、その先の言葉を聞いて、ゲンブは驚きに目を見開いた。

    「だから、全員知らんと言っとるだろうが!」
    病室の扉を開けた瞬間、聞き慣れた怒号が耳に入る。
    「あ、ゲンブ大臣!」
    部屋の中で一斉に振り向いたのは、大統領に補佐官、そしてピシア長官と副官。小さな大統領に手招かれ、ベッドのすぐ側まで近寄る。
    「この人も記憶にありませんか?」
    傍らのパピが問う。ベッドに横たわっていたのは、体のあちこちに包帯やガーゼの処置を施された老人──ギルモアだった。先程の怒号の主は、こちらを見るとひどく不機嫌そうな顔で告げた。
    「誰だ、そいつは」

    証言によると、信号を待つ歩行者の群から突然ギルモアがよろめくように飛び出し、そこを車に跳ねられたらしい。幸い大きな怪我はなかったものの、今までのことをずっかり忘れてしまったようだった。クーデターのことも、部下の顔も、自分の名前も、何もかもを。事故の衝撃故か、精神的なものかは分からないというのが医者の見解であった。
    勿論仕事ができるはずもなく、当分は休職してもらい、回復の見込みがなければそのまま退任という結論に落ち着いた。ギルモアが抜けた穴は大きく、その埋め合わせのためにドラコルルとゲンブは一層多忙を極めることとなった。
    疲労に背を丸め官邸の廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
    「ゲンブ大臣」
    振り向けばパピ大統領が執務室から顔を覗かせていたところだった。
    「大統領、どうしました?」
    「疲れているところに申し訳ないのだけど、頼みがあるんだ」
    「頼みですか?」
    ゲンブは自慢の髭を撫でた。
    「ギルモアの様子を見に行ってくれないか?」
    「ギルモアの!?」
    髭から手を離してゲンブは叫んだ。
    「彼は一人暮らしだろう? 記憶を失くしたばかりだし、心配なんだ。私が行けたら良かったんだが、生憎今月は予定が詰まっていて……」
    目の前の少年が大のつく程お人好しなのは、幼い頃から見守ってきた自分が一番良く分かっている。断れば、意地でもスケジュールを空けて行くだろうことも予想がついた。
    とはいえ、上司であり、我が子のように可愛がってきた少年の頼みとあればゲンブに断る理由はない。
    「分かりました。今週中に様子を見に行って参りますよ」
    「ありがとう大臣!」
    にっこりと無邪気な笑みを浮かべたパピに、やはりまだ子供らしい一面もあるようだとゲンブは目を細めた。



    ピンポーン、とチャイムを鳴らす。ギルモアの家、というのでてっきり無駄に凝った外装の、成金が好みそうな豪奢な屋敷を想像していたが、実際は驚く程シンプルな住まいだった。ぐるりと邸宅を取り囲む塀の中にちらりとガーデニングが見える。雪が降れば霞んで見えなくなりそうな、淡い水色の住居だ。本当にギルモアの家かと何度も住所を確認したが、どうやらここが目的地らしい。表札も流れるようなフォントでちゃんと「ギルモア」と刻まれている。
    返事がないのでもう一度チャイムを押す。だがインターホンはウンともスンとも言わない。
    まさか居留守を使っているのか、と思いかけたその時。
    「何者だ」
    背後から鋭い声が聞こえた。振り向くと目当ての人物が険しい顔つきでこちらを見ていた。手に買い物袋を持っている。
    居留守ではなく、買い物に行っていただけのようだ。
    「病院で会っただろう、覚えていないか?」
    ギルモアはうんざりしたような顔をして「さあな」とぶっきらぼうに返した。
    その表情も言葉遣いも確かにゲンブの知るギルモアで、記憶を失くしたとは到底思えない。
    「邪魔だ、どけ」
    門に近づいたギルモアに押しのけられる。ゲンブはその足取りに違和感を感じた。まるで右足を庇うような、ひょこひょことした歩き方をする老人の二の腕を掴む。
    「待て」
    ギルモアは眉間に皺を寄せて振り返った。
    「大統領からおま……あなたの様子を確認するよう言われている。怪我の具合も知りたい」
    ついいつもの癖で強気な言葉を使いかけるが、今の彼にとって自分はほぼ初対面であることに思い至り、訂正した。
    「色々と聞かなくてはならないものでな……家の中で話を聞けると有り難いのだが」
    ギルモアはゲンブの顔を見て、そして視線を外し、また見て大きくため息をついた。

    ゲンブがギルモアから聞き取った、ここ最近の生活は、平凡な老人の1日そのものであった。朝早くに起き、家の中をダラダラとして過ごし、買い出しなど用があれば外出する。ただ、やはり記憶は戻っていないらしい。
    「怪我は完治したと聞いたが、まだ足が痛むのか?」
    この家に2人分の椅子はなく、ゲンブとギルモアは並んでリビングのソファに座っていた。
    ギルモアはゲンブの問いには答えず、疲れの滲んだため息を漏らすばかりだった。ピシア長官のあの男ならそれだけでギルモアの意を汲みとれたのかもしれないが、生憎そこまで付き合いは長くない。
    右足が痛むんじゃなかったのか。まだ本調子でないならば外出も控えて、買い物も配達で済ませれば良いものを。
    そうギルモアの右足を見ると、ちょうど膝のあたりに小さく、薄い赤色の染みができていた。
    「……膝、どうしたんだ?」
    そう尋ねると、ギルモアも自らの右膝に目線をやった。気づいていなかったのか一瞬驚いた顔をして、ズボンを捲り上げる。
    膝全体に、強く擦った痕ができていた。ズボンについたのはそこから滲み出した血液だったらしい。
    「怪我をしているじゃないか!」
    ゲンブは思わず立ち上がった。
    「おい、救急箱はどこだ!」
    「これぐらい後で──」
    「今すぐ手当が要るだろう! むむ、これだな」
    部屋の中をざっと見渡したゲンブは、壁際のラックに置かれた白い救急箱を発見した。慌ててギルモアの元へ駆け戻り、テキパキと消毒、止血を行う。まだあの姉弟が幼かった頃に、時々手当てしてやったように。
    「転んで怪我をしたならそう言え。結構痛いだろう、これは」
    またしてもギルモアは押し黙ったままだ。我慢強いのは悪いことではないが、せめて自己の状態ぐらい正直に申告して欲しいものだ。
    「あまり膿むようなら、ちゃんと毎日消毒した方が良いぞ」
    小言のようなアドバイスのような、そんな言葉を言いながらゲンブは救急箱を片付けた。
    「では、私はそろそろ」
    ギルモアの様子を確認するという目的は達成した。ソファにかけた上着を手に取ると、ようやくギルモアは口を開いた。
    「帰るのか?」
    「もう用事は終わったからな。また来週、同じ時間に確認に来て良いか?」
    「……分かった」
    見送りに来たギルモアに、「また来週」と軽く手を上げ、ゲンブはギルモア邸を後にした。

    翌週、再びギルモアの家を訪れたゲンブは、ソファに座って目をぱちくりとさせていた。
    湯気の立つコーヒーと甘味が置かれたテーブルを見て、次に家主に目を向ける。
    「何だ?」
    「いや、その……」
    まるで客人としてもてなされているようじゃないか。そんな言葉を飲み込んで、コーヒーカップに手をかける。
    「来る日付と時間が分かっているのに、何も用意せん訳にはいかんだろう」
    ギルモアは自分の分のコーヒーを手に持ちながらソファに腰掛けた。2人同時にコーヒーを啜る。ゲンブには少し熱かったが、これがギルモアの好む温度なのだろう。
    「足の具合はどうだ」
    「風呂の時に染みるぐらいで、痛みはもうない」
    「それは何よりだ」
    ゲンブを玄関で出迎え、リビングへ案内するギルモアの足取りはしっかりしたものだった。ちゃんと治りつつあるらしい。
    「先週と何か変わったことは?」
    「何も」
    「記憶も思い出さなかったのか?」
    「何も思い出しとらん」
    「そうか……」
    このままギルモアの記憶が戻らなかったら、いよいよ将軍を正式に辞めてもらうことになる。
    今は凍結中のあの計画もこの計画も、ギルモアが復活しなかった場合のことを本格的に考えなければならない。各方面に指示やら依頼やら出して……そうだ、ドラコルルに確認しなければならないことが……。
    考えを巡らすだけで胃が痛む気がした。
    「……そういえば、お前の名前は何なんだ? 確か大臣とか呼ばれていたような覚えがあるが」
    ギルモアの問いに、現実世界に引き戻される。そうか、そう言えば記憶を失ったギルモアにはきちんと名乗っていなかった。
    「すまない、忘れていたな……私はゲンブ。治安大臣を務めている」
    「治安大臣……ふうん」
    ギルモアは最後に残ったコーヒーを飲み干した。
    「前のワシと面識があったのか?」
    「まあ」
    面識があるどころかお互い敵対し、こちらはギルモアのせいで何度も死にかけた、などとは言わないでおこう。向こうが覚えてもいない出来事を語っても困惑させてしまうだけだ。言葉を濁してゲンブは答えた。
    「仕事で会うだけの間柄か?」
    「そうだな、プライベートで会ったことはなかった」
    そもそもが宿敵同士。クーデターが収束した後でも、話し合いの席で毎回不機嫌そうな顔を向けられ、個人的に関係を持ちたいと思えるだろうか。
    ちらりと横目でギルモアを見る。考え込んでいるようだったが、何か思い出したというわけでもないらしく、息を吐いてソファに背を預けた。
    「……ゲンブがこうやってウチに来るのも、仕事の一環なのか?」
    突然名を呼ばれ、ゲンブの心臓が跳ね上がった。いつも苛立ったような声で役職名を呼ばれることしかなかった。まさか、この男に穏やかな口調で名前を呼ばれる日が来るとは。
    ちらりとギルモアの横顔を見る。何を考えているのかよく分からない。だが、俯いた瞳はどこか寂しそうにも見えた。
    「ううーん、仕事ではあるが、仕事ではないというか……」
    治安大臣としての仕事、というよりはパピからの頼み事をこなしているという方が近いだろうか。
    「大統領にお前の様子を報告してはいるが……仕事という程のものでもないし、まあ、ほとんどプライベートだな」
    そう答えると、ギルモアの表情がほんの少しだけ、柔らかくなったような気がした。



    パピへギルモアの様子を報告するのは今日で6度目だ。初回とほとんど変わらない内容を告げると、いつもと違う返事を返された。
    「今までご苦労。来週は私が行くけど、その後は違う人に頼むことにしたよ」
    「え……?」
    次回も自分が行くものだと思っていたゲンブは、ぽかんと口を開けた。
    ずっと、自分がギルモアに会いに行くのが当たり前のように思っていた。熱いコーヒーと菓子を飲み食いしながら、穏やかな時間を過ごすのがいつの間にか習慣となっていた。
    そもそもパピの代わりとしてギルモア邸を訪れていたことなど、すっかり忘れていたのだった。
    「大臣も忙しいだろう? 今まで任せっきりですまなかった」
    「あ、いえ……」
    大統領は申し訳なさそうに笑った。
    一方、煮え切らないような返事をしたゲンブは、心の中にぽっかりと穴が空いたような心地がしていた。

    また来週、とギルモアに言ってしまったな。
    いつもならギルモア邸で過ごす時間だが、ゲンブは自宅でひとり、ソファの上に寝転がっていた。
    ギルモアの家は知っているが、連絡先は知らない。次回から担当が変わることを教えてやった方が良いだろうか、でも、ただ様子を見に行っていただけの自分がそこまでする理由もないように思えた。
    今日はパピ、その次からは誰か他の者がギルモアの家を訪れる。彼らはきっと、あの熱いコーヒーと甘味を振る舞われて、話をして……。
    胸の奥に、チリ、と焼きつくような痛みが走ったその時。
    連絡用端末から通知音が鳴った。
    「パピ?」
    画面に映し出されたのは着信を知らせる通知だ。通話ボタンを押し、ゲンブは「もしもし、パピ?」と口を開いた。
    『ゲンブ大臣! 急で悪いんだが、今からギルモアの家に来てくれないか?』
    珍しくパピが焦っている。とにかくギルモア邸に向かわなければ。
    お気に入りのコートを羽織り、ゲンブは家を飛び出した。

    ギルモア宅に到着したゲンブが見たのは、門の外側に立つパピ、そして内側で苛立った顔をしているギルモアだった。
    「大統領! 何があったんです?」
    急いで走ってきたため、息を切らしながらゲンブは尋ねた。だが真っ先に答えたのはパピではなかった。
    「お前、嘘をついたのか!」
    久方ぶりのギルモアの怒号だ。記憶を失っても威力は全く衰えていない。ゲンブはそちらに向き直った。
    「待ってくれギルモア、その、私が勘違いしていて」
    ギルモアはキッとゲンブを睨みつけた。
    「元々、今まで代わりで来ていたんだ。大統領と話し合って今回から──」
    言葉の途中で、恨みのこもった目つきを向けられる。
    「来週も来ると、そう言った癖に……!」
    ギルモアは怒っている。それはゲンブにも分かる。だが、想定と違う人間が来たことに対して、そんなに怒りを感じるだろうかと不思議に思わずにはいられなかった。
    記憶を失う前から、自分の思うスケジュール通りに進まないと不機嫌になる男ではあったとはいえ、どこか腑に落ちない。
    「ギルモア将軍、今日は大事なお話があるので私が来たのです」
    ゲンブもギルモアも、パピの方に視線を向けた。
    「あなたの今後について……ゲンブ大臣共々、中へ入れていただけますか?」
    ギルモアはしばし押し黙ると、やがて諦めたようにゆっくりと門を開けた。

    冷めたコーヒーを啜りながら、ゲンブはパピの話を聞いていた。ソファには端から順にパピ、ギルモア、ゲンブと座った。
    明日でギルモアには正式に将軍の任を退任してもらうこと、そのために一度官邸に来てもらう必要があること、等々。
    幾分か落ち着いたらしいギルモアは、相槌も打たずにずっとパピの話を聞いていた。
    「ただ、あなたの様子を確認するために月に一度訪問員が来ます。それだけご了承ください」
    そう少年が言うと、ギルモアは俯き気味だった顔を上げた。
    「訪問員……とは……」
    「警察か役所に頼もうかと」
    「……ゲンブは、来ないのか?」
    「私か?」
    ゲンブはコーヒーカップをローテーブルの上に置いた。
    「まあ、今までは大統領の代わりだったからなあ。ちゃんと訪問員が来るならば、そちらに任せた方が良いだろう」
    それはまごうことなきゲンブの心からの意見だったが、どこか胸がチクリと痛むのもまた事実であった。
    「……もう、ここには来ないのか?」
    ギルモアの震える声に、ゲンブは顔を上げた。どこか怯えたような、寂しそうな目で見つめられる。
    記憶もなくし、たった1人で暮らすこの男は、他人との交流に飢えているのかもしれない。
    週に一度の、様子の確認という名の雑談は、自分にとっても存外心地よい時間だった。ギルモアに続けたい意思があるのならば。
    「様子の確認は訪問員に任せるとして、私は……週に一度、コーヒーと菓子を頂きに来ますかな」
    髭を撫でながら言うと、ギルモアの顔がパッと明るくなった。が、すぐに取り繕うように口を横に結び、「そ、そうか」と呟いた。
    こいつも、寂しいなどと思ったりするのだな。
    ゲンブは黒い髭の下で小さく笑みを浮かべた。

    翌日、ギルモアの将軍退任の手続きは滞りなく行われた。
    ゲンブと、それからピイナも一応その場に立ち会うこととなった。1ヶ月ぶりに軍服を着たギルモアの雰囲気や歩き方は、記憶を失う前と何も変わらなかったが、動作の端々に困惑が見られた。ギルモアにとって官邸は全く知らない場所であり、就いた覚えのない役職を辞するという事態に困惑していたのだろう。
    書類に同意のサインを記入し、パピが書類の受理を宣言する。その後はドラコルルの誘導で大統領の執務室を出て行き、部屋にはパピとゲンブ、ピイナが残された。
    「何だかしおらしいギルモアって新鮮ね」
    ピイナの言葉にパピは苦笑いを浮かべた。
    「しおらしいって……」
    「最近のアイツはずっとあんな感じですぞ」
    ゲンブがそう言うと、パピは書類に目を落とした。
    「あれが、ギルモアの本来の姿なのかな」
    「本来の姿?」
    ピイナが問い返した。
    「多分、記憶を失っても本質は変わっていない……」
    パピは、ギルモアから受け取った書類の1番下に目を向けた。角張った署名は、これまで何度も目にしてきたものと何も変わらない。
    「生まれ持った性格はもちろんのこと、これまでの人生で培われてきた性格というのは、例えその記憶を失ったとしても無かったことにはならない……お医者さんから、そんな話を聞きました。だから、記憶を失った人が以前と別人に見えても、それは、以前その人が見せていた面と違う面を見ているに過ぎないと」
    「……どの人にどんな面を見せるかは、それまでの経験で判断するから、ですか?」
    ゲンブは尋ねた。
    「今までギルモアが私たちに見せていたのは、敵同士だった人間に見せる顔……でも、ギルモアは私たちと敵対していたことを忘れてしまった。情報として知っているかもしれないけど、実感はないはず」
    パピがそう言うと、ゲンブの脳裏にギルモアの顔が浮かんだ。
    クーデター中に何度も見た、獲物を狙う獣のように鈍く光る目。全てが終わった後の、怒りと憎しみのこもった眼差し。
    事故に遭って記憶を失ってからの素っ気ない態度。転んで怪我をしても何も言わず耐える姿。
    もうゲンブが家に来ないかもしれないと気づいた時の、寂しそうな表情と、また来ると告げた時、一瞬だけ見せた嬉しそうな顔。
    それはギルモアというサイコロが見せる、別々の面。だが最も素に近いのは、記憶を失ってからの表情ではあるまいか。
    自分は今、ギルモアの内面に踏み込みつつある。それも、彼が全ての記憶を忘れてしまってからという不思議なタイミングではあるが。
    親交を重ねたその先に、彼はどのような顔を見せてくれるのだろう。
    楽しみなような、不安なような。そんな感情を胸に、ゲンブは小さく微笑みを浮かべた。(続)
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