未定 給料日直後の週末の夜はバイト仲間との飲み会。絶対参加ではないそれは、杉元がこの配送センターで働き始めた時には既に習慣化していた。
師走まであと数日。配送センターはいつも以上に忙しくなる時期だ。そのためか、たまたまなのか、風男に比べて参加者が多かったように思う。
いつもの居酒屋の、いつもの飲み放題付コース。たくさん笑って飲んで食べれば、それなりに楽しくて。十人を超えて始まっまたはずの飲み会は、気が付くといつもの飲み仲間の四人にまで減っていた。
その内の一人が乗り換えの終電がなくなると言い出し解散となった。駅まで数分の距離を酔いを冷ましつつ歩けば、誰かが「雨が降りそうだな」と言う。降られる前に家に着きたいなと、杉元は思ったものだ。
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