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    於花🐽

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    於花🐽

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    メイドコスサマ×イチ
    攻めの女装

    ##サマイチ

    ありのまま今起こっている事を話すと、三ヶ月ぶりに恋人に逢いに自宅を尋ねたらその恋人が玄関でメイド服を着て仁王立ちして自分を出迎えてくれた。何を言っているかわからないと思うが一郎にも解らない。
    「おかえりなさいませ、クソ野郎のご主人様」
     声低っ。捲し立てる早口すごっ。
     ミニスカメイド服から伸びる白い脚は白のニーハイソックスを穿いていて、絶対領域が眩しい。
     胸の谷間がのぞいている。おっぱいの谷間ではなく胸筋の谷間だけれども。
     触角? 双葉ちゃん? は残しつつも短い髪は一応ツインテールだ。リボンの髪止めは可愛い。
    「ただいま……?」
    「おう、今日は俺様メイドがしーっかりお世話してやんよ」
     メイドコスの恋人様がお怒りなのが伝わってくる。
     言い訳は聴いてくれなさそうだが、一郎が恋人に会えないぐらい関東近辺の様々なメイド喫茶に通いつめていたのには訳があるのだ。依頼だったのだ。決して趣味でメイドさんに会いに行っていた訳ではない。
     粘着質な迷惑な客をどうにかしたいと依頼があったのは三ヶ月前の事だ。
     依頼主はメイド喫茶を経営するオーナーの組合だった。
     その迷惑客というのは様々な店で出禁になるような行為をして、出禁になったら別の店に移るという業界では要注意人物とされる客だった。
     あまりにもその行為は目に余り、とうとう警察沙汰にまでなって書類送検されて罰金刑に処されたが、それに懲りずまた店に来始めたのだという。
     警察沙汰になっても懲りないという事で一郎に依頼がきた。
     その客はメイドの女性スタッフには強気で嫌がらせをするが、男性スタッフ、特に自分より大柄な男性が注意すると大人しく逃げて行くのだという。
     メイド喫茶に必ずしも男性オーナーや男性スタッフが在中しているわけではない。だから一郎に様々な店に出入りしてもらって、その迷惑客に目を光らせて欲しいとの事だった。スタッフだけでなく、男性客でも自分より体格のいい人間がいるとそれほど強引な行動には出ないらしく、その点、一郎は平均的な男性よりはガタイが良く今回白羽の矢が立ったのだ。
     一郎はその依頼の為、別の依頼の合間合間にその客が現れそうなメイド喫茶にこの三ヶ月間通い詰めた。
     仕事の内容はいくら恋人といえど話さない。それはお互いにそうだった。
     ヨコハマ近辺のメイド喫茶にも来ていたし、三ヶ月もの間様々なメイド喫茶を訪れ続けていたら噂にもなるだろうし、それは左馬刻の耳にも入るだろう。
     けれどまさか左馬刻自身がメイドさんになるとは思わなかった。
    「何してる。靴脱げや」
     一郎はすごすごと言葉に従った。
     そうすると左馬刻は一郎の体を抱えた。横抱き、いわゆるお姫様抱っこだ。
    「ちょっ! 左馬刻っ?」
    「一郎ご主人様は今日はなーんもしなくていいでちゅからね」
     まず連れていかれたのは洗面所だ。
    「帰ったら手洗いうがいな」
     洗面台の前で下ろされると、左馬刻は一郎の後ろに立った。
     後ろから抱きしめるように手が伸びて、蛇口のレバーを下ろす。その手はそのまま一郎の手を包み、流れるお湯の中に手を入れられる。手が充分に濡れると、片手はお湯を止めてハンドソープを手に取った。
     ぬるりと手が手の甲を撫でる。
     ぐちゅぐちゅと音を立てながら手が泡に包まれていく。
    「……っ」
     ソープに包まれた指が指の間、指の先の爪の間を滑っていった。くすぐったいだけではない。手を洗われてるだけなのに何故かいやらしい。
    「綺麗ななったかぁ?」
     再びお湯を出して泡が流される。その間も一郎は自分で手を動かす事はなく、左馬刻の手が一郎の手を撫でこする。
     泡を落としきるとタオルで水気を拭われる。
    「うがいは自分でする!」
     一郎はさっとタオルから手を引くと洗面台のコップを手に取りうがいを済ませた。
    「ご主人様がそう言うならいいぜ?」
     だがうがいが終わるとすぐさままた抱えられた。自分で歩くと言うタイミングを逃した。
     次に連れていかれたのはリビングで、テーブルの上にはこれ見よがしにプリンが置かれていた。
     一郎はプリンの前のソファーに座らされる。
     左馬刻は一郎の太腿の上に腰を乗せる。
    「ほら、いただきますしたらあーんしてやる」
     顔がいいけど怖い。顔は凄くいいけど。
     プリンの器を取ると、左馬刻はスプーンいっぱいにプリンの半分くらいを掬った。多過ぎないか。
     それに膝の上に乗るのはメイド喫茶ではない。太腿の上は安定感が悪そうで一郎は左馬刻の腰を抱く。
    「……えっと、いただき、ます」
     一郎が口を開くとプリンが突っ込まれる。
     スプーンに盛り過ぎたプリンは一郎の口から溢れ落ちた。
     こちらも大きく口を開いた不慣れなメイドさんはスプーンを持つ手を引くと、べろりとその舌で一郎の口から溢れるプリンをさらっていった。
     そしてそれからぢゅっと一郎の唇も吸っていった。
     このメイドさんエロいな。
     一郎はニーハイソックスのゴム部分と皮膚の境目を撫でた。
     そのまま手を滑らせるとスカートの裾を持ち上げた。
     わお! 紐パンではないか。
     一郎はごくりと唾を呑み込んだ。
    「おいおいご主人様、おイタは高くつくぞ?」
    「恋人割引ねぇの?」
    「支払いは身体でまけてやんよ」
     一郎はこの服着たまま正常位で抱いて欲しいと思ったが、きっとこのメイドさんは意地悪なので言っても叶えてくれないだろうなと思うのだった。
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