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    花月ゆき

    @yuki_bluesky

    20↑(成人済み)。赤安大好き。
    アニメ放送日もしくは本誌発売日以降にネタバレすることがあります。

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    花月ゆき

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    恋人未満(赤→安)の赤安。降谷さんは自覚なし。捏造多々。
    Day2、3に続きます。

    Day2:https://poipiku.com/1436391/9733562.html
    Day3:https://poipiku.com/1436391/9736950.html

    #赤安
    #赤安ワンナイト・ドローイングアンドライティング

    Day1お題「体温」 定時過ぎ。帰り支度をする自分のもとに、赤井がやってきた。赤井はあの赤色の愛車で来ていたはずだが、今日は電車を使って帰ると言い出した。自分と同じように赤井も徹夜が続いていたため、運転は危険と判断してのことだろう。
     傘をさすほどではないが、小雨が降りはじめている。吐く息が白色に染まり、ぐっと外気の寒さが増した気がした。防寒対策はしっかりしているので気持ちの問題かもしれないが、身体の底から温もりが失われてゆくような心地がする。
     駅に着くと、電車が止まっているようで、駅構内が大混雑していた。復旧見込みは現時点では不明。寒さと人の混雑。徹夜続きの身体には、なかなか堪える状況だ。
    「電車が動くまで、僕は喫茶店にでも入ろうかと思います。あなたはどうします?」
    「喫茶店でもどこへでも、君と一緒に行くよ」
     警察庁に戻って愛車で帰る、と言い出すかと思ったが、赤井は自分に付いてくるつもりらしい。
     降谷はしばらく考えて、駅からほんの少し離れた老舗の喫茶店はどうかと赤井に提案した。駅の近くの喫茶店は、自分と同じようなことを考えている人間で混雑している可能性が高い。少し歩くことにはなるが、待ち時間は少ない方がいい。そう告げると、「君の好きなところに行くといい」と赤井は言った。
     二人並んで、小雨の降る道を歩いていく。ふと近くにあるコンビニが目に入った。そのコンビニの前では、「寒い~」と女子高生が声を上げている。コンビニから外に出てきて、外の寒さに思わず声が出てしまったのだろう。その隣には、恋人と思わしき男子高生の姿もあった。
     なんとなく目で追っていると、男子高生が女子高生を真正面からぎゅっと抱きしめるのが見えた。思いがけない展開に、降谷は思わず歩みを止めてしまう。女子高生も驚いたようで、きゃっと声を上げたが、しだいにうっとりとした表情をみせはじめた。「木村君、あったかいね」「まなみちゃんの方があったかいよ」どこか恥ずかしそうにそんな会話を繰り広げる高校生カップルの姿に、降谷は目を細めた。
    「降谷君?」
     赤井に声をかけられて、ようやく降谷は我に返る。コンビニの前を少し速足で過ぎ去ると、赤井も同じように速足でついてきた。再び隣に並んだ赤井に、ふっと緊張が緩む。
    「あの二人、あったかそうで良いですね」
     そう呟いてすぐ、降谷は後悔した。
     組織壊滅のために全力を注がなければならない時期。恋人がほしいなどと思ったことは一度もない。だが、お互いの温もりを分け合うカップルの姿を見て、ほんの少しだけ、心が揺さぶられてしまったのだ。ほんの一瞬だとしても羨望の感情を抱いてしまったことに、降谷は自分自身に対してショックを受けた。
     普段の自分ならば、けっしてこんなことを考えたりはしない。
    「恋人たちの特権、だろうな」
     赤井が静かに呟く。赤井の声音には、なんの感情も含まれていないように思える。だが、赤井の表情はどことなく切なさを帯びているように見えた。その表情が持つ意味に、今は触れてはならないような気がして、降谷は静かに歩を進めた。
     駅から離れるにつれて、道を歩く人の数も減っていく。ふと目の前に白いものが散らつき、降谷は空を見上げる。
     いつしか、小雨が粉雪へと変わっていた。
    「雪、ですね……」
    「ああ。道理で寒いわけだな」
    「ええ。本当に……寒い」
    「君のその格好……防寒対策はできているように見えるが……大丈夫か?」
    「……こうも寒いと、風邪を引いてしまいそうです」
     つい弱音を吐いてしまうのと同時に、寒さでかじかむ手が目に入った。そこではじめて、手袋を忘れてしまったことに降谷は気づく。手をぐー、ぱー、ぐー、ぱー、と、開いて閉じてを繰り返していると、赤井が言った。
    「今日は手袋がないのか」
    「……ええ。忘れてきてしまったようです。指先から冷たさが伝わってきて、いつもより寒く感じるのかもしれません。あなたは平気なんですか?」
     自分と異なり、赤井は防寒できているとは思えない服装をしている。赤井の手は、さして厚くもないコートのポケットの中に突っ込まれたまま。当然、手袋などしていないだろう。
    「いや、寒いよ。日本の冬も、なかなかのものだな」
     そう言って、赤井が苦笑する。赤井は寒さを感じていないような表情をしているが、実のところは違ったらしい。もしかして寒いのを我慢していたのだろうか。かっこつけだな、などと微笑ましく思っていると、ポケットの中にあったはずの赤井の手が、自分の手にそっと触れてきた。
    「なっ……」
     突然訪れた温もりに、降谷は驚く。思わずびくりと身体を震わせてしまった。赤井は楽しそうな表情で自分を見ている。
    「君の手、冷たいな」
    「あなたの手は……あったかいですね」
     冷たくて今にも凍りそうだった手が、ほっこりとした温もりに包まれていく。心地よい、温もりだ。寒そうな服装に反して、赤井の手は熱を持っていた。
    「そうか。では、君が風邪を引かないように、俺の体温を君にあげよう」
     赤井はそう言うと、ぎゅっと力強く自分の手を握りしめてきた。降谷はぶわりと顔が熱くなるのを感じる。
     ただ手が触れているだけだ。そう自分に言い聞かせはするものの、あの赤井と手を繋いでいるという事実に、頭が混乱する。
     自分たちが男女ならばとにかく、男同士でこんなことをしていれば、周囲は奇異な目で自分たちを見るだろう。
    「や、やめてください……もし人に見られでもしたら……」
     そう言いながらも、赤井の温もりを手離したくないと思う自分がいた。自分の冷え切った手が、赤井の熱に包まれて、本来の温もりを取り戻していく。
     抱き締め合っていた恋人たちの気持ちが、ほんの少しだけわかる気がした。たとえ互いに冷え切っていたとしても、人の体温に触れると、身も心も温まる。それが好きな人のものならば、なおさらだろう。
     相手が赤井、というのが奇妙な廻り合わせだと思ったが、赤井以外の人間に温もりを与えられている自分の姿を、降谷は想像することができなかった。
     こんなときでさえも、赤井が自分にとって“特別”なのだと思い知らされてしまう。
     今、触れ合っているのはお互いの手だけ。だが、あの男子高校生のように、赤井が自分を抱き締めてくるようなことがあったとしても、自分は抵抗することなく受け入れてしまいそうな気がした。いや、むしろ、自ら赤井の温もりを求めにいってしまいそうだった。それほどまでに、赤井の体温は、心地よい。
     喫茶店の前に辿り着き、赤井の手が離れる。喫茶店の中は暖房が効いているので、もう大丈夫だと思ったのだろう。
     だが、降谷は、離れた赤井の手をどことなく恋しく感じてしまっていた。しばらくの間、赤井の手を目で追ってしまうほどには。
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    花月ゆき

    DONE入れ替わっている赤安(あかいさんがふるやさんに、ふるやさんがあかいさんに変装してます)と、二人が入れ替わっていることを知らされていないコナン君のお話。

    あかいさんがふるやさんに変装するときに体格の問題が出てくると思うのですが(大→小にするのは難しい)、細く見えるように加工済です(でもよく見たらバレバレ)
    お題『変装』-コナンSide-

     組織は壊滅したが、残党は世界中に散らばっている。その残党集団は日本でも暗躍し、先日、あろうことか日本に滞在しているFBIの捜査官を拉致した。その残党集団のリーダーと思われる男は、変声機で声を変え、日本警察へ電話をしてきた。「ヘンリー捜査官を返してほしければ、ライを寄越せ」と。
     その残党の本当の狙いは、ライ――赤井秀一だった。赤井を確実に捕らえるために、赤井と親交のあるFBI捜査官に狙いを定めたのだろう。
     警察庁の一室には、コナンと降谷と赤井の三人だけで、他には誰もいない。
     つい先程まで、日米合同の捜査会議が行われていたが、捜査の割り振りを行いすぐに散会となったらしい。会議後、コナンは降谷に呼ばれて、会議室のような休憩室のような、用途がよくわからないこの場所へと連れて来られた。中に入ると赤井の姿もあったので、この三人だけで話したいことがあるのだろうとコナンは理解した。
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