彼の人が死んだと聞かされてから早数日。
藍忘機は常に心の臓あたりがざわめき、身体が鉛のように重く感じた。
少しでも物を考えると訳もなく涙が溢れる。
唾を飲み込むだけで喉は焼けるような痛みを訴え、ただ何故私は生きているのだと問いかけた。
彼の人がいないのならば、私に生きている理由などあるのだろうか。
彼の人を守りきれなかった私に生きている意味などあるのだろうか。
彼の人の訃報を藍曦臣の口から直接聞いたとき、耳元で大きな耳鳴りがしたかと思うと何も聞こえなくなった。
あのときの藍忘機は彼の人を想い、無事を祈り続けているだけで生きていられたし、叔父・藍啓仁に言いつけられた面壁が終わり次第、すぐに会いに行くつもりだった。
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