ああ 星が綺麗 肌寒さを通り越して、背筋が凍るほどの静けさと暗闇をたたえた日の夜に僕とサンズは空を見上げながら家路についていた。
月は見えない位置なのが少し残念だけど、ピカリと一際強く光る星が妙に気になって仕方なかった。
歩きながらも星に魅入っていた僕の歩みは自然と遅くなっていて、一歩進んでいた彼がおかしそうに振り向く。
「あの星が気になって仕方ないみたいだな」
「•••あ、うん•••すごく星がキレイだなって思って•••」
「•••そうだな•••」
僕の隣まで戻ってきたサンズは並んで、あの星を見上げた。
「アレは今の時期だと金星かな」
「金星?
こうして見てるとなんだか手を伸ばしたら届きそうだね•••案外地球から近いのかなあ」
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