朝に弱い君のために。 .
まだ重い瞼をゆっくりと持ち上げ、ひんやりとした空気から逃げるように毛布を肩まで引き上げた。
いつもは朝早くからランニングに出かけるルカも、さすがにこの寒さではそうもいかない。
枕の付近をごそごそと探りスマホを手に取ると、眩しい光で薄目になりながら時刻を確認する。どうやらアラームが鳴る数分前に目を覚ましたらしい。得をしたのか損をしたのか。いまいち答えの分からないまま騒ぐ寸前のアラームを止め、ルカは自身の隣に視線を落とした。
こちらに体を向けながら静かに寝息をたて、寒さに背を丸めるかわいい恋人、シュウ。
つんつん、と柔い頬を優しくつつくと、少しだけ開かれていた口がきゅっと小さく結ばれた。そんな子どもみたいな仕草が可愛らしくて、ルカは愛おしそうに目を細める。
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