「水篠ハンター、この後のご予定は?」
「え?特に何もないけど」
「そうですか、では、しがない監視課職員の寄り道にお付き合いいただけますか?」
「えー、まあいいけど」
普段ならば協会の送迎など不要なのだが今回は色々訳あって大人しく乗せられていた。
(まぁ、たまにはいいだろう)
車を運転している道門は表情を変えずに淡々とハンドルをきっている、車内に2人だけなのだから性格も取り繕う必要もないのにいまだに職員対応の喋り方をしてくるのが逆に気味が悪い。
普段ならばもう一段階級の上の職員をつかされるのだが、道門の方がお互い素性を知れているのもあり気楽なのでこちらから指名して今に至っている。
「ずいぶん山の方まで来たな?寄り道ってなんだ?」
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