世の中案外上手くいくさ「さぁて、今日はどいつに勝負仕掛けてやろうか」
野球拳の相手を探してブラブラしてると公園のベンチに座っているナギリが見えた。ちょっとからかってやろうかと思いナギリに近づいた。
「よおー、元気してっか?」
ナギリが俺に気付いてこちらを見る。その顔はいつもの不機嫌そうな顔ではなく、今にも泣き出しそうなくらい落ちこんだ顔をしていた。
「……どうしたんだ?」
これはただ事ではないと、真面目なトーンで話しかける。
「別に……」
「その顔でなんともないわけないだろ? 俺が話を聞いてやるよ」
「お前に話して何になる?」
「話せば気が楽になることもある。ほら、話してみな?」
俺はナギリの横に座った。ナギリは俯いて少し考えたあとに話しだした。
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