おっぱいの日おっぱい。それは幸せの塊。一揉みすれば、日々の悩みなんて消え去り、頭の中はおっぱいの文字に埋め尽くされる。揉みしだき、吸い付き、顔を埋めれば、もうそこは天国だ。
「トニー」
ふと視線を上げれば、スティーブンが片眉を下げ見下ろしてきていた。少し頰が赤い気がする。
「どうした、スティーブン」
「…手」
ぽつりと一言発したスティーブンに、やっと自分の状況を理解する。僕の手が、スティーブンの胸を鷲掴みにしている。
「あ」
「ちょっと痛い…」
スティーブンの声に慌てて、手の力を抜く。優しく揉み揉みしてみれば、やっぱり柔らかい。
「急に掴むから」
「すまない」
目の前に現れたおっぱいを無意識のうちに掴んでしまっていたようだ。さすがプレイボーイの僕。
「…」
「…やわこい」
両手で揉み揉みしてみれば、スティーブンがキョロキョロと視線を彷徨わせた。ぎゅっと服を掴んで、体を震わせる。
「スティーブン?」
「とにっ、あんまり触らないでくれ…」
うるうると見つめられて、僕は彼の上着を左右に開き、光に照らされた白いおっぱいに顔を埋めた。もにゅんと柔らかい弾力と暖かさに包まれる。
「こら、とにー!」
スティーブンの咎める声が聞こえるが、上から下に聞き流し、ペロリと舌で肌を舐め上げた。
「っ…」
そのままチュッと吸い付いて赤い痕を残す。あちこちに吸い付き、痕を散らしていく。視線を逸らせばちょんと小さな突起が、僕の視界に入り込んだ。ふぅっと息を吹き掛ければ、ピクンと彼の体が震えるのがわかる。
「とにっ」
不安そうな声に僕はゴクリと唾を飲み込み、その小さな突起に吸い付いた。
「トニー!」
ドスンと体を襲う衝撃に目を開いた。ベッドから上半身が落ちている。
「大丈夫か?」
「…あれ?」
「枕を揉んでたと思ったら急に転げ落ちて…」
抱きついている枕は確かに形が歪になっていた。なるほど、さっきまでのあれは夢だったのだと察して、僕は盛大な溜息を吐いた。
「どうしたんだ、トニー」
「なぁ、スティーブン…」
「なんだ?」
「僕のお願い聞いてくれる?」
「その体制のままでか?」
スティーブンのつっこみもスルーしながら僕は言う。
「おっぱい揉ませてくれ」
「だめだろ」
素早く帰ってきた彼の言葉に、また盛大な溜息を吐くのだった。