わし様とカルナさんのお忍びの話以前途中まで呟いた気がするけど、カルヨダの生前妄想呟くね。
身分が違うカルナさんを仲間にしたので今まで行けなかったマップがアンロックされたわし様。
カルナさんにねだって下町とかを探検する。カルナさんはなにかあっても自分が守ればいいだけの事なので、ほいほい王子様を下町に連れて行く。悪。
カルナさんが用意した庶民の服に身を包み、見たことのない庶民の市場と人混みにテンションあげあげのヨダナさん。
ちなみにヨダナさんが満足したら、百王子が次の下町ツアーに参加する予定。カルナさん引率大変。
カルナさんはヨダナさんの財布で露店の食べ物をもぐもぐしている。
「わし様も食べたい」
「それは愚行というものだ」(シェードラが作ったものを食べたら御身が汚されるでしょう。そんな事を政敵にバレたら失脚しますよ)
「バレなければいいのだ。じゃあおまえがよこせ」
「いくら偽装しても本質は変わらないぞ」(アンガ王になった私を経由しても、シェードラが作ったものだという事実は変わりませんよ)
「けちー!」
という会話をして人混みを歩いていると
「ヴァスシェーナ!」
とカルナさんを呼ぶ声がします。一人の青年が駆け寄ってきました。
「元気か?おまえ最近偉い人にとりたてられたんだって?」
速攻でたかりに来たと明らかにした青年に、ヨダナさんは面白そうに笑います。
しかも、カルナさんがアンガ王になったと知らない様子(知っていたらこんな親しげに声はかけられない)なのであまり交流がない相手なのでしょう。
「カルナ、こちらの御仁は?」
「──」
ヨダナさんの質問にカルナさんは首を傾けます。心当たりがありません。
それに青年は大げさに嘆きました。
「ひでぇな、友達の友達の…知り合いじゃねぇか」
赤の他人です。
なのでカルナさんは持っていた串焼きを食べるのを再開しました。ちょっと高い串焼きなのでスパイスが効いていてうまうまです。
ヨダナさんはこの手の輩に慣れているのですが、カルナさんの対応が面白いのでご機嫌です。
スルーとか政治の場では出来ないのですが今度やってみようかな。ヨダナさんは悪巧みしました。
一方青年は相手にされてないのがわかって苛ついています。
なので、カルナさんではなくヨダナさんの手をひっぱろうとしました。
「この先にきれいな女がいる店が…」
瞬間。空が見えました。
そこにひょっこりとヨダナさんが顔を覗き込んできます。
「さすがにわし様、美人局は必要ないなぁ。──もっと面白い店ならついていってやってもよかったが」
青年は返事をしようとしますが、体中が痛くて声が出せません。
「おまえ、カルナが武勇に優れていると知っておったからわし様に手を出したのだろう?そこは評価してやるが、わし様に手を出してカルナが黙っていると思ったのか?」
「愚かなのだろう」
カルナの声が聞こえます。
いつも遠くで澄まし顔をしていたヴァスシェーナとは思えない声色でした。
そこで青年はやっと気づきます。
大出世したヴァスシェーナのことをみんな知っているはずなのに、カルナに声をかける者が青年の他にはいなかったことを。
カルナが誰をつれているのか。カルナがここにある食事を食べさせようとしない相手は誰なのかを。
青年の他はみんな知っていたから、客引きもたかり狙いも誰もカルナに声をかけなかったのです。
そして今も、青年が倒れているというのに誰も騒ぎません。
「処理しておけ」
ヨダナさんが言うと、人混みから何人かが現れて青年を引っ張っていきました。
「必要がない者達だ」(私がいるのに護衛などいらないでしょう?)
「こういう時には必要だろう。──食べ物が駄目なら妹に飾りでも買ってやりたい」
案内しろ、という言葉にカルナさんは頷きました。
それが聞こえた装飾関係者は震え上がりました。ヨダナさんの目に止まれば良くも悪くも大騒ぎになるに決まっています。
こっちにつれてくるな!!とヴァスシェーナに目で合図しますが、カルナさんがそれに頓着したかは別のお話。
ちなみに、ヨダナさんが選りすぐった下町の腕輪を妹は喜んでくれました