カルナさんの奥さん妄想カルナさんのクシャトリヤの方の奥さん、すごいよね。という妄想。
■
らぶらぶな夫婦サーヴァントを見かけたわし様。マスターの少年に
「わし様も妻とらぶらぶだったが、カルナ程ではないぞ。こいつときたらどんな宴でも妻を同席させていたからな」
淡白なイメージがあるカルナの意外なエピソードに、マスターがカルナを見るとカルナはドゥリーヨダナを見た。
「そうだな。お前がいる宴には妻は何があっても必ず出ていた。妻はお前を愛していたからな」
「はぁ!??」
絶句するわし様にカルナは続けます。
「お前が彼女の憎い男を破滅させてから、ずっとお前の妻になりたかったそうだ」
「──そいつは誰だ?わし様が破滅させた奴など星の数ほどいるが?」
「聞いていない。だが、妻の身分では王子のお前には嫁げない。だから、スータのオレの妻になったと」
「父親も許可していたぞ」
「妹を殺した男だったそうだ。だから、大罪だろうがお前の役に立ちたかったと」
そこで話が見えないマスターが声を上げた。
「ごめん。文脈的にカルナさんと結婚することが罪のように読み取れるんだけど?」
マスターの質問にドゥリーヨダナは嫌そうに顔をしかめ、カルナは淡々と答えた。
「クシャトリヤの女とスータの男が結ばれた際、女の方が罪が重い。──だから、ドゥリーヨダナがオレの妻を連れてきたのは予想もしていなかった」
「アンガ王には奥向きの采配を取れる妻が必要だろが。…確かに見つけ出すのは苦労したが。」
「お前の敵にまわる時は真っ先に教えろと言っていた」
「──それって、自分が手を下すという意味じゃないよね?」
マスターの質問にカルナは頷いた。
「黄金の鎧も毒の前では無力だ」
「こわっ!」
「いいや、優しい女だった。俺にはすでにスータの妻が居たが、追い出すでもなく親身に対応してくれていた」
「お前の事も立てていたしな。出来た女だとは思っていたが」
「オレには過ぎた妻だった。が、……お前が来る度に大騒ぎしていたのだけは困った」
「ん??」
「絵師を呼んだり、楽師に曲を作らせたり、服に宝石、化粧。…国庫がな」
「わし様、あまり行かない方がよかったのか?」
「それこそオレが責められる」
そう言うカルナの表情がふわりと緩んだのをふたりは見た。
「らぶらぶではないか」
呆れたように言うドゥリーヨダナにカルナは口の端で笑った。
「オレを試すためにイカサマをしたお前の妻ほどではない」
「あれにはわし様もおどろいたのだぞ」
ドゥリーヨダナの妻がカルナとゲームをしていた際、イカサマをしてカルナに見破られた逸話はマスターも知っていた。
「それって、イカサマを指摘出来るか試したってこと?」
「どのように指摘するかでそいつの人間性が分かるな。カルナはど直球に指摘したが」
「手を掴んだのは悪かった」
「あれはなー。わし様じゃなかったら大事になってたぞ。気をつけるように。──例えばマシュ相手とかな」
「な、なんでマシュっ!?」
突然の名前にうろたえるマスターにドゥリーヨダナはにやりと笑った。
「なにはともあれ、らぶらぶなのは良いことだ」