Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    shinyaemew

    @shinyaemew
    訳あってすけべなのはすべてリス限にしてるが、成人検査しかしてませんのでお気軽にリプやらリス限告知ツイやらでそっと挙手頂ければすっとリスインいたします

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 🐈 💕 👏
    POIPOI 77

    shinyaemew

    ☆quiet follow

    ※イベストネタバレ
    ※サイスト未読
    ※とやくんの口調が記憶頼りで色々間違ってるかもしれないすまない
    ※とても眠い(寝ろ)

    ##類司SS

    隠しきれなかった気持ち.
    .
    .


     音楽の授業で閃いた世紀の大作……のプロットを一刻も早く類に伝えようと、教室へ戻る足をいつもの二倍ぐらいの速さで動かす。

    「お!いたいた。おーいる……」
    「神代先輩、来週俺たち4人で参加するイベントについて、少し意見を伺っても大丈夫でしょうか」
    「もちろん。どんなことだい?」
    「こちらが当日のセットリストですが……」

     遠くから呼ぼうとしたら、類の近くにいる冬弥が先に声をかけた。先月のエキストラ代役の一件を経た二人は、だいぶ親睦を深められたようで、先輩でも友人でもあるオレもとても喜ばしく思う。冬弥たちはよくライブに参加しているようだから、その演出で類が役立つことも多いだろう。

    「二人して演出の話か?」
    「司くん!そうだよ。ライティングの演出で少し困っているみたいでね」
    「この間一回神代先輩のアドバイスを取り入れてみたら、今までよりも観客を沸かせることに成功したので、今回も見てもらおうと思ったんです」
    「ふむふむ!」
    「司くんは僕に何か用事かい?」
    「オレは急がないからいいんだ!気にせず続けてくれ」
    「そうかい?すぐ終わらせるから少し待ってて」

     と、類は言ったが、何やらライブハウスの設備の制限がなんちゃらで、二人の話は予想以上に長引いてしまった。オレが一旦教室に戻って教科書を置いてきても、まだ終わらないほどに。もうすぐ次の授業が始まるから、二人に身振りでそれを伝えて、オレは先に席へついた。

     予鈴が鳴って間もなく、廊下を早足で渡っていく冬弥が見えた。直後に類が窓越しにオレを覗いてきたが、「教室へ戻れ」と手を振って返した。新しいプロットはまた昼にでも披露すればいい。

     ……と思ったら、昼はやや予想外なことに、彰人と風紀委員の…確か白石か。が類のところへ訪ねてきて、またもやオレの入る余地がなかった。朝みたいに話に割り込んでも気にされないとは思うが……何となくそうする気が起きず、オレはランチボックスと、プロットを書き込んだノートを持って、独りで屋上へと向かった。







    「教室にはいなかったから、ここかなと思ったら、大当たりのようだね」
    「……類。彰人たちの話は終わったか?」
    「ん?ああ。青柳くんの件の続きだったよ。委員会で忙しい青柳くんの代わりに来てくれたみたいだ」
    「そうか」
    「司くん、今朝何か用事があったんじゃないのかい?昼食を摂りながら聞いても?」
    「……いいや、大したことじゃなかったから、気にするな」

     何で素っ気ない態度を取ってしまったんだオレは。大事な大事な用事があるんだろう。オレたちにとって、一番の。だが、昼までいい感じに仕上げたプロットも、今のオレにはなんだかつまらなく思えてきたから、もう少し練ってから伝えるか。

    「……?」
    「……」

     いつも、二人しかいなくても賑やかな屋上に、珍しく沈黙が流れた。

    「司くん」
    「ん?なんだ?」
    「……今朝から話す機会もなくて、ちょっと寂しくなったんだ。よかったら暫くの間、抱きしめてもいいかい?」
    「な、なんだ急に。恥ずかしいやつめ」
    「だめかい?」
    「お前またそれを……はぁ、どうぞ?」
    「フフフ」

     ちょうど食べ終わったランチボックスを横に置いては、類の方向へ両腕を開いたら、ゆっくり抱きしめられた。

    「…………」

     ざわついていた心臓が、少し穏やかになった気がした。手を類の大きな背中へ回しより体を密着させたら、類の体温に包まれて、それがまた心地よかった。

    「おや、そこに置いてあるのはいつもプロットを書いているノートかな?」
    「……ああ」
    「新作は思いついたかい?」
    「……まだかきかけだが……」
    「かきかけでも構わないから、よかったら読ませてほしいな」
    「…………おう」



     気持ちいい体温から離れ、オレは渡すのをやめかけていたノートを取り、類に渡した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕😍💖👏👏👏☺💕☺☺💖💖☺☺👏👏👏👍👍👍💘👍💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works