ハーゴンの残滓なかなか喋らないハーゴン。あまりにも気分が悪いからだ。
ビルドの『ハーゴンがいたら色々聞きたいな』という願いが作用し、この世界のハーゴンの記憶(残滓)がより集まり出来た澱のような存在。
しろじい神殿に出現した為、しろじいがすぐに己のおおきづちに封印した。
しろじい神殿から出られない。
本来のハーゴンとは別の存在。
ハーゴンはシドーに対して、一眼見た時はやや感慨を感じる(本当に現実世界に、という)
シドーのことは破壊神シドーの弱い部分という眼で見るが、一度統合しまたこの世界で創造の力が成長するのに合わせてシドーの中の破壊神の部分も蘇っている。 シドーの瞳の奥にそれを感じ、やや圧倒される。
シドー自身に自覚はなく、創世時に破壊神の力を使い果たしただの少年に戻ったと思っている。
(…ほんとうに、その身を顕している)
(あの仮初のまぼろしが)
「オイ。オマエ、生まれ変われなかったのかよ?」
(残り滓の子供風情が…。)
(残り滓は私もか。)
ハーゴンは自嘲気味に笑う。
シドーが身を乗り出し、目が合う。
神官は、その瞳の奥に確かに破壊神シドーをみた。
「……シドー、さま」
「なんだ。喋れるじゃないか」
は、とするハーゴン。
しろじいも喋れることは知らなかったので驚いている。
「……私はハーゴンそのものではない。この世界が憶えていたハーゴンがより集まった、…まぼろし、とでも言っておこうか」
「オレ達と戦ってた時もすでにぼうれいだったが」
「しっ」
「へえ…。便宜上、正式呼称をタイニーハーゴンとするね」
「は?」
「タイニーハーゴン!色々聞きたいんだ!」
「……黙れ。話すわけがないだろう。身の程を知れ」
えっ!とやや面食らうがあまりこたえてないビルド。
「まぼろしの世界はどうやってつくった?」
メモ→幻の世界は物作りなき世界だった。そこにいにしえのビルダー…しろじいが大樹や城を作りものづくりで満たしていった。
「こ、た、え、な、いと言っとるだろうがこのウジ虫め!」
「ああ、最悪だ。コイツの願いによって身を結ぶなど。なにかしらの不純物が混ざっていてもおかしくない。しかも私はそれに気づけるのかどうか。」
「似たようなことしてたじゃない。宗教なんて作って、その身まで捧げて」
「……一緒にするな」
「いつ消えるかもわからない。」
「消えそうな感じは無いけど、不安なら作り直してみようか?この世界に。ビルダーハートどれくらい使えばいけるかな」
胸元をパカっと開けて中のビルダーハートを覗き込むビルド。(比喩だよ)
「ハーゴン。消えたいか?」
「ああ。私は負けたのだ。……認めよう。物作り……仲間……。けして無意味などでは無い、と。キサマらの作ったこの世界を見れば、いやでもそう思わされる」
「へへん。だろ?案内してやろうか?」
「だから、ここにいたく無いのだ。……壊したくなる。すべてを」
「まあ……今ここにあるものだって、いずれ壊れるよ。僕がみんなと作った、大好きなこの場所も」
「でも、その未来にもまた何かが作られてるんだ。誰かが、作ってくれてる。」
「…………」
ビルダーを睨みつけて、ハーゴンは消えた。
メモ:ハーゴンは狂う前は大切なものを失うのが怖いタイプだったと思う。だからこそ全てを終わらせようとした。生まれると必ず壊れるので生まれないように、苦しみから解き放つ為という側面もあったように思う。
「本日の営業時間は終了したようぢゃ…」
ルル「そんな役場みたいな感じなの…?」
「こうしてまた話せるとはな。どうせならアイツにも物作りさせようぜ」
「得意なジャンルとかあるかな?」
しろじい「……さすがに同情するぞい!」
シドー(本当の本当に消えたいんなら…消してやるか。オレの手で。)