傷落ちの雄花~④~ 筆を置き、伸びをして、浩介を手招きする。もう恒例となりつつある流れに自然と隣に移動するも、間近で見る青木の横顔に浩介は狼狽えた。
反射的に浩介に膝を避けられ、青木は重みのままに畳に頭を打った。
「った!!何をするんだ浩介!」
頑なに膝枕を拒む浩介に流石にお手上げになった青木はようやく姿勢を直し、腕を組んだ。
「何故に拒む…?もしや、好きなおなごでも出来たのか?」
「それは違います!」
即座に否定する浩介を青木は意味深に見上げる…。
「それはそうと浩介お前、この前寝入っている俺に、何をしようとした?」
「!!」
気付かれていたのか…浩介の顔から一気に血の気が引く…。
「寝込みを襲うなんて卑怯な奴め」
「す!すみません先生!あの時は…その…自身でも訳が分からず…」
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