底無しに好きになって、ありがとうは積もりに積もる~④~ お揚げの去勢手術の日、青木は息を切らせて帰ってきた。
「お揚げー!大丈夫だったかー!!?」
「ぃにゃーーん」
「あー元気そうで良かったー!ん?これなんだ?首に巻いてる囲いみたいなの。」
「傷口を舐めないようにするためのものらしい。『エリカラ』とか『カラー』とか呼び方は色々で、種類も沢山あるみたいだ。ネットで眺めてるだけでもけっこう楽しいぞ。」
病院で付けてもらったの、はシンプルに透明で白縁が付いたものだった。
「へぇーこんなに種類あるのか。付けてるのって何日くらいになんだ?」
「長くて2週間くらいらしい。」
「そんじゃ、可愛いの2,3個追加してあげたいな。」
青木は画面を忙しくスライドさせた。目を輝かせつつも、懸命に吟味しているのが分かる。豆太郎の首輪を選ぶ時も、こういう顔をしていたんだろうか…。青木の見られなかった瞬間を垣間見れたようで嬉しくなる。
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