家具を買う七五 忙殺される日々を過ごすその合間に少しでも多く顔を合わせる時間を作りたい。そう意見が一致して同じ屋根の下で生活を始めたのは少し前だ。元々学生の頃は同じ寮で寝食を共にしていたのだからお互いの勝手は知っているし、今ではそこに交際期間もそこそこ長くなってきた恋人同士というキャリアも付き、今更ながらの共同生活に特に大きな問題が起こるはずはなかった。
が、七海は自宅で悟を前に大きくため息をつく。
「……五条さん」
三時間の空きができたからとわざわざ自宅に戻ってきてくれるのは、顔を見れるのでありがたい。そう、高専に入学してからなのでもう十年以上の付き合いになるに関わらず、七海は今でも毎日でも顔を見たいし、毎日早く逢いたいと思っている。だから今のこの時間は、二人で暮らし始めたから得られた三時間であって、そこにはまったく問題はない。
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