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    HQ_kazu613

    @HQ_kazu613
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    HQ_kazu613

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    その瞳に映るのは

    侑→日ぐらいの距離感
    試合中、ベンチでの会話
    アニメ見て改めて、侑には日向の光は眩しいだろうな、と思ったので

    #侑日
    urgeDay

    試合中、違和感がありそれが監督にもバレてたみたいですぐにベンチに下げられた。まだいける、という気持ちとちょっとやばいかもしれへん、という葛藤を抱えたままベンチに座らされ駆け寄ってきたスタッフに左手を差し出す。このスポーツをしてると、突き指なんて普通すぎて痛いとかも感じひんようになったけど、今回はちょっといつもの感じとは違う。とりあえず冷やそうと、別のスタッフから氷嚢を受け取り、左手の薬指に当てながらそれでも続いている試合をまるで観客のような目で見つめる。今のトスはないやろ、ぼっくん助走短かったのによぉ飛んだな、相手のブロックうまいなめっちゃ分析されてるやん。コートの中では見えなかった景色が見えてくるのはいいことかもしれないが、やっぱ俺はそこに居たい人間なので唇をぎゅっと噛み締めた。
    「大丈夫ですか」
     後ろから近付いてきた翔陽くんが、俺の顔を覗き込む。今日も大活躍でバンバン点数を決め、俺のトスにもちゃんと反応してくれた相棒は、ちょうど交代で下げられていた。今日はたぶん、このまま彼の出番はなく試合は終わるだろう。もちろん、勝利で。
    「あーたぶんな。こんな痛いの初めてやわ」
    「すごい変わったぶつかりかたしてましたもんね」
     どうやら彼は俺が怪我をした瞬間を見ていたようだ。左の薬指だけボールがあたり、そのまま勢いでもってかれた。もちろんボールを返すことができず、あちら側の点数になったのはめっちゃ悔しい。
    「これから病院ですか」
    「せやろな。明日もあんのに」
     うちはこの状態で出してくれるような、選手層の薄いチームちゃうから俺とは違うセッターが仕事してくれている。チームとしては喜ばしいことかもしれへんけど、個人的にはめっちゃ悔しい。
    「翔陽くんも、明日出られへんのちゃう」
     彼の武器である速攻を合わせているのは俺しかおらへんから、必然的に翔陽くんも出られへん。そこを責められるかもしれへんな、と思いながらわざと冗談っぽく言ったにも関わらず、彼は嫌な顔一つしなかった。
    「そうですね。でも、コートの中だけが試合じゃないですから」
     すっと視線を外され、彼の瞳にコートが映る。臣くんが難しいコースにスパイクを決め、マッチポイントまであと二点となった。点数的にも、大逆転劇が無い限り勝利が見えている。
    「こうして、外から見る試合も勉強になります」
    「……せやな」
     トス上げて欲しいと強請る瞳を知っている。ほんま体力おばけのバレー好きおばけやな、試合に出られへんだら死ぬんちゃうかと思ったこともある。でもその認識は違ったかもしれへん。彼の中でのバレーは、コートの中でも外でも、試合中でも試合がなくても、心臓が鼓動するかのように動いている。本物のバレー馬鹿や。
    「宮、行くぞ」
     スタッフさんに声をかけられ、立ち上がる。先に病院へ行くのだろう。
    「ほな翔陽くん。俺の分も勉強しといてな」
    「はい。帰ってきたら全部解説しますね!」
    「それ、朝までかかるパターンやろ」
     右手でひらひらと手を振り、監督と観客席に向かって頭を下げてから、もう一度コートの方を見る。それより手前でただ動かずじっと観察を続けている彼の背中は、この世界では低身長とされているはずなのに、大きくたくましいものに見えた。
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    HQ_kazu613

    DONEきらきらではなくて、どろどろ


    恋ってきらきたしているものかと思っていたのに、どろどろしているなと思った日向の話。匂わせ程度ですが事後です
    恋に落ちるのは一瞬だと言う。その恋が永遠に続くかどうかは、その人次第だと思う。俺も、いつかよく街中で聞くラブソングのような恋をするのだろうと思っていた。きっとその恋はきらきらと輝いているのだろうと。
    「なんか、想像よりもきらきらしてないですね」
     ベッドに寝転びながら、お風呂から帰ってきた侑さんの顔を見つめ、思わずそんなことを言ってしまった。髪をタオルでごしごし拭いている彼は「はぁ?」とまるでヤンキーのように言いながら首を傾げる。
    「何がきらきらしとるん」
     彼がベッドに座ったことで、少し軋む。
    「恋が?」
    「なんで疑問形やねん」
    「ふっとそう思ったんです」
     もっときらきらとしていて、砂糖のように甘くて、ぽかぽかと暖かい気持ちになるのだと思っていたのに、今はそんな理想とが違う気持ちだ。
    「もしかして翔陽くん、少女漫画みたいな恋とか憧れとるん?」
    「それは侑さんでしょ」
    「否定できひんなーいいやん、性欲のないただ『好き!』っていう関係って、清くていいやん」
     言葉とは裏腹に、するすると指先で体を撫でられる。ちゃんと服着ぃやと言われていたが面倒で着ていなかった俺も悪いが、今そんな手つきで 1148