『馬鹿にできない馬鹿騒ぎ』―side:Kuroko―「もしもし、火神君?久しぶりですね、どうしました?――えっ、こっちに帰って来るんですか?」
三月末日の夜のこと。自宅でのんびりしていた黒子は相棒から突然かかってきた電話を受けていた。
「ちょっと待ってくださいね。赤司君」
「ん?どうした?」
黒子は火神に断りを入れると受話器から耳を離し、背後にあるキッチンでせっせと晩ご飯の支度をしていた赤司に声をかける。火神に会うついでにストバスに誘われたので、赤司を誘おうと思ったのだ。
「火神君がこっちに帰って来るそうなんですが明日、キミ何か用事ありますか?」
「いいや?特に何もないよ。ストバスでもするのかい?」
ひとこと聞いただけなのに赤司は黒子が言いたいことを察したのか、全てを言い終わる前に問い返して来たので黒子は首肯する。
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