4戦目★水も滴るなんとやら雨降る夜が明け、白い朝焼けがいつにも増して眩しい。
青々しい森の小道で朝から小枝に止まる小鳥達が雨が止んだと囀る横を通りすぎた二人の旅人の間で、本日一回目の小競り合いを告げるゴングが鳴った。
「君が朝に弱くて起きれないから、仕方なく僕がわざわざ起こしに来ているんじゃないか!逆に感謝して欲しいね!」
「俺が言ってるのはやり方だ!なにも耳元でフライパンを叩き鳴らす事は無いだろう?!」
「あれなら君がいかに寝起きが悪くても一瞬で目が覚めて飛び上がる。ナイスアイデアだろう?」
アプから教えてもらったんだ、と得意げに両手で拳を作りフライパンとおたまの取っ手を握りフライパンを叩き鳴らすジェスチャーを取ったピクとは対照的に安原は忘れかけた耳鳴りを思い出し苦い表情を浮かべる。
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