学パロエデン組「諸君!!本日はお集まりいただき誠に感謝する!!」
放課後の空き教室の扉が開くのと共に響く大声。
それはある一つの不思議な部の活動開始の合図だ。
もっともそれを部活と呼んでいいのかは参加している自分自身甚だ疑問ではある。
「こんにちはレオス君。皆揃って待ってましたよ。」
「ヴィンさんこんパタ!それで今日は何して遊ぶんだー?」
上級生3年のオリバー・エバンスは読んでいた本を閉じると和やかに笑い、
2年生でこの部の紅一点であるレイン・パターソンは早く活動内容を知りたくてうずうずしているようだ。
そんな二人の言葉を聞いて同じく3年生の創部者であるレオス・ヴィンセントは、
皆の期待を煽る様にインテリキャラさながらな素振りで眼鏡に手を添えてニヤリと笑った。
「ふっふっふ、今日の活動内容が気になる様ですねぇ?ズバリお答えしましょう!」
どことなく怪しい雰囲気を匂わせて、学生というのに白衣を纏っている彼はパッと見は正直関わったら面倒になると思っていた。
しかしそんな彼に有無を言わさず巻き込まれて、この部の一員になった事に後悔の気持ちが湧いていないのも紛れもない事実だ。
「へへ、今日は何するんだろね。発表する瞬間はやっぱドキドキするわ。」
「それな、せめて終わった後に身体を痛めないやつが良いけどな。」
そして…1年生である俺、ローレン・イロアスと親友のアクシア・クローネは入学早々彼等上級生の破天荒に巻き込まれ、
それ以来この場所で愉快な放課後を過ごしている、って事だ。
「本日の活動内容は…こちらになります!」
部長のレオスの言葉と共に黒板に文字が書かれていく。
そうして彼が書き終わった言葉を見て彼が改めて活動内容を堂々と宣言し、
各々がそれに対して個性的に反応を示す中、俺は色んな感情が籠る溜息を吐いた。
俺達が所属する部は通称"エデン組"。
主な活動内容は、部長である彼が校内で最も楽しく放課後の時間を謳歌するため全力を尽くす事。
まったく…今日もこの独裁者の部長様は俺等を休ませてくれない。